7/21 立山 古の登山道を辿る | がんちゃんの雪山讃歌

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石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
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昨日は予定通り立山へ行ってきた。

 

立山と言っても雄山へは行っていない。混むので。

 

今回の目的は立山駅から室堂まで古代の登山道を辿ることで昔の修験者達がどのように立山へ登拝していたのか体験することだ。

 

立山は乗鞍と同じく3000m峰であるにも関わらず割と容易に登頂できてしまう山となってしまっている。

 

理由はもちろん「立山黒部アルペンルート」だ。

 

富山側からであれば2,000円も払えば簡単に標高2,400mまでケーブルカーとバスで連れていってくれるので、敢えて下から歩こうなどと思う人は通常いない。

 

アルペンルートの営業が終わった12月~3月の期間に立山に登る場合は嫌でも立山駅から歩く必要があるが、アルペンルートが営業している間は一部の物好きな人が楽しむためのルートとなっているのだ。

 

ということであれば、当然物好きな自分も歩くしかない。(笑)

 

本当なら北部白山へ行きたかったところだが、仕事の電話がかかってきそうなので電波がつながる立山を選んだ…という経緯は一旦忘れよう(笑)

 

今回のコースタイムは22時間半…のんびり歩いたのでは0時スタートでも夜中になってしまうのでそこそこ頑張って歩く必要がある。

 

前日のうちに下山口となる称名滝駐車場にチャリをデポして、立山駅で車中泊。

 

0時過ぎに立山駅の裏にある夏道からスタートした。

 

あまり知名度はないかもしれないが、ケーブルカー乗り場の裏にちゃんと登山道がある。

 

登山道から休憩中のケーブルカーを見下ろす。新鮮な光景だ。

 

ケーブルカーに乗ると途中でアナウンスされる「材木石」。登山道にもあった。

 

材木石がゴロゴロ。

 

ロープやハシゴもあってなかなかのアドベンチャー。

 

れっきとした登山道なのだ。

 

美女平までの標高差500mを1時間かけて稼いだ。蒸し暑くて大変だった。

 

急登は美女平までで、そこから室堂までは基本的になだらかな木道歩きとなる。

 

美女平の標高は977m室堂の標高が2,450mなので約1,500mを上げる必要があるわけだが、距離も約18kmあるのでかなりゆったりと標高を上げていく感じになる。

 

今回の道は立山の歴史がたっぷり詰まっているのだ。

 

暗闇の歩行が約4時間、途中でいきなり狸が飛び出してきたり、動物の目が光ったりと夜の森ならではのイベントもあるが毎回こんな山行ばかりやっているとさすがに慣れてくる。

 

八郎坂あたりで長い夜が終わり(冬に比べれば短いけど)ようやく辺りが明るくなってきた。

 

そこからは楽しい木道歩きが始まる。

 

色々と花は咲いていたが白山に慣れ過ぎているせいかあまり花が多いという感じではなかった。

 

ニッコウキスゲ

 

池塘の周りにはワタスゲもぽつぽつと咲いていた。

 

夏の弥陀ヶ原を歩くのも当然初めて。

 

完璧に整備された木道を歩いていく。正面は大日岳。

 

基本的には楽しい木道歩きなのだが、一か所だけ例外がある。

 

「獅子ヶ鼻岩」だ。

 

軽く沢を渡ったり、鎖場を登ったりする必要があるので、ここだけは真面目な登山といった感じになる。

 

とはいえ、登山経験者であればそれほど難易度は高くないのでそこまで構える必要はない。

 

これが獅子ヶ鼻岩。まるでモアイ像のようだ。

 

沢を渡渉する。まあ登山靴でも問題ないけど今回も沢靴で来たので安心だった。

 

鎖場もある。濡れた岩が少し滑るのでしっかりしたソールの登山靴が必要。

 

獅子ヶ鼻岩の上から歩いた沢を見下ろす。かなりの高度感だ。

 

獅子ヶ鼻岩の腹の部分に岩窟があった。

 

中には仏像が安置されていた。

 

獅子ヶ鼻岩の登りをクリアしたら再びお気楽木道歩きの再開となる。

 

天狗山荘に近づくにつれていよいよ立山の御神体が目に入って来る。

 

バスでアプローチしてしまうと何のありがたみもないが、こうやって自分の足で歩くと感動もひとしおだ。

 

天狗山荘の手前で美女平からの始発バスに追い抜かれた;;

 

自分の足で稼いで目にした立山は感動ものだ。

 

空気は澄んでいて剱岳も良く見えていた。

 

チングルマがすごかった。ここまでの密度で咲いているのは初めて見たかも。

 

雪渓とチングルマ畑。

 

出発から8時間かけてようやく室堂に到着した。

 

途中で案の定仕事の電話が入ったが、さすが立山電波はバッチリ。

 

無事用件も済ませてホッと胸をなでおろした。

 

室堂まで来ると人人人…わかってはいたがこの人混みから早く抜け出したい。

 

とりあえず雷鳥沢へ向かい、室堂乗越から大日岳を目指す。

 

室堂から奥大日岳までは行ったことがあるが、奥大日と大日はまだつないだことがなかったので今回歩き通せれば無事踏破することになる。

 

室堂の玉殿の湧水で水を補給。カンカン照りじゃなくて助かった。

 

みくりが池と雷鳥沢方面。まだ雪も残っていた。

 

雷鳥沢のテン場を通過して室堂乗越へ。少しだけ雪渓が残っていたがステップバッチリで沢靴でも問題なく通過できた。

 

今回で2回目となる奥大日岳。目にすることは多いがなかなかピークまでは行っていなかった。

 

途中で一緒になったトレラン風の御婦人2人。なんと自分と同じ石川県内灘町の方だった。

 

立山のコバイケイソウも今年は当たりか。

 

奥大日岳登頂!剱岳をバックに。山頂はそこそこ賑わってました。

 

同じ町内の御婦人とはここでお別れ。

 

ここから大日岳まではそれなりにアップダウンがあったり、崩落地もあるので少し慎重に歩く必要があった。

 

これから向かう大日岳を遠望。雪渓が山頂まで導いてくれそうだ。

 

お気に入りの七福園。

 

時間があればぜひここでランチでも採りたいところ。

 

大日岳登頂。今年3月にスキーで来て以来3回目。なぜかトンボが大量発生していた。

 

これから向かう大日平山荘と木道。

 

無事大日岳のピークを踏んだらあとは下るだけ。

 

曇っていたので灼熱地獄というわけではなかったが標高が下がるとやはり暑い!

 

途中沢水で体をクールダウンしながら急登を駆けるように降りていった。

 

沢装備のメリット、沢があればじゃぶじゃぶと水浴びできる。

 

大日平で見つけたタテヤマリンドウ。結構レアだと思う。

 

登山道は木陰でも暑い…梅雨明けしたら沢登り行くしかない。

 

最後はチャリで立山駅まで戻ってゴール!完全燃焼でした。

 

ルート、コースタイム等詳細情報はヤマレコへ!