4/21 剱岳周回 完全燃焼 | がんちゃんの雪山讃歌

がんちゃんの雪山讃歌

石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
ヤマレコもやってます。(HN:Sanchan33)

昨日はYSHR先生、大魔人さん、パク、兄ちゃん、名人さんと総勢6名の地獄メンバーで剱岳へ行ってきた。

剱岳と言ってもピークを獲るわけじゃない

馬場島から立山川を遡行して室堂乗越から剣御前小屋へ向かい、剱沢を滑走。

近藤岩から池の平小屋まで登り返して滑走、そして大窓まで登り返して最後は白萩川を滑るというトータル距離40km、累積標高差3,300mを登って滑られなければならいという超ドM山行なのだ。

参考:今回の山行のルート図

 

自分も昨シーズン初めてこの周回をやったのだが、脚は完全売り切れ、これまでの山行で感じたことのないような疲労感と達成感を同時に味わうこととなった。

登山というのは不思議なもので、疲れて大変だったことは忘れてすぐ「また行きたい」ということになる。

今回の山行も例に漏れず、去年あれだけ苦労したのにまた行こう!ということになってしまった…

 

この時期はまだ起点となる馬場島まで入れないので6km手前の伊折がスタート地点となる。

そこから標高差250mをチャリで漕いでいく。

YSHR先生たちは例によってフライングスタートしていったので名人さん、パクと3人でのんびり出発した。

 

パクとの会話の中で「どうやったらチャリが楽になるか」聞いてみたところ、どうやらアヒルボートの要領で漕ぐのが良いらしいということだったで早速試してみた。

要するに湖でよく見るアヒルボートを漕ぐときのように手と足を延ばし気味で漕ぐと楽だということだ。

やってみたら…本当に楽だった。もうちょっとサドルの高さを上げた方がいいかも、みたいな話もあったので今度試してみよう。

馬場島まで6kmをチャリで漕ぐ。今回はそれほど距離がないので楽ちんだった。

 

馬場島からは早月尾根には取り付かず立山川を遡行していく。

問題は立山川が雪割れを起こしていないか…雪割れしていて行く手を阻まれてしまったら我々の山行はその時点で終了となってしまう。

かなり際どい箇所はあったが何とかクリアすることができてホッとした。

ギリギリ雪がつながっている場所

 

岩を乗り越えなければならない場所もある

 

落ちたらドボンだけでは済まない。慎重に進もう

 

難所を超えたら自由自在、去年の立山川とは異なりほとんどデブリもなくて歩きやすい状態だった。

室堂乗越に出たところで夜が明けた。

先週アルペンルートが全線開通したので室堂を訪れている人も多そうだが今はまだ時間が早いので静寂に包まれている。

我々は淡々と次の目的地である剣御前小屋を目指して雷鳥沢を詰めていった。

YSHR先生と奥大日岳

 

雷鳥沢キャンプ場の様子。さすがにテントが多い。

 

まだ冬毛の雷鳥も。立山では珍しくない。

 

剣御前小屋まで到着するとまさかの暴風とホワイトアウトの地獄モードだった。

寒くて仕方ないのでそそくさと滑走準備をして剱沢へ飛び込んでいく。

本当ならここから剱岳の雄姿が見られるはずだったのに残念だ…そんなガッカリな雰囲気に包まれていたらまさかの神降臨!

なんとパーっとガスが晴れて剱岳の姿が露わになったのだ。

ガスガスで剱岳は全く見えなかったのだが…

 

一気にガスが晴れて絶景が目の前に!

 

ルンルン気分で剱沢を滑走していく

 

剱沢の先には尖って見える鹿島槍ヶ岳と雲海

 

超快適ザラメ滑走

 

ほんの数分前までホワイトアウトだったのが嘘のようだ

 

ほんの少しの間だったが太陽が出てくれて嬉しかった

 

普通の山スキーなら滑って終わりだが、今回はあと2回登り返しが残っている。

450mと600m…最初に2,200mも登ったのに更に1,000m以上登らなければならない地獄。

1つ目の登り返し地点となる近藤岩まで標高差1,200mを滑ってシールを貼ったら早速登り返す。

まずは池の平小屋までの450mだ。

目印の近藤岩。どれだけ雪が降っても埋まらない。

 

去年来た時より雪は汚れていた。

 

池の平山、待ってなさい!

 

標高が上がるにつれて段々と雪がキレイになってきた。

 

大人の遠足

 

池の平山周辺はマシュマロみたいに白く美しい山容。

 

池の平小屋まで登り切ったら再び標高差600mほど滑走する。

去年は少しモナカ気味だったが今回はどこも快適なザラメ状態だった。

池の平小屋(埋まっている)のところで滑走準備

 

YSHR先生

 

大魔人さん

 

名人さん

 

兄ちゃん

 

パク

 

自分も

 

標高1500m付近まで滑り込んだら大窓まで標高差600mを登り返す。

この最後の登りで去年はやられた…今年はどうだろうか。

アミノ酸もこまめに補給してきたが…

去年と比べるとデブリも少なく太陽も出ていないので歩きやすそうではある。

だが歩いてみるとやはりしんどかった。忘れていたあの疲れを思い出した。

ああ、去年ももう2度とやらないって思ったな…けどきっとまた来るんだろうけど(笑)

去年より雪庇も発達しており大窓への登り上げは苦労したが大魔人さんを先頭に突破。

もう登らなくていい!そう思うと晴れ晴れとした気分になった。

最後の600mを登る前にコーラで景気付け!

 

あの大窓まで登る。見えているのに近づかない富士山現象に悩まされる。

 

雪庇の攻略に一苦労した。

 

担いで左端の弱点を攻めよう

 

最後はツボ足ダブルウィペットで攻略。何とか大窓まで登り上げた。

 

もう登らなくていいぞ!(と、白馬岳を見ながら)

 

小窓尾根もガスで覆われていたが雰囲気あっていいかも

 

最後は大窓から白萩川を滑走するだけ…のはずなのだがここもやっぱり雪割れが心配。

下部はもしかしたら渡渉があるかも、心配しながら滑っていくとやっぱりありました、アドベンチャー

川の渡渉に崖のトラバースもありやっぱり甘くはなかった。

大窓から白萩川へドロップ

 

途中で大窓を振り返る。去年よりデブリはなかったがザラメモナカだった。

 

渡渉もあり

 


毎度の試練と憧れ。今年もやり遂げました!


チャリで6kmダウンヒル。お疲れさまでした。

 

車の脇にはキクザキイチゲが咲き誇っていた。

 

ルートやコースタイム等、詳細はヤマレコへ!