戦後の混乱期でもハイパーインフレーションにはならなかった。
1946年という年は、前年の8月15日まで続いた大東亜戦争により、日本は国内の工場など、生産設備や都市がアメリカ軍に焼き払われ、国内の供給能力が極端に落ちた状態であった。
それでも、日本のインフレ率は、東京の小売物価指数は、最大で513.8%に過ぎなかった。
インフレ率500%とは、1年間で物価が6倍に跳ね上がるという異常事態であるが、「ハイパーインフレーション」にはならなかった。
「日銀が国債を買い取るとハイパーインフレーションになる」などと極端なことを言う人がいるが、ハイパーインフレーションとは「1年間のインフレ率が13000%になる」ことである。
毎月50%のインフレ率が継続してハイパーインフレーションと呼べる。
毎月、物価が1.5倍になり続ける環境が、定義上のハイパーインフレーションなのである。
過去にハイパーインフレーションに陥った国の例として、1917年の第一次世界大戦後のドイツである。
ドイツ経済は、「100兆マルク紙幣」が発行されるほどのハイパーインフレーションに陥った。
「戦前・戦後の東京の小売物価指数」