中国出張中の飲み友から、一本のメールが届きました。
「一燈照隅、どうしても行きたい。
1人予約は言いづらいから、いつもイベントに申し込んでた。」
読んだ瞬間、笑ってしまった。
でも確かに・・・。
実は昨年から、私の事情で「一燈照隅」は、イベントも開催できず、
新規会員の受付もNG でした。
ご予約が自由に取れない不自由さを与えてしまっているお客様(会員様)に、
本当に申し訳ないなと感じ・・・。
そして、その飲み友の熱量が、妙にまっすぐで。
私も一燈の食事で元気になりたかったタイミング!!!と思い、
「じゃあ私が付き合うよ」と一緒に行くことにしました。
どうせなら、ほかの会員様もと思い、SNSにてお席が空いていることをお伝えしたら。
結果、SNS投稿を見た方が1名参加して、3人での食事会に!
さらに会員さまが翌日の予約も入れてくださり、
本来お休み予定だった日がお店をオープンさせました。
料理長も経営者としても、胸が熱くなる出来事でした。
会員様には、本当に心があたたかくなる瞬間をいつも頂いております。
一燈照隅は「足さない」料理。
毎回私は呟きますが・・・。今日のお料理が今までで一番おいしかった
という一言。
この日も、思わずそうつぶやきました。
足して、作り込んで、整えるのではなく。
引いて、素材をそのまま立たせる。
だからこそ、誤魔化しがきかない。
そして、お口に入ったその瞬間に、静かに感動がやってきます。
この日のお料理をご紹介。
本当は、ネタだししないで。
その日、その日でお料理が違うので。といつも料理長には言われております。
元々は撮影禁止でした笑 ごめんなさい~。
■ 食材を重ねるだけ。調味料は何一つ使わない。“究極の引き算スープ”
よくある昆布や鰹で出汁を取ることも致しません。
スープの概念が変わる、その一杯。
味を足さず、食材を重ねていくことだけで出すそのうまみは、
身体に入った瞬間、内側が落ち着く感じがしますし、これから何が始まる?
という 次のお料理の期待感が膨らみます。
■ ホタルイカ(酢味噌をかけない)
酢味噌で完成させない。
ホタルイカが持っている脂と旨みを、そのまま味わう。
「素材の味がわからなくなるから」と、引き算の徹底。
よくある召し上がり方はお友達のようなグルメには通用しないので、
素材そのものを引き出しました。

■ なまこ(ポン酢をかけない)
なまわたの塩味、なまこの旨み。
そこに添えるのは自家製の白ポン酢をほんの少しだけ。
よくあるポン酢で味でまとめるのではなく、
素材に寄り添うために自家製の白ポン酢を1ミリ程度のみ。
■ 一燈の茶わん蒸し(スープと同じ調味料は何一つ使わない)
鰹で出汁もとりません、なので鰹の風味はありません。
加工も、最低限。
卵の力、火入れの精密さ、それだけの美しさだけで成立している。
レシピは企業秘密です。
■ お造り:アコウ/ヤリイカ/愛の貝柱/真鯖/シラサエビなどなど
全種「生」と「炙り」で提供。
いただき方は、塩とごま油。
ごま油は“ゴマの重さだけで30時間抽出”というこだわり。
香りが強いのに、味を壊さない。不思議な体験。こちらはイメージだけでお願いします笑
私は「一燈照隅」でお刺身(お造り)を頂くようになってから、
醤油よりもごま油で頂きたくそのお味を忘れられなくなりました。
■ たこしゃぶ(写真禁止のメイン級)お写真出さないでと言われたけど今回だけ~。
ほのかに梅、ほのかに出汁。
あまりに美味しすぎて、、企業秘密で写真禁止なのに、パシャリ笑
友人もため息をつきながら食べていました。
「タコがこんなに柔らかく、旨みがあるのは初めて」と。
ため息の出る生蛸のしゃぶしゃぶは最近はなかなか頂けません。
だけでなく、お出汁、こちらも昆布や鰹は使用しておりません(何でお出汁を?も秘密です)

■ 年に数回しか上がらない地元の天然鰻
重くないのに、旨みだけが残る。
“鰻=濃い”の常識が外れました。
これはね、何口も行ける!とお友達がここもため息を・・・。
いや、やばいわと言っておりました。
■ 地元の貝を日本酒で炊き上げる
ひめがい、じょろう貝など、地のものを丁寧に。
派手ではないのに、記憶に残る“余韻の旨み”。
これがお口直しなの?と聞いたら・・・

■ 地元の旬野菜を愛媛のぽんかんで。
元々予定していなかった野菜サラダ。
私が当日お持ちした、ある愛媛の松山の方から届いたぽんかんを、
明日のお客様が別店舗で何かの仕込みにどうぞとお渡ししたら、、、。
そのままどうぞとドレッシングに。
是にはびっくり。でも、これこそがまさに「一燈照隅」
料理長は時々即興で、お料理を変化させます。
なので、メニューが作れません。。。
お客様と当日の天気とその瞬間の顔色や体調で、調理法を変えるときもあります。
■ メインは藁焼きステーキ
ほんの数切れなのに、ご満悦。
量ではなく、“密度”で満ちる締めでした。
(男性のお友達はこの倍くらいのボリューム6.7切れでした笑)
■ 〆は蛸しゃぶの一人一人の小鍋が再登場
「一燈照隅」では珍しい雑炊。
一燈の名物は、お客様によって色々ですが、
窯で炊き立てた白米と自家製漬物と何杯も飲めるお味噌汁
(もちろんお出汁は鰹でもいりこでもありません)
ですが、この日は極寒だったので暖かくなってほしいのと
今日の蛸は最高なのでと、その残りお出汁でつくって頂きました。
もうね、のけぞるほど美味しすぎました。
経営者として、嬉しかったこと
会えたお友達、参加してくれた追加のお友達会員様。
告知を見て、翌日に予約を入れてくださった、四国から毎回足を運んでくださる会員様。
すごくすごく感謝です。
そして何よりも・・・、
毎回お料理が更新されている「美味しい」だけではまとめきれない
感動を下さる料理長の心意気。
このお料理に対する姿勢は日本全国の方に体感してもらいたいのが本音です。
ミシュランを渡り歩く私の知人(お仕事仲間)も、ここのお店が一番おいしい
「美味しいの向こう側、美味しいのその先を見せてくれるお店」だと言ってくださり、
いつもミシュラン店のオーナーや仕事仲間を連れて、東京から足を運んでくださいます。
そういうお店の経営をさせて頂いていることが私の奇跡だと、
この日は余韻がすごくてあまり眠れませんでした。
最後に。
友人が言ってくれました。
「来れてよかった。ありがとう。本当に元嶋料理長のお料理は美味い!」
私も同じ気持ちです。
一燈照隅は、食べることで整う店。
またタイミングが合えば、特別枠はSNSでご案内します。
今年夏のおわりくらいには、再度会員様を募集しようかなと思っております。

なんと!お洋服お揃い笑