鬼滅の刃の鬼のモデルは「疫病」? 其の二 | 坂本龍馬資料館ーRyoma Museumー

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■鬼滅の刃の鬼は「疫病」?

近年流行している集英社から出版されている少年漫画、「鬼滅の刃」

この鬼滅の刃は大正時代の鬼退治をテーマにした漫画ですが、「上弦の鬼」と呼ばれる上位六名の鬼達はご存知でしょうか?

この「上弦の鬼」は全て、大正時代に流行した「疫病」がモデルになっていると言われます。


■上弦の壱「黒死牟」 


最古参の配下にして最強の鬼とされる「黒死牟」
十二鬼月の首席である「上弦の壱」の座を数百年も守り続けてきました。

そんな「黒死牟」のモデルは、「黒死病」だと言われています。 


「黒死病」は、当時の世界人口4億5000万人の22%にあたる1億人が死亡したと推計されている、正に最強の「黒死牟」に相応しい最恐の感染症で第一種感染症に認定されています。

正式にはペスト菌による感染症で「ペスト」という名で知られています。

14世紀ヨーロッパの流行では、人口の3分の1以上がペストによって失われ、皮膚が黒くなる特徴的な症状から「黒死病」と恐れられました。
鬼の「黒死牟」の肌にも黒い痣があり、これは「黒死病」により皮膚が黒くなっているのを表していると言われています。

この長年脅威を奮った「ペスト」ですが、大正十一年(1922年)の最後の流行を経て、終息に向かいました。
鬼の「黒死牟」が退治されたのと同じく、大正時代以降、「黒死病」は日 本国内では確認がされていません。


■上弦の弐「童磨」


「童磨」は上弦の弐という位の他、新興宗教「万世極楽教」の教祖という立ち位置でもあります。

この「童磨」のモデルは、恐ろしい感染力で広まり日本の重大な感染症として「国民病」「亡国病」と恐れられてきた「結核」です。

結核とは、「結核菌」という細菌による慢性感染症です。

結核菌は気管支を通って肺の他の部分に広がり、リンパ流や血管内に入って全身に広がっていきます。
最後には「肺の組織の大部分が破壊」されて呼吸困難や、他の臓器不全を起こして生命の危機を招きます。

鬼の「童磨」にも、血鬼術「冷気発生」という鋭い刃のような2つの扇を武器として、自らの血を凍らせ冷気を操る血鬼術を持っています。

この技は、その冷気を吸うと「結核」と似た症状の肺が凍りついて壊死する「肺胞の壊死」が特徴です。


「童磨」を倒したカナヲの技・彼岸朱眼は自身の「失明」の副作用がありますが、現在は不治の病とされた「結核」も、治療薬により完治させる事が可能になりました。

その治療薬には副作用に「視力が低下」する事があります。


■上弦の参「猗窩座」


上弦の参である「猗窩座」は、道具を使わず自らの体一つで戦う接近戦を得意とします。
また上弦の鬼の中でも彼には「青い彼岸花」を探すという特別な任務が与えられており、一人で許されている行動範囲が他の鬼より広くなります。 

そんな「猗窩座」のモデルは二つあり、麻疹ウイルスによる感染症で、10世紀に記録されている「赤斑瘡」と、三類感染症に指定されており、世界に広く分布する細菌性の感染症の「コレラ」です。

まず感染症の「赤斑瘡」は江戸時代には「はしか」、「いなすり」 と呼ばれ、麻の実のような発疹や発熱の症状があります。
当時は麻疹ワクチンが無かった為に、神に祈る思いで家の門口に久紋龍という「呪文の魔除け」札を掲げていたとされます。

同時に鬼の「猗窩座」の体にも「魔除けの呪文」の様な痣があります。
これは「赤斑瘡」の久紋龍という「呪文の魔除け」札から取ったと言われております。


また、「猗窩座」の性格面は、「虎」の様に強い「素手」による拳法家の一面や、ただひたすらに武を追求する一匹「狼」の様な特徴のある鬼です。

この性格面の特徴は、「コレラ」から取ったとされます。

「コレラ」は治療しなければ患者は数時間のうちに死亡する江戸から大正にかけて多くの犠牲者を出した病です。
あまりに早くコロリと亡くなってしまう事から「虎狼狸」とも呼ばれます。


この「虎狼狸」は妖怪の仕業だと考えられ、江戸時代の絵巻物には「虎」と「狼」と「狸」が合体した姿で描かれています。

この「コレラ」の「虎」と「狼」の部分からインスピレーションを得たとされています。


■上弦の肆「半天狗」


「半天狗」は追い詰められれば追い詰められるほどに強くなる鬼であり、複数の鬼を生み出す力を持っている特徴があります。

また「痺れる電撃性」の技を使い、とても「しぶとい」鬼です。

この「半天狗」のモデルになったのは、「ボツリヌス症」と「ハンセン病」です。

「ボツリヌス症」は四類感染症で、ボツリヌス菌の毒素は神経に働き「麻痺」を起こします。
またボツリヌス菌は芽胞がとても強く、121度で数分加熱しないと殺菌できない「しぶとい」特徴があります。

また、鬼の「半天狗」の頭には「コブ」や、まぶたが「腫れて」いますが、「ハンセン症」にも同様の身体的特徴が現れます。

四類感染症の「ハンセン病」は、はらい菌に感染すると引き起こされる感染症です。

特徴として「コブ」が出来たり、皮膚が爛れたり、「腫れ」たりする症状があり、差別の対象になる事がありました。


■上弦の伍「玉壺」


その姿は「壺」の中に身を潜め、本体は細長い体に本来両目がある部分に口、本来口がある部分と額に目があり、頭などから小さい腕が複数生えているという「微生物」の様なビジュアルをしています。

また玉壺はゲル状の「水」を操って攻撃したり「魚」を使った技を出します。

この鬼の「玉壺」のモデルは、「アメーバ赤痢」だと言われています。

「アメーバ赤痢」は、単細胞の原虫と呼ばれる「微生物」である赤痢アメーバが、さまざまな臓器に感染することで引き起こされる病気です。

汚染された「水」を飲んだり、アメーバ赤痢を食べた「魚」を食べたりする事で人間に感染します。
そして「壺」型の潰瘍を残す特徴があります。


■上弦の陸「堕姫・妓夫太郎」


「堕姫・妓夫太郎」 は「吉原遊郭」に身を潜め、百年以上の間、人を喰らい続けていた鬼です。
生前の妹の名前が「梅」であり、兄の妓夫太郎の「歯がガタガタ」になっている身体的特徴があります。

この二人の鬼のモデルは、五類感染症に指定させている「梅毒」です。

「梅毒」は「吉原遊郭」で急激に感染者数を増やし死者を出した感染症です。
「先天性梅毒」の特徴として母親の栄養失調が見られる場合、「歯がガタガタ」になる事があります。


■鬼の始祖「鬼舞辻無惨」


「鬼舞辻無惨」のモデルは「癌」であると言われています。

「鬼」は始祖である鬼舞辻無惨の「血」により 人を媒体にしてしか増えることが出来ず、人体を乗っ取る秘術です。
「癌」にも「血液がん」が存在し、異常な細胞が増殖し発症する病気です。

無惨の目的は「陽の光を浴びても死なない完璧な生物になること」であり、太陽の放射線に弱い事になります。
「癌」には「放射線治療」があり、正に癌細胞にとっては弱点になります。


また、無惨を倒す決め手になった「毒」は、がん細胞の増殖を抑えたりする「治療薬」のことだと言われています。






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