本を読んでみた | 紗奈

紗奈

急性骨髄性白血病(M7)を発症し1年3か月の闘病の末天国へ旅立った娘を持つ母親の患者家族としての記録

にゃんが亡くなる前、もうすぐその時が来るという頃

 

自分がそのことに耐えられる自信がなくて探していたものがあった

 

遺族会のようなもの

 

自死、事故死は相談窓口も遺族会もあったが病死となると当たり前すぎるのかこれといったものが私の住む地域では見当たらなかった

 

調べてすぐに死別のためのグリーフケアという言葉にたどり着いた

 

「喪失」という体験をグリーフと言いそのような状態にある人に寄り添い援助することをグリーフケアというそうだ

 

悲嘆、呆然自失、怒り、自責感、絶望、苦悩、心痛、身体の不調、精神的危機などグリーフは人それぞれらしい

 

 

 

私自身、もういいと思いながらも立ち直りの思いというものもたぶんあるのだと思う

 

でなければ食事をすることも日常生活もすることはないのだから

 

立ち直りと言っていいのかはわからないけれど生きていかなければいけないのだろうとは思っている

 

 

隣町にグリーフケアを行う分かち合いの会を見つけたのだが外出する気にも他人と話をする気にもなれない

 

今の自分の状態を客観的に知っておきたいと思ったのでグリーフケについての本を読んでみることにした

 

 

まだざっと4~5冊しか読んではいないけれどしっくり来たのはこの本だった

 

 

誰を亡くしたか、何(原因)で亡くしたか、今の状態、これからの過ごし方、グリーフとうまく付き合う方法

 

嫌味のない文章で書かれていたし、今の心の状態もいたって普通のことだとわかった

 

涙で読めなくなるのでタオルを片手に読み終えた

 

読み終えたから、さあこれから頑張るぞとは思えないけれど泣かずにいなきゃ、笑顔でいなきゃと変な頑張りはしなくてもいいんだと少し楽になった

 

 

 

グリーフケアや死別の本には宗教観が入り込んだものも多くそういうものは全く興味を持てない

 

悲しみ泣き暮らしていることを故人は望んでいない、そのようなことを喜んでいるでしょうかなどと書いてあるものはそこで読むのをやめる

 

死生観は人それぞれ

 

死後の世界を信じてもいい、神様を信じてもいい、魂の存在を信じでもいい、その人の自由だと思う

 

自分の考えに合わなかったらそっと本を閉じればいいだけだ

 

 

 

同じような経験をしている人は本当にたくさんいる

 

もし本を読めるだけの気力があったら自分に合ったグリーフケアの本を読んでみてもいいかもしれない

 

グリーフケアについての本ではなくても自分を癒してくれそうな本ならそれもグリーフケアになると思う

 

気力がなければ無理はしないほうがいい

 

生きているだけで私たちは十分頑張っている