モールス信号というものは、もう知らない人が多いのではないかと思う
モールス符号を使用した通信
音でも良いし、光でも良い 単に短符と長符を組み合わすことができれば
それは立派にモールス通信になりえる
発光信号もモールス通信の一つです、懐中電灯でもできる
送信電波の断続を音に変換して語として成立させて、モールス通信ができる
その断続のためのスイッチのようなものが電鍵です
ただ、映画では、ときどきモールス信号らしいのが聞こえたりするけど、ほとんど符号になっていない
そう言えば、昔、歌手が「S・O・S」の歌を歌って、そのときバックミュージックにSOSをほんとのモールス符号にしたら
どえらい問題(遭難でもないのに電波でSOSを流すのは電波法違反)になり、すぐ訂正されてSOSのモールス符号を伴奏とはいえテレビやラジオの電波で流すことはなくなったそうです
アマチュア無線では、モールス符号で交信できるのは3級以上の資格
プロの無線では、自衛隊を除き、各級総合無線通信士の他に国内電信級陸上特殊無線技士の資格でしか電波でモールス交信してはいけない
モールス通信は、高校生の頃に第2級アマチュア無線技士を取得し、海外局との交信に没頭した
本職の海上自衛官時代には自ら打鍵することはなかった
海自の艦艇では電波でモールス通信をするのは通信科の曹士のうち専修科モールス課程を履修したものだけできていたけど、モールス符号を学ばないものもいた
航海科は発光信号を探照灯で行い、立直中の航海科員は曹士問わずみんなで受信していたから、もしかしたらモールス通信は航海科員の方が常識として備えていたかもしれない
そう言えば、灯浮標で灯りでモールス符号を使っているものもある
艦船長、航海士、航海員にはモールス符号は必須です
モールス通信もできない通信員なんてシャレにならないと当時感じていた
再就職して、練習船で通信士、通信長となり、自ら打鍵、実通信の機会があった
モールス通信で理想としていたのは、亡くなった父の通信
アマチュア無線でモールス信号でやり取りして、相手のトンツ―を聞いてにやにやしてた
話すように・・息をするようにモールス信号ができたいと思ったものです
父は旧海軍通信兵で、漁船の通信長(局長)も経験しており、高校の先生になってからは高校のアマチュ無線クラブの顧問をしてた 本物の通信屋だった
現在の自宅では、アマチュア無線局を開設して、時々スイッチを入れて聞いたりするけど
電波を出すのは、FT8とかいうデータ通信が主になってしまった
アマチュア無線で聴こえてくるモールス信号の多くはコンテストで、ものすごく早い文切り交信
CQ (TEST)
UR 599 (あなたの信号は・・・)
73 (さようなら)
文切りなので、どんなに早くてもコールサインとレポートだけなので分かるけど、せわしない
コンテストに出ようとも思わない
だれか気安い友達でもいれば遊んでみたいものですが(´∀`*)ウフフ
資格的には、第1級アマチュア無線技士と第1級総合無線通信士まで取れ、練習船、外航船の通信長までやれたのだから
通信屋としては資格と運用ともに本懐です
練習船でモールスを腹いっぱい打たせて頂きました
それでも亡き父には遠く及ばないと感じます
それで・・・たまには電鍵の手入れをしなければと思い立ち
もう使うことないと思うけど・・・あるものは常に使える状態にしておきたい
電鍵、マニュピレータを取り出し、埃取りと注油
ハイモンド(HI-MOUND) HH-808 縦振れ電鍵
海上自衛隊では防衛庁指定名称NKY-4型(改)制式でした、
廃版、メーカーも売り切れとなってしまいました
総合無線通信士の受験用に買いました、練習船でも同型を使っていました
高速で正確な打鍵が出来ました 名機です
台は大理石と言われています
海上自衛隊の廃艦から回収、関係者に配られたもの
1975年1月 安立電気製 N-KY-1A
重厚で頑健です
HI-MOUNDのHK-705
プラスチック製 軽いのが取り柄
(株)GHDキー 宮城の工場で作られる、たしか社名の由来はコールサインとか言われています
GT706KIT、とっても素直で滑らかです
GHDのクリスマスキー
小さいですがバランスよく、このまま打てます
ホームセンターの部材でできたオモチャ、使えます
父の形見 HI-MOUND バグキー 半自動電鍵
BK-100 2台
レバーを右に押すと内蔵の振り子の作用で短点が自動的に送信され、左に押すと接点が繋がったままになるので、手動で断続して長点を送出
自動電鍵が普及する以前にはハイモンドがBK-100を生産していたが打ち切られました
自動電鍵が出現し、世の中にバグキーを求める人がいなくなったのでしょう
使い込むには相当慣れ、練習が必要でした
昔はバグキーで打っている通信は直ぐ判別がつきました
短符の間隔がやたら短く、長符がやたら長い
昔は縦振れ電鍵で手崩れになったりして回復できなかったり
やたら長時間の業務で、これを愛用された通信士が多かったそうです
裏技で・・・短符がうまく制御できなくなったら、長符用の右パドルだけで短符、長符を打つということもできました
コンデンサーが入っているけど?チャタリング防止かしら??
外国製といったらVIBROPLEX(バイブロプレックス)複式電鍵
‥使ったことないけど (´・ω・`)
バグキーも有名です
(株)GHDのGN307WS いわゆるマニュピレータ、パドル
自動電鍵
電子キーヤーに繋ぐと左のパドルを親指で押すと短符の連続、右のパドルを人差し指で押すと長符の連続、挟むと短符・長符交互の連続(電子キーヤーの仕様による)
最近の無線機は電子キーヤーを内蔵しており、ステレオプラグで繋いで使用します
1術校通信科長のとき入手、科員の勧めもあり、初めてパドルの練習をし始めた
ホームセンター素材のマニュピレータ パドルのオモチャ、使えます
注油して、磨き上げ、動作を確認して 棚に収納
番外
メモリーキーヤー
CQ誌の付属オマケで、確か4つの信号をメモリ出来て
ボタンを押すと符号が送出
OIKey-F88 キーヤー ・・・試したけど 実運用まではいかず (´∀`*)ウフフ
モールス符号を打つのに、縦振れが良いのだとか、初心者はマニュピレータからが良いとか
初心者だから縦振れから始めた方が良いとか 色々話題になります
奇麗なモールス符号が無線機から流れてくると、なんとなく嬉しくなります
反対に、早くても、遅くても 短符長符が不明だったり、語と語の間が分からないへたくそな信号を聞くとげんなりします
明日は無線機の掃除、点検でもしましょうか
お終い