2018年の「道徳が正式に授業化に」について書いた記事です。
当時、世論を賑わしたNHKクローズアップ現代+で放映された道徳の授業の動画は既に消えてしまってるけど、
内容はこうです。
日本教育新聞によると、道徳が教科になったきっかけは「後を絶たないいじめ」
小中学校の道徳の時間は1958年にスタート、教材は検定を受けない副読本や教員が独自に作製した資料などです。
道徳教育の位置づけに何度も論争が起きましたが、教科外活動で実施する方針を長く変えませんでした。戦前の教育勅語に基づく国主導の道徳教育が戦争への道をひた走る一因となったことを反省したからです。しかし、それをあえて教科化した背景には、後を絶たないいじめの問題が潜んでいます。
子どもたちにどのような変化がみられるの?
令和4年は2022年のいじめ認知件数は68万件、道徳が教科になった2018年の54万件より増加、
文部科学省の令和4年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より
令和4年は2022年の自殺児童生徒数は411人、道徳が教科になった2018年の322人より増加、
文部科学省の令和4年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より
たかが4〜5年で変わらないと言うかもしれないけど、0歳で生まれた子は5歳、小学1年生だった子は5年生に成長している、来年には小学生を卒業です。
横ばいならまだしも増加していたら見直す必要がある、もしこれが企業だったら即ですよね。
さて、そもそも「道徳」って教科がいるのでしょうか?
上の、道徳の授業で「お母さんの家事にもお金を払うべき」の授業でも見える通り、
先生は指導書に沿った答えに導いて、生徒たちは上手に先生の意見をなぞっているだけ、
考えてるのは「お母さんの家事にもお金を払うべき」についてではなく、「今なんて答えたら正解かな、先生に褒められるかな」でしょう。
当時もコメント欄が荒れたけど、家事を無償の愛と子供に教えるの?
価値観の押し付け、戦時下のプロパガンダと同じになっちゃわない?
お国のために命を捧げることは名誉なことって若者たちが思い込んで、特攻するしかなかった、選択肢がなかった。
道徳を教科にしなくても、もしかしたらしない方が考えられるのかもしれません。
前の記事にもリンクしたけど、たとえば息子が大学生の時のオンライン授業で、帰国生たちががどんなふうに倫理観を得てきたかについて話していました。
オランダでは時間割もないし、倫理、道徳という授業はない。でも、戦争はすごくよく学ぶ、そのプロジェクトで、倫理的にどうだろう?とディスカッションをしながら学んでいた。それが倫理だったというのは、日本の高校で倫理の授業を受けて思った。
帰国して少しだけ公立中に通ったけど、そこでの道徳の授業は、ただ出た意見を黒板に書いて終わりだったから、先生も道徳の授業の準備するのを嫌がってたし・笑
日本の道徳というと、『思いやり、優しさ』みたいのが多くて、日本人っぽい、だから日本人は優しいのかなと納得だけど、中学生くらいになったら、もっと深い話しもできると思う。
アメリカ、香港(イギリス式)で教育を受けた大学生も、日本の道徳の授業は、道徳は大事とはいう建前があって、みんな本音で話さないから、なんか深まらないと思った。
香港のカナダ式インターでは、一方的に教えられるというのはない。学んだことを元に、自分で教科書を作ったりした、アプリもあって簡単。道徳や倫理という授業はないけど、どんな授業にも倫理的視点で考えていたと思う。
どこの国の学びが正しい正しくないではないけど、今や歴史の年号や名称を覚えるのは意味がない、
「ルイ16世は、1793年にコンコルド広場で処刑されました」とはネットにある、今や秒で、しかも声で教えてくれる時代です。
どうして処刑されたのかを知らなかったら、なんのために歴史を学ぶの?また同じことが起きちゃうかもしれない。
この家事は無償だって、政府が母親も働けとしてるんだからお母さんは仕事で忙しいでしょ、
学校の教科だから「家事労働は無償の愛です」って覚えるけど、実際はそんなの無理じゃん!ってなる、
家事は女の仕事だろと覚えてしまった人と結婚してしまったら?
それができない、だって無理、イジメをなくせないの発想にさせるんじゃないかなとも思うんです。
それにこれだと、多様だ多様だって言う割には、全く多様ではない。
病気の場合は? お母さんがいない家庭は? お父さんが専業主夫の家庭は? 両方お父さんの家庭は?
みんなと違う人をいじめるのがいじめなら、いじめ認知件数は増加しているんですよね。