ある女性の話。
彼女はある日突然!訪ねてきた1人娘に激しく責められたと。
ここに来るまでに誰かを襲い、返り血をぬぐったのだろう。
赤味の目立つ顔で目をギラギラさせ、拳を握りしめにじり寄ってきたという娘さん。
女性「あ、あさこちゃん、落ち着いて!」
娘さん「黙れ!アンタが他の日に産んでさえくれてたら!親切心さえ出さなきゃ!」
興奮しきっている様子の娘を何とか落ち着かせ、聞いた話に、
女性「あさこちゃん!ごめんなさい!本当に!ごめんなさい!」
自然と涙があふれにあふれ。
泣きわめく娘にただ謝るしか出来なかったという。
女性は旧家に嫁ぎ、それゆえに義母から跡継ぎをせがまれるも、なかなか宿らずイビり尽くされ。
長年の不妊治療の末、40過ぎてやっとの思いで妊娠するも、病気で夫が急死。
未亡人になったからとて!やっとひどい義母から離れられるかと言えば、そうではなく。
実の親は毒親で頼れない。
かと言って、母子で生きていく勇気もなく。
結果、現状維持を選択。
相変わらず義母にイビられながらも。
気遣いしてくれる人格者の義父だけを心の支えにしてイジメに耐える日々の中、胎児の性別が女の子と判明。
するや、息子が死んだ事でもう2人目は望めない嫁に対する義母からの、今まで以上に凄まじい迫害が始まったと。
それに何とか耐え、臨月を迎えたある日。
義母「女なんか、産んで育てても何もならない!婿養子なんか、財産潰しに来るだけ!役立たずのムダ腹が!」
酔った義母に後ろから勢いよく突き飛ばされ。
運悪く、倒れた先に机の角が!
硬いそれにお腹が勢いよく当たり、体重がかかる形でそのままめり込み。
妊婦嫁「あああああああああ!」
けたたましい叫び声に、2階から慌てて義父が駆けつけ。
そのまま緊急搬送され。
医師「高齢妊娠で、最初からリスクありの状態だったのが、更に…。大変危険な状態です。母親の命か、お腹の赤ちゃんの命、どちらかを優先しなければならない事態になるかも知れません。最悪の場合、両方ー。」
女性は、義母に暴力を振るわれた直後からずっと。
「赤ちゃんを助けて!」と、気を失うまで!声を振り絞って訴え続けたと。
医師達の懸命な処置により。
母子共に何とか一命をとりとめ、赤ちゃんは産声をあげる事が出来たが。
この時のあれこれのせいで母体は、女性の身体はボロボロ以上に。
それでも!
女性「私なんか、どうなったっていい!産まれて来てくれて、ありがとう!」
痛む身体そっちのけで、毎日毎日赤ちゃんにお礼を言っていたと。
……皆さん、皆さんのお母様がこの女性なら、母親に対してどう思いますか?
大変な思いをして産んでくれた事と、母親の優しい性格を一生感謝し続けるのではないでしょうか?
娘さんも、ほんの数年前までは当たり前のように感謝していたそうです。
しかし!
それが一変、いえ、凄まじいまでに逆転してしまったエピソード。
母親は、先にも説明した通り決して毒親の類いではなく。
むしろ、愛情の全てを1人娘に注いで育ててきたと。
なのになぜ、冒頭で書いたように娘は自分を産んだ事、母親の優しさについてコ○さんばかりに罵り、母親は娘に詫び倒す事になったのか?
【悪魔的偶然が起きた結果。】
これが一番簡潔な答え。
娘さんは、本来ならば婿養子を取るべき立場だったが。
跡継ぎにこだわっていた祖母が死に、祖母と違って人格者の祖父が孫娘の幸せを優先してくれた事から、自由恋愛の末に嫁げたのだが。
息子が産まれてまなしから、やたら残業が増えてきた夫。
休日出勤当たり前。
たまに家にいる時、不機嫌そうな態度を取られても家族の為にしんどい仕事を頑張ってくれているのだと思い、あまり気にする事もなく過ごしていたある日。
友人「ウチはもう冷め切ってるけど、アンタの所はいいわねー、ラブラブで!」
娘さん「え?そんな事ないよー。」
友人「ラブラブじゃん!こないだ旦那さん見かけたけど、電話で何かレストランディナー予約してたみたいだったよ?予約日としてアンタの誕生日伝えた後、ケーキのプレートに、永遠の最愛が産まれてきた日を祝して。と書いて欲しいって言ってた。」
「アタシ、その日バカ旦那とひどいケンカしてすぐだったから、何か声かけづらくてさ?スルーしたけど。」
娘さん「誕生日ディナーなんか、知らない。」
友人「なら、サプライズする気じゃない?当日までナイショってやつ。あ〜、うらやましい!」
普段冷たい夫だからこそ嬉しくて!ワクワクしながら迎えた誕生日。
夫「今日は遅くなるから。」
いつものごとく不機嫌そうに吐き捨て、出勤していった夫。
せっかくの妻へのサプライズまでも仕事のせいで台無しにされたから腹を立てているのだろうと思っていたが。
深夜、帰宅した夫は何やら嬉しそうで。
仕事してきたハズなのに!お酒と石鹸の匂いが。
普段は先に寝ているのだが。
この日は誕生日。
わざわざレストランディナーを予約してくれていたぐらいだから、遅くなっても何らかの代替えサプライズかプレゼントがあるとうっすら期待を残していたゆえに!寝ずに待っていたのに。
夫「何で起きてんだよ?いいから早く寝ろ!明日も幼稚園の送り迎えあんだろ?」
返ってきたのは、冷たいあしらいのみ。
…誕生日祝えなくてゴメンね、ぐらい言ってくれてもいいのに!
まさか、友人の話はウソだったのか?
いやいや、ウソをつくような子じゃない!
モヤモヤしながら過ごしていたある日、家にかかってきた電話。
娘さん「もしもし?」
謎の人物「あなたのご主人、不倫してますよ?」
娘さん「え!?」
謎の人物「私の話は、イタズラじゃない。証拠もある。あなたに送りました。それでもウソだと思うなら!日曜日、尾行するなりして調べてみて下さい。」
「あなたと同い年の、同じ誕生日の女性と、あなたとの結婚直後から不倫してます。名前は、斎藤涼子。成金の親がいるスネカジリ女です。あなたのご主人との不倫が生きがいで趣味のクソ女。」
「写真をポストに入れました。あなたも早くキッチリ調べて離婚した方がいいですよ?妻と同じ誕生日の女と平気で不倫するクズとなんか!」
そう吐き捨てて切られた電話。
声は、変声機を使ったようで人物の特定どころか男女の区別がつかず。
…同じ誕生日の女と不倫?
なら、友人の話もうなずける。
結婚直後から関係があった?
確かに、結婚後すぐからだんだん冷たくなったような。
急いで郵便受けを確認すると、大きな茶封筒が。
中には、いかにもなケバい女とくっついている夫の写真が数枚とメモが入っており。
メモには、良家の一族になりたくてあなたと結婚しただけ。女こそ本命でずっと狙っていた。と書かれていて。
…私は良家の娘だから自分に箔をつける為に結婚しただけで、本命は不倫相手だったの!?
頭を後ろから思い切り殴られたような錯覚に陥り。気づいた時には、探偵会社を調べて電話していたと。
落ち着け!と自分に言い聞かせていたらしいが、混乱と動揺がひどかったのだろう。よく吟味せず訪問一社目で探偵を即決。調査してもらい発覚したゲス不倫。
女は、タレコミ電話の人物が語った通り。
同い年、同じ誕生日の成金の娘で。
数年前父親が急死。
今は母親と弟の3人で暮らしていて、金持ちだからこそ仕事はしておらず。
夫とはほぼ毎日コンタクトを取り、会っている状態。
毎朝愛車で出勤する夫の車に途中から乗り込み、もうすぐ会社に着くタイミングで降り。
退勤後も、同じく合流してからホテルへ。
まるで、少しでも長く一緒にいたいと言わんばかり。
謎の人物が示した通り、夫にとって女が本命で、女は夫との不倫が生きがいらしかった。
途中経過報告の時点で夫の車にメスがほぼ毎朝毎晩乗っている事を把握してすぐから車にボイレコを仕込み。
そのおかげで解った、さらなる驚愕の事実。
ある日の朝の会話。
メス「ママがさ、小さい時から中田さよ子さんには足向けて寝れない、あなたもいつか!会う事があったら恩返しなさいよ!って言ってたオバサン、あなたのマヌケな奥さんの母親だったなんて、本当、ウケる!」
夫「お前の母親がお前を妊娠中、倒れてたところを同じく嫁を妊娠してたお義母さんが助けたなんて、俺もビックリだよ!」
メス「いちおー、感謝してるよ?おかげで流産にならずに、死なずに済んだんだから!」
「マヌケの母親が助けてくれたおかげで!あなたと会えたんだから!」
夫「感謝してるなら、恩人の娘の旦那と不倫するなよー!?」
メス「感謝してるから、不倫してんだよ?アタシがいるから!旦那を満足させてるから!マヌケでも夫婦げんかせずに、捨てられずに済んでるんじゃん!夫婦円満、旦那のストレス軽減に貢献して、恩返ししてんの!マヌケ、テメェの好きな人を幸せにしてんだから感謝しろよ?って話。損得勘定で結婚してもらえただけのマヌケには出来ないだろって!」
「てかさ、マヌケに魅力があれば不倫なんかされてないんだから、アタシ悪くないよ?人命救助は人として、して当たり前なんだから、ソレとコレとは別でしょう?」
「昔アタシ達親子を助けたのは、して当たり前の事、不倫されたのは、マヌケな奥さんのせい。私は悪くないし、ママの事は関係ありませーん!」
メスの腐った暴言に同意して爆笑しだしたクソ夫。
別の日の音声には、同じ誕生日で当たり前のように祝うべき存在に選ばれた事を話題にあげ、散々かわいそうなマヌケだと自分をこき下ろすメスの笑い声がたっぷりと記録されていて。
…誕生日ディナーは、私の為じゃなく、不倫相手の…。
永遠の最愛が産まれた日を祝して、のメッセージも、あまりにも腐った女へのー!
録音を聞いた直後。産まれて初めてレベルの凄まじい怒りに支配され。
気づいた時には、探偵に教えてもらったメスの家の前に立っていて。
そのまま玄関を突き破って突入!
物音に出てきたメスを散々殴りつけ。
慌てて奥から駆けつけた母親に全てを暴露すると。
母親「何て事を!恩を仇で返すにも、程がある!」
「こんなゲスの極みに育ててしまって、誠に申し訳ございません!アンタなんか、いっそあの時○んでたらよかったのよ!情けない情けない情けない情けない情けない!」
顔中血だらけになって気絶寸前の娘を更に更に!いつまでもいつまでも、泣きながら叩いていたという母親。
それでも興奮は収まらず!
いや、むしろメスを目の当たりにした事で、更に更に激情は増し。
一目散に実母の所へ。
あんな女と同じ日に産みやがって!
わざわざあんなクソメスを助けやがって!
怒りにまかせて喚き散らし、怒り狂うも。
母親に促され、何とか落ち着いてやっと語られた全てに、母子共に大号泣したと。
何でも娘さんを妊娠中、道で倒れていた妊婦を助けて救急車を呼んだ事があり。
お金がないから治療を受けられないと泣く妊婦にお金を渡し、教えて欲しいと乞われたので名前だけ告げてその場を去ったと。
この話は小さい時から娘さんによく話していて、不倫婿にも語った事があったと。
母親「まさか、あの時の妊婦さんのお腹にいたのが、健さんの不倫相手だなんて!」
「更に、同じ日に産まれた?こんな事って!」
「あさこちゃん、本当に、本当に!ごめんなさい!」
落ち着いたかと思いきや。
不倫の証拠が、腐った録音がフラッシュバックしたのか、娘さんが再度興奮。
母親が何を言おうと聞かずわめき散らし、泣き倒し。
ようやく我に返った時。
母親は寒気がするぐらいに虚ろな、死んだ目をしてうなだれ。
もはや娘さんがどう声をかけても反応せず。
娘さんがトイレに行ったスキに家を出て、そのまま行方不明に。
数日後。
線路の中に侵入しようとしたところを通りかかった柔道部の学生達に保護され、警察から娘さんに連絡が。
娘さん「お母さん、ごめんなさい!お母さんは、何も悪くないのに、私、興奮し過ぎて!」
母親「何十年も、どんなに望んで努力しても妊娠出来ず散々苦労した上、やっと宿ったと思ったら流産しかけて!それでも懸命に守って、お父さんが死んでも命がけで育てて生きてきたのに!産んだ事をこれでもか!と否定されて!責めるられて!」
「もう、お母さんボロボロよ。全人生を否定された気分。もういや!生きていたくない!」
「さまよってる時に、苦しそうにうずくまってる妊婦さんに会ったの。でも、お母さん、駆け寄るどころか大丈夫ですか?の言葉すら出なかった。」
「この人のお腹の子が将来、孫の、幸太のお嫁さんの不倫相手になったら!と、つい思ってしまって。」
「人として!直ちに助けるべきだったのに最低よ。幸い別の人が駆け寄って言葉をかけ始めたからよかったけど。」
「その後、衝動的に死にたくなったの。最低な母親、最低な人間だから、もう、いいや、って。」
私が娘さんに助けを求められ、母親と面会したのは、この数日後。
彼女は嫁を心配して施設から一時帰宅していた人格者のお舅さんからもこんこんと諭され自殺を思いとどまり何とか落ち着いてきたように見えた。
私からすれば、助けが必要なのは娘さんの方。
誕生日を思うたび、頻繁に辛さがぶり返すと泣くばかりで。
娘さん「もう2度と!一生自分の誕生日は祝えません。誕生日が来るたび夫が私を差し置いて、無視して不倫相手を、最愛が産まれた日だと祝った事を思い出すでしょう。永遠に。」
「母が、散々な目に遭いながらも命がけで自分を産んでくれた、ありがたい日なのに!まっ黒な暗黒日になってしまいました!」
「取り乱すあまり、感謝してきたハズの母まで傷つけてしまって。ミツさん、不倫って、本当に救いようないですね?」
不倫夫は親兄弟、身内親戚から汚らわしいゲスだと凄まじく罵倒され、勤務してきた叔父の会社も解雇され。
人脈が広い旧家当主の義祖父を怒らせたゆえに、世間は極端に狭くなり。
虫けら同然になったところで、ポイ捨て離婚され。
メスはメスで、母親から恩知らずにも程がある外道と断じられ親子の縁を切られたと。
小学生の時から成金金持ち生活をしてきたゆえに働いた事もなく傲慢で、男と両親その他自分にとって利益になる相手にしか媚を売らない最悪女な為。
周りからは嫌われ尽くし、マナーやらも知らず。
メスの母親「親の援助がなければ生きていけないでしょうが、もう知った事ではありません!子供は、もはや息子1人と思って生きていきます。」
「恩を仇で返す事になってしまい、誠に誠に誠に!申し訳ございませんでした!」
ある日訪ねてきて詫び尽くし、多額の慰謝料を差し出してきたという。
娘さん「不倫を密告してきたのは、クソ夫によるとどんなにサボっても社長が身内だから責められず上司ウケもよかった自分を妬んでた同僚の誰かだろうって。」
「密告者の方には感謝してます。あのまま知らずにいたら、長い間バカを見るところでしたから。」
「母は悪くなかったのに。ただ私を守り、人助けをしただけなのに!トコトン傷つけてしまいました。これからは実家で母を支え、罪滅ぼしをしていきます。」
「でもね、ミツさん。本当、こんなに辛い、悲しい事はないです。自分が産まれてきた日を素直に、心から祝えないなんて!」
「母が命がけで私を産んでくれた日なのに!喜びと感謝に満ちた日のハズなのに!ドロドロに汚されてしまいました。」
泣いて崩折れた娘さんに、産まれた後、母親に遅れて退院した日を、
流産寸前からの出産後、経過観察や治療が終わり回復が保証された日を誕生日にし直したらいいと提案した。
私「誕生日は、周りの心配が、ドキドキハラハラが収まって、おだやかに安心出来た退院日でいいのではないでしょうか?」
受け入れられ、ようやく表面上は落ち着いたが。
娘さんとその母親の苦悩は一生ついて回るだろう。
母親は何も!悪くない。
不倫さえなければ!
我が子を命がけで守り、産んだ日として娘さんからひたすらひたすら感謝され、感動する記念日であり続けられるハズだった。
苦しむ妊婦を助けた事もしかり。
永遠に!美談で終わるハズだった。
美しく名誉な、称賛される人助けのみならず。
この世で最高レベルに尊い生命の誕生した日すら徹底的に汚す不倫。
不倫相手とサレ妻さんの誕生日が同じだったエピソードは、まずない悪魔的偶然ゆえにこの1つだけですが。
不倫がいかにゲス過ぎる外道事かを物語るに十分過ぎるゆえに、紹介させて頂きました。