電話口、景子さんが死後怨霊となり行った復讐と、それを阻止しようとした霊能者達の結果について。杏さんは実に簡潔に、短く説明するのみだった。
電話で話した当時、詳しい事は解らないという彼女の話を鵜呑みにしていたが。
この数年後、たけしさんの証言によりそれがウソだったと知る事に。
杏さん「景子の仇が、クソ共が死んでから、私、何だか景子がそばにいるような気がして。すごく安心する瞬間が増えて。」
これも、当時は気のせいでは?と思って聞いていたが。
たけしさんによると、親友の怨霊が杏さんの復讐を後押ししていたと。
それゆえの感覚。
杏さん「景子の復讐に先立ち、母の再婚相手から探偵の調査報告書について連絡がありました。」
不倫が確定したので妻は家から叩き出す!
その前に、相手の男を破滅させてやると息巻く再婚相手に、杏さんは、
信用第一な立場にいる不倫相手を脅し、奴隷にしては虐待している息子さんを再婚相手の知り合い夫婦に養子にやるよう命じてから破滅させればいいとアドバイスしたと。
杏さん「ただでさえ嫁の不倫で陰口叩かれてきた男である上、自分も不倫してるのにそれを隠して哀れなサレ夫を装い、けなげさ真面目さを全面に出して外面を飾ってきた、自分の利益を増やしてきた詐欺師だから!自分も不倫したなんて、死んでも周りにバレたくなかったんでしょう。裁判も辞さないと脅したら、簡単に息子を差し出したそうです。」
「しょせん色狂いするような連中は、子供なんかどうでもいいんですよ。我が子ごときより、自分の保身!」
現在、杏さんの弟さんと同じ名前の哀れな男の子はめでたく優しい夫婦の養子として幸せに暮らしているという。
養子縁組直後。
クソゲス不倫相手はサレ夫に不倫だけでなくむごたらしい虐待までをも散々バラされ、辛さのあまり飛び降り自殺を図るも死にきれず助かってしまい。
一生車椅子生活が確定したと。
杏さん「風のウワサですが、最近階段から車椅子ごと転げ落ちて頭を強打してくたばったらしいです。不自然な落ち方だったので警察が捜査したみたいですが、防犯カメラがない場所だったので迷宮入りになるだろうって。」
私「あなたがやったんか!?」
杏さん「もっと時間かけてジワジワか、凄まじい苦痛与えるコ○シ方したかったんですけど、次の日高級ステーキ食べに行く予約したのを知って。」
「弟もステーキが好きでした。貧しくてあまり食べられなかったですが。虐待されてた、弟と同じ名前の男の子もステーキが好きで、それに対してクズは!お父さんからのプレゼントだ!と、ステーキの汁をこぼした雑巾を息子である男の子の口に詰め込む痛ぶりをよくしてたそうです。男の子を引き取ったご夫婦に男の子が泣いて打ち明けたと、母の再婚相手だった方から聞きました。」
「散々罪もない人間を、子供を踏みにじり尽くしてきたクズが2人の好物を、それも高級肉を食べに行く?食わせる価値ありますか?って話です。」
「母は、いえ、母によく似たゲスは、きちんと長い長い時間かけてジワジワ痛ぶり尽くしてやりました。」
「ご近所に、昔はたくさんのお弟子さん抱えて生け花教えてたというおばあさんがいたんですけど、このご時世だんだん習う人も減って自分も年だからと引退するにあたり道具整理しようと考えてるのを知って、うまい事言って道具を引き取ったんです。」
「生け花道具、剣○、すごく役に立ちました。」
「もがくメス豚の上から、剣○や陶器鉢を次々落として散々遊んでやりました。不倫で使いまくってきた下半身、股は重点的に、手当たり次第勢いよく落としまくってやりました。」
「人間、骨盤の骨やられたら、粉々にされたら!足が笑える状態になるんですね?面白かったー!」
「胸は熱した鉄板当てて赤黒くてコゲ臭い、汚いまな板にしてやった。あれじゃあの世で男引っかけられないだろ。自慢の巨乳が台無し!」
ケタケタ笑い出した杏さんに、復讐そのものの存在にかける言葉はすぐに見つからず。
杏さん「散々男の手やら汚い汚い所触ってきた指は、爪の間に毎日毎日針○本刺して痛ぶり尽くしてやりました。」
「我が子を、私達をいたわり守る事もなかった指。当然の末路です。」
「あの女は、弟が喘息の発作を起こして救急車騒ぎになった時ですら!不倫優先で知らん顔してた。ご存知でしょう?優しい言葉1つ、弟に、私達にかけなかった!そんなノドにも、同じ罰を与えました。」
「散々苦しみ尽くして、くたばりました。公的には、不倫して夫から家を追い出されて失踪した事になってますが。両親それぞれの最初の不倫相手共も、一生懸命探して同じ目に合わせてやりました。母程ではないですが、たっぷり痛ぶり尽くしてやった!」
私「自首しい!」
「日本の警察は甘ない!父親が車椅子になった経緯、その後の父親の焼死や火事、そして今回の母親の失踪。再度調べられたら必ず足がつく。弟さんを見殺しにした女を死に追いやった件についても同じくや。あなたの周りで、身内関連であまりにもたくさん大事件起きすぎやて、誰かが気づいたらヤバいで?」
「これだけの人数コ○シて、全てバレずに済むのはまず有り得へん。いずれ何かのキッカケでバレかねん。」
「そうなる前に、自首しい。罪軽くなる。」
杏さん「人間をコ○したなら!あなたに言われるまでもなく自首します。」
「でもね?ミツさん。私は害虫駆除しただけ。そんなちっぽけな、つまらない罪の為に自首したら!香ちゃん親子はどうなるんです?」
「父親によく似たゲスを潰した時、命がけの火事場泥棒して手に入れた金品で香ちゃん親子は一生困らない貯金が出来ましたが、人間、お金だけでは幸せになれない。」
「私は忙しい身だから一緒には暮らせないし、近くにもいられない。でも、遠くからでも末永く見守りたい。将来、姪がもし不倫されたら!旦那コ○さなきゃいけないし。」
「刑務所に入ったら、出来なくなるでしょう?」
「私がコ○したアイツらは!腐れ外道共は誰一人刑務所に入らなかったのに、何で私が!おかしいでしょう!?」
「昔、歴史で杉田玄白の解体新書習いましたけど、私、解剖図を見ずしてリアルに全てを確認出来ました。医学部にあげたかったなー。」
「でも、下半身が臭過ぎて!迷惑すると思って。」
私「これから、どうするつもりや?」
杏さん「香ちゃん親子を遠くから見守りながら、趣味と生きがいを充実させていこうかなと。ミツさん、あなたに全てを告白したのは、この話を!かつての母のように仕返し不倫をすると言い出す相談者が出たら話して頂きたいからです。」
次に、この数年後たけしさんが言った事と似た言葉が杏さんの口から出てきた。
杏さん「旦那が我が子を不幸にする愚行をしたから、自分も!なんて、あまりにもゲス過ぎる!それをした結果、幸せになれるなんて有り得ないのだと。」
「片方が不倫しただけなら、まだ世間や周りの風当たりはだいぶマシだったハズなんです。私は学校でイキイキと仲間に囲まれ就職後職場結婚して。弟は助からないまでも温かい、手厚い看護を受けられたハズだった!」
「叔父さん夫婦からも!極限まで見損なわれ、誤解される事もなかった!景子だって!今も息子さんや旦那さん達と幸せに暮らせてた!」
「情けない、腐ったうっぷん晴らしのせいで!どれだけの幸せが、人生が、命が踏みにじり尽くされ、粉々になったか!」
「旦那に不倫されたから自分も、じゃない!旦那が家族の幸せをメチャクチャにしたから自分だけは!踏みとどまって我が子を守らなきゃならなかったんじゃないんですか?」
「犬猫やらには出来ない。人間の親だからこそ!出来る事、人間の親しか出来ない事だし、そうすべきじゃなかったんですか?」
「だから、言ってるんですよ、アイツらは人間じゃない、犬猫以下のクズだって。」
「私はこれから、趣味と楽しみに生きます。やりたい事、すべき事を見つけた、思い知ったので。」
「ミツさんには、感謝してます。昔助けて下さった事、忘れません。どうか、仕返し不倫しようとするバカに、私達の事を広めて下さい。やったらテメェらタダで済まないぞ?って。周りも全て不幸にしかならないと。」
「それでもしようとするバカが出たら、私達がソイツを見つけられたら…。」
私「どうするんや!?」
思わず怒鳴ると、切れた電話。
話し中、何度か小銭を追加している様子があった。公衆電話では、コチラからかけ直せない。
待ってみたが、再度杏さんからの連絡はなく。
趣味の充実を語っていたあの時の声色、確かに殺気がこもっていた。
内容を考えるに、普通一般的なそれではないハズ。
決してただ事ではないだろう。
心配になり昔杏さんの母親の相談に乗っていた時知った、杏さんの叔父さんの連絡先に何か解ればとかけてみると。
杏さんの叔父「ああ、ミツさん、お久しぶりです。」
電話口、女性の泣き叫ぶ声が聞こえ。
杏さんの叔父「スミマセン、実は、娘が亡くなりまして。」
悪事千里を走る。
『あそこの旦那さんのお姉さん、キチ○イ男と不倫したあげく、行方不明なんですって!』
『あの一家の親戚、スゲーぞ?夫婦共に不倫して泥沼裁判、メチャクチャだと!』
何でも、娘さんは叔母である杏さんの母親の愚行のせいで昔から世間のウワサに苦しんできたが極めつけ、大恋愛の末プロポーズされた相手から、
恋人「婚約にあたり親が、ママが君の身内を調べた。夫に不倫されたからと自分も不倫した叔母さんがいるんだってね?」
「更に、我が子2人をアッサリ見捨てた上、不倫相手から大金だまし取って逃げて、未だに行方不明だって?色狂いだけでなく、我が子を捨てるなんて!更に泥棒まで!最低過ぎる!有り得ないにも、程がある!って、ママがヒステリー起こしちゃってさ。」
「ママは、そんな腐った女が身内にいる、腐った血を分けた人間が嫁になるなんて有り得ないって!ママをひどく悲しませてまで君が欲しいとは思えない。もう百年の恋も冷めたよ。」
「別れてくれ。金ならいくらでも払う。」
「血は争えない。写真見たけど君は叔母さんに似てる。将来不倫されたらたまらない。しなくても!わざわざクズの身内になりたくない。ママがかわいそうだ。色狂い、泥棒なんか歓迎出来るわけない。」
「そういう事だから、ママを不幸に出来ないから。さよなら!」
娘さんは若いゆえに思いつめ、絶望のあまり自殺したと。
杏さんの叔父さん「高齢出産でやっと産まれた一人娘で、特に妻の宝物でしたので…。」
泣き声は奥さんらしかった。
杏さんの叔父さん「妻は、それこそ人が変わったようになり、必死で姉を探したんですが変わらず行方不明で。杏の行方も、コッチが聞きたいぐらいなんです。聞きたい事があり過ぎるので。」
「最近、電話はありました。私達に対しては、もう恨みはないと。娘の、アキの事を告げ遺書を読み上げて教えたら、私が質問する前に金切り声をあげて電話を切ってしまって。」
何でも、自殺した娘さんは両親が杏さんと絶縁状態になった後も仲の良い従兄弟同士、ひっそりとラインや電話で連絡を取り合っていたらしい。
娘を溺愛していた奥さんはスマホの暗証番号を把握していたため、娘さんの死後それを確認して判明したという。
杏さんの叔父さん「娘は婚約者の事を杏に詳しく話していたようで、ラインにもそれが残ってたんですが。」
「昨日、婚約者の家と別荘が焼けたと警察が…。娘が婚約破棄の腹いせに放火したと思ったみたいですが、死人にそんな事出来ますか!って、怒鳴り散らして追い返しました。もちろん、私達には出火当時、きちんとしたアリバイがあります。」
「ラインの最後には、『叔母さんが憎くてたまらない。夫婦の内片方が不倫するのはよくある事だけど、旦那にされたから自分も、なんて、子供のいる母親なのにゲスにも程がある!』と娘が訴えていて、それに対して杏が。」
「『アキの無念も、キッチリぶつける。楽には絶対死なせない。』と返していて。杏は、姉を探している最中なんでしょうか?娘のスマホからラインで連絡を取ろうとしたのですが、既読無視ばかりで。」
…放火は、恐らく杏さんだろう。
冷たく従兄弟を捨てたマザコンに思い知らせたのだ。
自分の父親にそうしたように。
杏さんの叔父さん「娘は私達あての遺書を残していました。私達は、たとえ一生かかっても!杏を探すつもりです。娘が杏に電話で話していた思いを、生前のあの子の気持ち全てを知る為に。」
アキさんの遺書の中身から察するに、アキさんは杏さんが父親と、弟を見殺しにした仇をコ○し、更に母親もコ○している最中である事を、内容が残らない、バレない電話で本人から聞かされ知っていたようで。
以下、後日ご家族の許可を得て撮影した遺書の内容を写し書きます。
【遺書】
幽霊になって杏ちゃんと一緒に憎い憎い叔母さんを必ずコ○してやる。その後旅に出て、家族身内がいながら平気で不倫してる奴を、手当たり次第探してコ○す!生きてる価値のない、けがらわしいだけのゲス共だから。
お父さん、お母さん、ごめんなさい。もう辛すぎて、生きてるのがあまりにも苦しいの。
心から愛していたのに、タカヤさんにアッサリ捨てられるなんて!
百年の恋も冷めたって、私、何も悪い事してないのに!
ただひたすら!一生懸命愛していただけなのに!
不倫した身内がいたら、私の価値もなくなるのかな?
これしか楽になる方法がない。これ以外、解らない!
叔母さんは、自分のいっときのうっぷん晴らし、ストレス発散が、こんなにも多くの犠牲を生むと、キッチリ解って仕返し不倫したのかな?
違うよね?
自分さえよければいい。
自分の気さえ晴れれば、満足出来たら後はどうでもいい。
娘も息子も!我が子は自動的にどこまでもいつまでも我慢辛抱する、どんなに不幸にしても散々傷つけ苦しめ粗末にしつくしても!お母さん大好きでい続ける、チョロい便利人形とでも思ってたんでしょう。
そうじゃなきゃ、全てが有り得ない!
結果、何が起きた?
息子を無惨な形で早死にさせて、娘を血まみれの復讐の鬼にして、自分もその鬼に殺されようとしている。
誰か幸せになれたかな?
メス豚がと殺されるのは当然として、杏ちゃん達があまりにもかわいそう!
私は死んで、平気で不倫している全てのクソ共をコ○す旅をする。
ウワサになればいい。
不倫したら、怨霊にコ○されるって。
私みたいな、杏ちゃん姉弟みたいな不幸な子供が、これ以上増えないように。
生身の人間として、私には生きる意味も価値もなくなったけど、幽霊としてなら!たくさん見いだせる。
死んだら誰もメス豚のウワサをしない。
誰も豚のゲス不倫を理由に私を踏みにじり、傷つけない!
無価値な自分をなげいては小さく小さくすみに身を寄せ、弱り続ける事もない。
それどころか、存分に!元気に生身の人間では出来ない事をしまくれる!
クソ共にたっぷり思い知らせてやれる!
お父さん、お母さん、泣かないで下さい。
私は、苦しみから逃れる為、幸せになるために死ぬの。
人助けする為に、生身の身体を捨てるだけ。
まずは、杏ちゃんの復讐を手伝います。
さようなら。
以上。
後年、たけしさんから杏さんの復讐を手伝ったのは景子さんのみだと聞かされた。
アキさんは、どうなったのか?
私は疑問に思わなかった。
この後、最愛の娘を失ったアキさんの母親が精神を病むあまり暴れに暴れ。
父親である杏さんの叔父さんから助けを求められ駆けつけた際、
アキさんの婚約者が、水商売出の女と二股をかけていて、アキさんと結婚しても関係を続ける約束をしていた事を聞かされた。
アキさんの母親は、娘が自殺したのはお前のせいだと責める為にアキさんの元婚約者に会いに行ったらしく。
帰ってくるのを待ち伏せていたら、母親が死角で見えない位置にある物陰で元婚約者が誰かにコソコソ電話しているのが見え。
婚約者「ゴタゴタ続きだけど、何年かしたらおさまるから。」
「うん、改めて精一杯言ってみたよ?でも、ママ相変わらず頑固でさ?やっぱり水商売してた女が嫁になるなんて有り得ないって言って聞かなくてさ?エグい不倫女が身内にいるアキよりマシだろ?って何度説得しても無理。やっぱり君とは結婚出来ない。」
「でも、結婚しないと世間体がさ。だから、またアキみたいな気の弱いチョロい女つかまえて嫁にするしかない。当初からの予定通り、君とはやっぱり不倫になる。でも、信じて!愛してるのはみなピョンだけだよ!僕達の長い長い歴史を考えてよ!弟もお姉ちゃんも、パパも!みーんな不倫経験者でバレにくいやり方色々教えてもらったから、ママにさえバレなきゃ大丈夫だから!ママ、超鈍感だからまぁ大丈夫だよ。」
「でも、結婚相手がさ、アキみたいな弱チョロい女、なかなか見つからないなー。君と結婚出来ない以上、ママさえ反対しなきゃアキでよかったのに!」
「みなピョンとの不倫がバレてもさー、アキなら、不倫の中でも特に珍しくてあまりにもゲスい仕返し不倫した女と同じ血を分けてるけがらわしいお前に僕を責める資格はない。お前みたいな残念な血と身内がいる女を拾ってやった、結婚してやっただけでも、ありがたく思え!って怒鳴りつけて黙らせられたかも知れないじゃん!」
「典型的なイジメられキャラっていうの?粗末にしてもいい、だましやすいチョロい女だったのになー!」
気づいた時には。
ゲスクソ男に襲いかかっていたというお母さん。
首を締め、ようやく正気に戻り逃げたが。
家に帰れば、警察に捕まる。
夫に迷惑がかかる!
思いつめた末。
娘の墓前で死のう、大好きなアキのあとを追おうと、墓へ行き。
泣きながら元婚約者の本性を娘に報告したと。
お母さん「アキちゃん、失敗して、ごめんなさい。あなたをトコトンまで傷つけた男を、コ○し損ねて、ごめんなさい!」
「今から役所に離婚届出して、お父さんと他人になってから、お父さん守ってから!もう一度!あの男をコ○しに行くわ、次こそは!」
「あの男に、あなたを否定して傷つける資格なんてなかった!息子を腐った二股不倫男に育てたあの男の母親も!あなたを批判否定する資格なんてなかったのに!本懐を遂げたら!そっちに行くからね?」
泣きむせびながら手を合わせ、市役所へと向かっていた道中。
急に高熱を発し、道端で倒れ搬送されたというお母さん。
気付いた時には、病院のベッドにいたと。
心配する夫に全てを話し、いずれ近い内に傷害容疑で警察が来ると覚悟していたが。
いつまでたっても来ず。
そうこうしている内に、やっと警察が来たと思ったら。
警察官「娘さんの元婚約者の男性が、焼死しました。」
警察の調べでアキさんの母親が会いに行った事は確認されたが、首を締めた事はバレていなかったらしく。
死亡推定時刻、母親は病院にいた為無関係と結論されたが。
杏さんの叔父さん「実に奇妙な死に方だったらしく色々念入りに調べて結局自殺とされましたが、出世直後に死のうとするだろうか?と、警察も首をかしげてました。」
「仇が死んでも、妻は変わらず不安定で。どうか妻を助けて下さい!」
奥さんにいいカウンセラーを紹介して、ユミがすすめてくれた占い師にも会わせた。
元婚約者のクズがいかにむごたらしい地獄に落ち、そこでどれだけ苦しんでいるかを教えてもらう事で、奥さんの気持ちを和らげようと思ったのだが。
占い師は、きちんと私の意をくむ話をしてくれたが。
母親にとって余計な事も告げてしまい。
占い師「娘さん、元婚約者の父親、姉弟にまとわりついてます。彼らをたっぷり呪うつもりです。」
母親「そんな!娘を止めて下さい!せめてあの子には、天国で暮らして欲しい!」
「念を送って、説得して下さい!不倫してる連中をコ○す旅なんて!あの子はどうなってしまうの!?」
占い師「娘さんはもはや復讐そのもの。人間の説得は通じません。普通ではない、恨み尽くす亡くなり方をされたハズです。」
母親「まさか、婚約者が焼死したのも!?」
占い師「あなたを人殺しにさせない為に、あなたを倒れさせ、その間に恨みを晴らしたのです。」
母親「私が!あの子のお墓で余計な事を言わなければ!」
占い師「あなたのせいではありません。娘さんは婚約者に未練があり死後しばらく彼のそばにいて、あなたが教えるまでもなく、とうにむごい裏切りを把握していたのです。」
「そして、自分の恨みを晴らした。あなたを犯罪者にしたくなかったのです。」
「婚約者の男は、たかが二股、不倫ごときでよくもコ○したな!と、娘さんに挑みましたが、恨みの大きさにおいて、格段の差があった。娘さんは、何度も何度も!死んだ後も婚約者をなぶりコ○しています。」
「私も何人か、不倫した人の鑑定をしてきましたが、した方はみんな、大した事じゃない、みんなしてると軽く軽く考えてるんです。」
「夫にサレたから仕返し不倫した人を鑑定した事もあります。」
「全員、旦那さん、お子さん、親御さん、その他関係者の恨みが肩にドッシリ乗っていて、生霊ついてた人もいましたが全員が全員、子供は理解してくれてる、もしくはバレなきゃいいと楽観してました。」
「末路を視ると、乗ってる莫大過ぎる恨みのせいでそれぞれ大病になったり、我が子に手のひら返されて孤独死だったり、だまされて借金地獄に落ちたり、散々我が子や周りからお前のせいだと責められ生き地獄をのたうち回ったり。ロクな未来はありませんでした。」
「大した事、あるんですよ。当人がバカ過ぎて解らない、解ろうとしないだけで。」
「まず、絶対バレない、バレてないと思ってるのは、おめでたい本人達だけ。周りは目ざとく見つけては、カゲでひたすら爆笑してる。絶対バレない、バレてないというなら、周りにバレてる事を不倫してる連中には、まずバレないという事でしょう。」
「私からしたら、仕返し不倫する奴の気が知れません。わずかな快楽と引き換えに、莫大過ぎる恨みをかい、あって当たり前の受け取れる、味わえるハズの幸せを全て失うなど!」
「前に鑑定した仕返し不倫した人、孤独死になりますよ?と言ったら、子供達は仕返しを理解してくれてて、ママ大好きだからあり得ません。あなたはハズレ鑑定師!と笑ってましたが、私こそ大爆笑でしたよ。」
「お子さん達は、父親に比べたら母親の方がまだちょっとマシだから、子供の身で、親の保護がなければ生きていけないから、理解ある子供の芝居してるだけなのが視えましたから。」
「お子さん達の為に黙ってましたが先日、子供達に絶縁されたと泣いて駆け込んで来ましてね?笑えました。姉弟全員大学出て、もう腐ったババァは用済みだとツバ吐かれたそうです。」
「大した事ありまくりです、解らないのは、腐ったバカのみ!娘さんの幸せを思うなら…。」
続けて語られた占い師のアドバイスに従い、今も娘の為に行動して生きているお母さんだが。
やせ細り、まとう雰囲気は暗く。
カウンセラーの言葉も耳に入らず。
その姿は、常に生ける屍で。
本来の、不倫のせいで娘をむごたらしい形で失う前の彼女はハツラツとしていて、あんないい人はいないと誰からも言われ、明るい笑顔を振りまいていた人だった。
なのにー!
最近、杏さんの叔父さんから連絡が来た。
この数年の間に元婚約者の父親、姉弟が次々不審死して、今や大きな邸には、度重なる家族の不幸でおかしくなった母親しかおらず。
奥さんは、娘が全ての本懐を遂げたと、毎日毎日お祝いしているのだという。
本来、人の死を祝うような人では決してなかったのに。
不倫さえなければ。
思わずには、いられない。
杏さんの事も聞けた。
探して探して、探し尽くしてようやく見つけた姪の痕跡。
○年前、ひどい全身ヤケドでとある地方の病院に運ばれ、全身包帯まみれで長い間入院。
苦しみ抜いて亡くなったという。
たけしさんは、杏さんは自身がコ○した母親に呪いコ○されると言っていた。
まさにこれが…。
杏さんの叔父さん「杏は、日頃から親しい人も家族もいないと装ってたらしく無縁墓地に埋葬されたそうです。焼身自殺を図って死にきれなかったんだろうとの事でした。」
「娘の事が聞けなかったのが、心残りです。」
「杏も娘も、今どうしているのかー。」
…言えなかった。
あれから、、ユミ推薦の能力者から聞きました。
アキさんは、杏さん景子さんと手を取り合い、怨霊集団になって不倫してる奴らを探し漁ってはコ○しにかかり続けてますよ?とは。
あなたのご近所の旦那さんをコ○したのも、娘さんです。
その人、長年不倫してたんです。アキさんが小さい時から。娘さんは薄々解ってた。優しいおじさんの裏の顔を。
だからターゲットにしたんです。不倫してる奴は、世の中にたくさんいる。まだまだ続きますよ?とは。
言えるワケがなかった。
私「それぞれ本懐を遂げて、スッキリとして晴れやかに成仏されたと思いますよ?」
もはや絶対に有り得ない絵空事を返した。
散々以上!究極レベルの絶望を味わい尽くしてきた夫婦への礼儀だとすら思って。