サレ親の仕返し不倫の結果。②〜親の不倫のせいで殺された青年〜 | 不倫成敗録

不倫成敗録

今までジャニ系でしたが、色んな事を書いていきます。主に不倫相談例(もちろん仮名にする等、相談者のプライバシーに配慮した上で。)

よろしくお願い致します。


逃げるようにパートを辞め。

在宅で出来るパソコンの仕事を見つけ、しがみつくように家に引きこもる生活を数年続けていたある日。


高校を出てから肺病の事もあり自分と同じく在宅で仕事をしていた弟から、会って欲しい人がいると言われたと。


弟さん「仕事関係で会った、女優志望の子なんだけど。両親の事を知ってもなお、あなたはあなた、親は親!関係ないって言ってくれて。」


「仕事も軌道に乗ってきたし、彼女の事が好きで好きで!勢いでプロポーズしたんだ。」


会ってみると、とても感じのいい子で。

女優を目指すだけあって可愛らしく、今は下積みの雑誌仕事をしていると。


弟の喜び事に、杏さんも少しづつ立ち直り始め。

2人の結婚を間近に控えたある日。


突然倒れたという弟さん。


緊急搬送された先で検査の結果告げられた病名と余命に、頭の中は真っ白になったと。


身内と相談するにも。

祖父はすでに亡く祖母は病気で長期入院中。

更にボケているので、説明しても意味は…。


父親とその一族とは、とうに絶縁。

母親は、間男の金を盗んで失踪したきり。


残る身内は…。

母親の弟。叔父一家。


しかし。


杏さん「叔父は、両親が離婚した時私達姉弟を引き取る事を拒んだんです。両親共に恥を知らない家庭で育った子なんか、ロクなモンじゃない。金かけて育ててやるだけムダだと。」


「叔父の気持ちも解るんです。父の不倫の探偵費用を援助して、母にミツさんを紹介してくれたのも叔父ですから。」


「可哀想な姉だと思って全力で助けてきたのに!汚い事されたら、気持ちを裏切られたら誰だって!」


覚えている。

メスの弟、タカオさんは本当に心から!姉を案じて守ろうとしていた。


仕返し不倫を大反対もしていた。


タカオさん「私の姉は、全てが腐り尽くして死にました。もはや姉一家にも関わりません。」


「信じていたのに!全力で助けようとした人間を、かつては自分が一番批判していた、一番汚い愚行をもって裏切り、踏みにじり尽くして恥じないクズなど、もう知らん!」


メスが仕返し不倫を始めてまなし、杏さんの弟が救急車騒ぎになった時。


私に連絡してきて、怒りをぶちまていたタカオさん。


杏さん「でも、一応連絡してみたんです。そしたら。」



タカオさん「お前らの腐った母親が!先月私達の留守中家に押し入り、百万近く盗んで行ったよ。」


帰宅すると窓ガラスが割られており。

近所の人が、汚らしい身なりをした50がらみの女が袋を握りしめながら慌てた様子で走っていくのを見たと証言したと。


タカオさん「間違いない、お前らの腐った腐った母親だ。盗みの前科もあるし、おおかた間男からせしめた金を使い果たして生活に困った末に昔ひんぱんに訪ねてた、勝手知ったる弟の、私達の家ならと押し入ったんだろう。昔ホストクラブ通いしてた事があるから、それが再燃したか?」


「妻があなたのお姉さんの事だから警察沙汰にするなと言うから躊躇してきたが。妻は出来た女だ。あのクズは、優しい妻が警察沙汰にするのを止めるのも計算づくだっただろう。」


「色狂いだけでなく姉弟の家で泥棒まで!いい加減にして欲しいわ!」


「やはりどう考えても泣き寝入りはしたくない。盗られた金はあんなクズに育てた母さんか、娘であるお前に請求する。私は甘くない。払わないなら警察に言う。クソの息子など、知った事か!振り込みが済んだら金輪際2度と連絡してくるな!」


…母親の盗みで警察沙汰になれば、弟も事情聴取されるかも知れない。


ただでさえ余命が短い、衰弱している身。

婚約者の手前もある。


杏さんは黙って叔父が指定した口座になけなしの貯金を振り込んだという。


その後。

弟の容態が急変したと連絡が!


駆けつけた時には既に遅く。

処置が迅速だったとしても助かったかは微妙だと言われ。

泣きながら様々な手配をしていると。


弟と同室の患者が手招きしてきて。

近づくや、


同室患者「アンタの弟さん、コ○されたんだよ。」


杏さん「え!?」


同室患者「間違いないよ。ワシはこの通り、末期で毎日する事ないから寝てばかり。起こされてもナカナカ起きないのが常でな?看護師もワシがいつも通り爆睡してると思い込んでたんだろ。」


「あの時、弟さんが苦しみ出す前から看護師は病室にいたんだ。なのに、苦しみ出しても大丈夫ですかの声かけもせず、怖いぐらい静かだった。部屋にいたのは、ワシと弟さんと看護師だけだった。」


「更に更にとひどく苦しみ始めても、シーンとしてて。ただ一言、『色狂いなんか死ねばいい。』と小さくつぶやきおった。」


「たまりかねて、カーテン開けて『苦しんでるぞ!助けてやれ!』って怒鳴ったら、慌てて!まさに今駆けつけたばかりかのような素振りで、ワシからしたら白々しく大丈夫ですかと大声だして、やっとナースコール押しおったんだよ。」


「香川って看護師だ。ワシはここに来て長いから色々知ってるが、前に弟さんが雑誌の水着グラビアを熱心にうれしそうに見てた時、後で同僚看護師に、『やっぱり血は争えない。汚らわしい男!』って陰口言ってたのを聞いた。何でも、香川の母親が父親の不倫のせいで自殺未遂して、以前病院に運ばれて来た事があったらしい。ここじゃないらしいがね?」


「弟さん、不倫してたのか?それを憎んで香川が見殺しにしたとしたら問題だろ。」


…弟が見ていたのは、おそらく婚約者の水着姿だろう。


悪事千里を走る。

香川という看護師は、私達の両親の不倫を知っているのだ。

今までの人間関係ほぼ全ての人々がそうだったように。


知っていて、熱心に水着のグラビアを見る弟を両親と同じスケベな色狂いだと誤解して、母親の仇と重ね憎しみを募らせていたのかも知れない。


いたたまれなくなり、香川に面会を求め同室患者から聞いた話をすると。


香川「事実無根です。証拠あるんですか?」


「確かに母は、父の不倫でズタボロになり何度も何度も自殺未遂しました。でも、だからと言ってボケ老人の作り話で迷惑かけられるいわれはありません。」


杏さん「あなたが汚らわしいと陰口言った、あの子がうれしそうに見てた雑誌のグラビアの水着女性は、弟の婚約者なの。長い下積みをしている女優志望のね?仕事が少ない中、辛くても頑張ってる彼女をずっと応援してた。でなければ弟が熱心に水着グラビア見て喜ぶ理由はない。真面目な子だったから。」


言うや、明らかにギクリとしたという香川。


杏さん「私達は、親の不倫で散々苦しみ尽くしてきた被害者。あなたと同じ。」


「正直に話して!」


香川「ああ、怖い怖い!あなたと私が同じ?名誉毀損もいいとこだわ!」


「不倫内容も、全く同じじゃない!私の場合、父親が不倫してただけ。母はどこまでも被害者!キレイなキレイな存在でした。アンタの母親と同じワケがない。母に対する名誉毀損!アタシだって、アンタらとは違う!アタシは、半分はマトモな常識人の血なの!」


「知ってるんですよ?アンタら一家はここらじゃちょっとした有名人だから。普通は片方だけなのに!両親共に!不倫してたんですってね?」


有名人である事は思い知っていた。


病院でも以前、主治医から、


「どんな人でも助けるのが我々医者です。」


と、意味深な言われ方をした事があり。

腐った両親を知っての当てこすりだと悲しくなったものだったと。


香川「アンタらはしょせん、両親から、つまり両方から腐った血をたっぷり受け継いで、両親共に腐った性根の人間に育てられてきた。ロクなモンじゃない、親と同じと見なされても仕方ない。」


「たとえさっきの作り話が本当であっても、誤解され恨まれても仕方ない、無理もない話。私は何も!悪くない、証拠もないから裁かれない!」


半ば自分自身に言い聞かせるようにつぶやいたという香川。


杏さん「そうね、証拠はない。でも、あなたのお父様も、不倫を責めるお母様に対して、自分は何も!悪くないと言い続けてませんでしたか?責任逃れをそれこそ何度も何度も。だからこそお母様は絶望して自殺未遂された。違いますか?」


またもギクリとしたという香川。


杏さん「あなたこそ、血は争えてませんね?卑怯で汚い父親と同じ。いえ、お父様に失礼でしたね?人を殺したも同然なのだから、あなたの方がよっぽどひどい、最低だわ。」


「あなたにはもう、偉そうに父親を批判する資格はない。かわいそうな人ね?」


「証拠はなくても、自分がした事は自分が一番よく知ってる。父親以下のゲスの行い、一生忘れないで下さい。」


「あなたが看護師続けるなんて、有り得ない。父親みたいに無責任過ぎる厚かましいクズじゃないなら、辞めるべきよ。」


「聞いてるの?父親以下の人殺し!」


言われて香川は震えだし、その場から逃げたと。


私でも、同じかそれ以上の言葉で叩いただろう。


逃げていく香川に対して。

普通ならば!その卑怯なさまに怒り恨みが倍増するところだが。

この時の杏さんはただ、冷めた頭と目でそれをぼうっと見ていただけだったと。


ーただ、脳内でいずれ、いずれという言葉がこだましていたという。


たとえ処置が早くても助かったかは微妙な命。


それでも!香川への尽きぬ恨みが残ったゆえに。



香川に対してだけでなく。

諸悪の根源である腐った両親への怨念は、更に更に膨れ上がるばかりだったと。


弟の弔いをするにも、なけなしの貯金は全て!叔父に渡してしまった。


他のお金は、生活費と祖母の入院代に残さなければならない。


弟の結婚資金は…。


弟の婚約者「お義姉さん、実は私、お腹に赤ちゃんがいるんです。」


「事務所に言われてて避妊してたけど、デキちゃって。本当ならもっと早く報告するべきだったんですが、事務所から売り出し中なのに婚約?妊娠?有り得ない。せめて子供は堕ろせ!産みたいなら事務所辞めろと怒鳴られて。昨日やっと決心ついて、辞めてきたんです。2人で育てるハズだったのに!」


産まれてくる赤ちゃんの為に残さざるを得ず、誠に質素な葬式しか出してやれなかったという。


杏さん「私と同じく親の不倫で苦しんできた親友の景子以外は本当にわずかな身内だけの、私と香ちゃん、景子だけの、みずぼらしい葬儀になってしまいました。」


「香川が看護師を辞めるからと病院を辞めた事が解ったのがせめてもの救い、慰めでした。当時は。」


その数日後。

青ざめた顔で訪ねてきた叔父夫婦。


叔父「泥棒は、姉さんじゃなかった。別の女が別の強盗容疑で逮捕され、ウチの盗みも自供した。」


叔母「夫がひどい事を!杏ちゃん、本当にごめんなさい!」


叔父「盗みの前科がある、性根の腐った姉さんならやりかねない。弟の家なら盗みやすいと思ってやったんだろうとばかり。すまなかった。金を返しに来たんだ。」


杏さん「…本来ならば!私に払う義務はなかった。弟と婚約者の為に払ったの!」


「お金さえあれば、弟はもっとマシな葬儀が出来たのに!私達は被害者なのに!弟を、クソの息子だと言ったよね?アンタだって、色狂いの姉と血を分けてるクソの弟、同類同然のクセに!帰れ!私に金輪際2度と関わってくるな!」


花瓶やらを2人に投げつけ、追い払ったと。


叔父が母親を心底恨むのは当たり前であり、その子供を嫌うのも、盗みが姉の犯行だと決めつけたのも無理はない。

腐った女に対する思いは自分と同じと思ってきたし、その気持ちも解りながら!


それでも怒らずにはいられなかったと。


かえるの子はかえる。というように、親がクズなら子供もそうだと思われがちだが。

それでも片方の親がマトモなら誤解されても解けやすく、また、それ以前にされにくい。


父親は恥ずかしい、情けないクズだが母親は毅然としている、しっかりしている。

子供達もかわいそうで健気だと逆に同情され、手を差し伸べられる事さえある。


しかし、両親共にクズなら。

どうせガキ共も同じだと、救いようのないレベルの誤解、偏見迫害に発展する事もしばしばあるのだ。


杏さん姉弟のエピソードは、その内容、被害たるや、まさに究極型と言えよう。