晩夏・・・言葉のせいもあってか、夏の終わりはいつも一抹の寂しさを覚えます。
 甲子園の高校野球もしばらく前に終わり、今日は、ラジオで毎年楽しみに聞いていたもう一つの番組が終了しました。放送開始から30年以上続いているNHKラジオの「夏休み子ども科学電話相談」という番組です。「動植物」「天文」「宇宙」「科学」「心と体」など、子どもの科学に対する疑問や興味に、専門家の先生方が電話で答えてくれる内容です。
 子どもならではの純粋な質問に、打ち合わせもなく困惑する先生の様子や、子どもの目線にあわせてわかりやすく説明する姿勢がおもしろいと、大人にも隠れた人気番組らしい。毎年、放送中ネットのSNSでも盛り上がるくらいです。
 たしかに、芸能人とアナウンサーが台本通りに進める賑やかな番組より、よほどおもしろく有意義な放送のように思います。また来年の7月です。イメージ 1
                      Clester SM / W&N  (再掲) 
 明日からは9月。今年もまた稲田に黄金の稲穂が波打つ季節になりました。
  ここコシヒカリの里・魚沼市は、昔から良質のコシヒカリの産地として知られています。この地域では稲作に恵まれている条件として、次のことがよくあげられます。
 ○ 盆地性気候の特性から、植物の成長を促す気温の日較差が、魚沼地方で
  最も大きい。
○ 以前、環境庁の「日本水の郷百選」にも選ばれたほど、良質で豊富な水   
  に恵まれている。
○ 何本もの河川によって堆積した肥沃な土地が広がる。
                          
  あの気の遠くなるような豪雪を耐え忍んで春を待ち、春耕から精魂込めて世話をしてきた農家の人の気持ちはいかばかりでしょうか。今夏は日照不足が心配されてきましたが、作柄は「平年並み」との報道です。稲もよくがんばりました。
 穫り入れまであとわずか。明日は二百十日。いよいよシーズンとなる台風などの心配をせずに、無事にその日が迎えられることを祈ります。
 
 
 庭のコバギボウシがようやくうす紫色に咲き出した。派手さはないが、爽やかな雰囲気で咲くのを毎年楽しみにしている。鳥でも運んでくれたのか、いつの頃からか、桜の木の下で着々と勢力圏を広げ、見かけによらずなかなかにたくましい植物でもある。
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                       WHITE  WATSON  F2 /  HLBEIN
 この夏は天候が不順なため、どうも花付きがいまひとつのような気がする。花茎も徒長気味で細く長すぎるように見える。しかし、健気に天に向う凛とした姿かたちはいかにもこの花らしく、一層涼しさを感じさせてくれる。
 それにしても、今年の開花は昨年よりも16日も遅い。昨年が極端に早かったわけでもない。春の雪消えが遅かったことと、この夏の冷夏気味(?)の気候のせいだろうか。この花だけでなく、全体的に季節がずれているようだ。
 因みに今夏の我が家の生物季節(一部)の記録をまとめてみた。
 
ニイニゼミ初鳴    7月6日  昨年より -18日(遅い)
オオバギボウシ開花  7月10日      -20日
ヒグラシ初鳴     7月13日      -12日
アブラゼミ初鳴    7月19日      -14日
ツユクサ開花     7月30日(?)      ?
エンマコオロギ初鳴  8月8日       -14日
ミンミンゼミ初鳴  8月16日       -15日
ナツズイセン開花   8月18日      -15日
コバギボウシ開花   8月20日      ―16日
   (ホトトギスの開花、ツクツクボウシの初鳴などは、あと数日か?)

 おしなべて、半月くらい季節が遅れている。この調子だと秋の訪れはどうなっていくのだろうか。そして、最大の関心事、冬の雪の降り方は・・・などと考えるといささか気になってくる。
 
 里山の頂上から、下に広がる稲田を双眼鏡で何気なく見ていると、視野に一筋の黄色の部分が見えました。
 菜の花の色合いに似ているがこの時期に何だろうと、位置に見当をつけ確かめに行ってみようと下山しました。
 それはオミナエシ(オミナエシ科・女郎花)の群生でした。と言うよりは、どうも栽培しているオミナエシ畑のようです。
 野生のオミナエシが見られなくなって久しいという話をよく聞きます。オミナエシは昔から里山の麓の草原のような所に自生する植物で、秋の七草の一つとして古来より親しまれてきました。とくに8月のお盆に飾る花として欠かせない植物です。それが今やこうして栽培されているとは・・・目の当たりにしてみて少し驚きました。

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                                                Stillman&Birn  14X22cm   /  C.W&N
 帰宅後、インターネットで調べてみると、現在ではごく普通に栽培されているとのこと。家畜飼料の草刈場や、茅葺屋根のカヤ場がなくなった、除草剤による裸地化が進んでいる所もある、などの原因で野生のオミナエシが見られなくなってきたことのようです。
 人の生活様式や習慣のとの係わりの中で自生が保たれてきたオミナエシ。その環境の変化によって絶滅危惧種に指定されるような時代になってしまいました。
 里山で普通に見られる同じ科のオトコエシ(男郎花)は、オミナエシより大きく白い花は良く目立ちます。しかし、オミナエシの方が黄色ということだけでなく、それが風に揺れる様などには何ともいえない風情を感じます。
 
 夏、どこか涼しくて爽やかなところはないかと思うとき、必ず行きたくなる所があります。 
 越後駒ケ岳、中の岳、八海山に囲まれた水無川渓谷です。家から20分、新幹線や高速のICから車でわずか15分くらいで来れるほど里に近い所です。
 水無川といっても、この辺は水量も多いですが、数キロ下流では典型的な水無川となります。
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                                                     WHITE WATSON F3  / HOLBEIN
 これらの山は2000m前後と標高はそれほど高くないですが、とくに駒ケ岳の東側と北側は山麓まで一気に1700mも落ち込む大障壁をなす珍しい地形です。豪雪地のため谷には秋まで雪渓が残り、 これらの大岩壁、氷河のような雪渓から吹き降りてくる風は、スケッチなどでじっとしていると、涼しいを通り越して寒いほどです。
 そんなさわやかさを表現しようと思ったのですが、またしてもコテコテの描き込みすぎで、何か暑苦しいような絵になってしまいました。
 
 この時期になると決まって思い出すことがあります。
 私は俗に言う腰痛の「腰持ち」で、年に数回も起こしては10日間から2週間は辛い日を過ごすのが常でした。
 一昨年、アラスカのアンカレッジに住む友人を訪問することになりました。家族ぐるみの友人は、ゆっくりとした日程で遊びにくるように毎年誘ってくれていました。福島原発事故の時には、早く避難して来いとも心配してくれた友人です。
  訪問を決心した春から少しずつ、パスポート、航空券、ESTA,車の国際免許、付け焼刃の英会話 etc.準備をしてきました。

 ところが、こともあろうに、出発の数日前にぎっくり腰をやってしまいました。青天の霹靂です。メールを入れると、病院などはこちらにもあるので兎に角来ないか、早く航空券の日時を知らせろと来ます。
ままよ、とばかりに、這いずり回りながら荷物をパッキングしました。
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  成田国際空港で                    WHITE WATSON 葉書サイズ /  C.W&N
 天地がひっくり返るような思いでバタバタとしているうちに、気がつくと成田国際空港の待合の椅子に腰を下ろしていました。子どもじみたように、例のカエデのマークが珍しい初めて乗るエア・カナダ機を大急ぎでスケッチしたりしていました。
 ほんとうに不思議でした。約2週間後帰宅するまで、腰のことなどはすっかり忘れていたのです。向こうでは計画通り登山まで楽しみました。「病は気から」なのでしょうか。
 さらに不思議なことに、あれ以来1度も腰を出していません。向こうでのスケッチや写真を見ると、この不思議な体験が昨日のことのようによみがえり、祈るような気持ちで、いつまでもこの調子でと思うのです。