除雪の合間に断捨離か「終活」か、昔いろいろと録音した音楽のテープを、外付けHDDに保存する作業を進めている。こちらの方が体も休まり、断然に楽しい。
今日は、内容のわからないDAT(デジタル・オーディオ・テープ)1本をデッキに掛けて耳を澄ませていたら、いきなり、大音量でド―ンと来た。
テープはベートーベンのピアノ協奏曲5番 “皇帝”だった。
出だしのオーケストラのフォルティッシモの主和音とピアノの明るく跳ね回るような演奏に、ぐいぐい引き込まれる。今までにないような冒頭からのこの高揚感、エネルギー感は一体何なんだろう。釘付けになって最後まで聴いた。

卓 上 の 調 べ WHITE WATSON P10 / HOLBEIN
演奏終了時の解説では、ピアノは録音当時81歳のアラウ。あの威厳に満ちた堂々たる雰囲気は、まさに「皇帝」の趣いっぱいである。C.デイヴィス率いるドレスデン国立歌劇場管弦楽団の堅実な音が、さらにそれを盛り上げている。
昔、音楽療法の話を聞いたことを思い出した。記憶違いでなければ__気持ちが疲れている場合などは、始めは静かめの音楽から、次第に明るく元気な音楽に共鳴させていく方法が一般的だったような・・・。
しかし、今日のこれは何だろう。いきなり、気力が満ち満ちて来るようなあの高揚感。ベートーベンらしい繊細で劇的なプロローグで、跳ねるようなピアノの音!格調高く、実に気分が爽快である。連日の除雪で疲れ気味の心身が、奮い立たされるような気分だ。
こんないいものをどうして捨てられようか。保存したHDDも飛ぶことがあるかもしれない、などと・・・・。
かくして、今日も断捨離は一向に進まないのである。



