間もなく春分__この冬は、「記録的な」というよりは「歴史に残る」と言うような雪の少ない冬でした。誰に聞いても、「こんな冬ははじめて!」という話になってしまいます。膨大な雪が消えてなくなり、爆発するようなあの春が来る独特な高揚感が、今年はどうも感じられません。

 いつの間にかダラダラと春になってきたような妙な季節のめぐり方について記録に残してみようと思い、主なものを書き出してみました。(「市街地」は新潟県の内陸部 海抜100m 「里山」はその周辺 標高300~600m

 


                 

                                      記録的な少雪   夕暮れ迫る里山風景 2020年3月12日 14 X 21.6cm  Stillman&Birn ALPHA/ W&N

 

  11月12月  クマ市街地に出没続く

  11月 4日  越後三山初冠雪(昨年より3日遅い 例年10月中旬)

  11月22日  初霜    

  11月29日  初雪〔6日遅い〕   

  12月16日  キチョウ舞い残る

  2月 2日   新潟地方気象台ウメ開花(平年より41日早い)

  2月 7日   ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ミチタネツケバナ等昨年

                         からずっと?もう?開花中

  2月  9日   今冬の最深積雪43cm(平年値の5~6分の一くらいか)

  2月12日  今冬の最低気温―7.8℃

  2月17日  スギ花粉すでに飛び始めている

  2月22日  マルバマンサク開花(6日早い 御嶽山)

  2月26日  大力山でマルバマンサク開花の情報

  3月   9日  キタキチョウ初見 (10日早い 越冬成虫)

         この日の最高気温19.1

  3月10日   近所の早い所でウメ開花(20日早い)(ヒバリの初鳴はまだ  

                         昨年5日、 ウグイス未だ)         

  3月12日   ショウジョウバカマ開花(これより2~3日早い?昨年より10

                          日早い) (御嶽山)

  3月13日   オクチョウジザクラ開花(御嶽山)     

   スイセン開花  (6日早い  近所)

  3月15日   イワウチワ開花(19日早い 御嶽山)(ミズバショウ未だ。カタ

                          クリ、キクザキイチゲ開花直前)

 

総じて、昨年より10~20日早めで推移しているようです。

 

 植物は積算温度の影響をより強く受けるとのことですから、桜などの開花も当然かなり早まるものと思われます。

   野鳥などは太陽の日照時間の変化により刺激されるホルモンの分泌によって生態が左右されると言われています。ヒバリやウグイスの初鳴き、ツバメの初見などは例年と大きくは変わらないのか、それともさすがに多少は早まるのでしょうか。

 今日3月5日は啓蟄。しかし、春を迎えようというのに雪から開放されるいつものあの高揚感がありません。この冬はほんとうに異常な少雪で、冬らしい雪景色をほとんど見ることがなかったからなのでしょうか。オオイヌノフグリやヒメオドリコソウ、タネツケバナなどは、昨年の冬の始め頃からずっと咲き続けています。いつが「開花」なのかもわからないような不思議な季節の巡りかたです。

                         Stillman & Birn  GAMMA 14cm X 22cm  W/N ( 昨年の買ってきたネコヤナギ )

 それでも、川べりで春の訪れを告げるネコヤナギをスケッチしようと歩いてみました。ところが、1時間くらい探し回っても、わずかに4~5本しか見つけることができませんでした。

 以前はどこでも見られたネコヤナギが、最近は少なくなってきたような気がします。やっと見つけたネコヤナギも、絵のモチーフとしてはどうもいまひとつです。去年家内が生け花用に買ってきたネコヤナギはなかなかに立派で風情もありました。切花用として栽培でもしていたものだったのでしょうか。

 

 ともあれ、見るからにふさふさした花穂の触り心地がよさそうで、不思議な魅力のあるネコヤナギです。子供の頃、凍み渡りの朝、川辺に生えているネコヤナギに触って猫ぼんぼんなどと呼んで遊んだことを懐かしく思い出します。

 

 

 

 

 

 JR上越線の南魚沼、北魚沼地方に沿ったあたりから眺めると、巻機連峰が堂々と大空を画しています。新潟県と群馬県、越後三山と谷川連邦のちょうど間にあり、「日本百名山」でもある巻機山(まきはたやま1,967m)。山名の由来は、頂上一帯が御機屋と呼ばれ、美女が機を織っていたという伝説によるものと言われています。

 

      Stillman & Birn  GAMMA 14cm X 22cm  W/N

 

上越国境の向こう側__関東地方の悪天候下、発達した厚い雲に太陽の光りがさえぎられる気象条件の下では、不気味なまでに青黒く見える空を背景に、雪をまとった越後側の山々が20~30キロ先に真っ白に浮かび上がる独特の光景が見られます。

「御機屋と呼ばれる頂上で、美女が機を織っていた」という伝説を語りは始めた昔の人々も、こんな風景を見ていたのかもしれません。

 

 

   暮れに沢山いただいたレンコン、今も時々食卓に上がります。奇妙な穴がたくさんあき、姿形が面白い。栄養価もなかなか高いらしい。何よりもあのシャキシャキとした食感がたまりません。穴が複数あいていることから「見通しがきく」となぞらえて、昔から縁起物としておせち料理に重宝されてきたようです。

 

                                                  Stillman & Birn  GAMMA 14cm X 22cm  HOLBEIN

  この野菜は子どもの頃からずっと「はすね」(蓮根)と言ってきたが、いつの間にか「レンコン」などとすこし上品な感じの言葉に変わったようです。いい年をした自分は、レンコンなどと言うのがなんとなく気恥ずかしいような照れくさいような妙な気持ちがします。人間が上品でないからなのかもしれません。

 いずれにしても、蓮根の蓮は「泥より出でて泥に染まらず」と言われるように、池の汚れた泥の中(不浄)から、茎を伸ばし、美しい花を蓮の花(清浄)を咲かせるという生き方が、一つの理想に例えられたとのことですから、やはり上品で高貴な雰囲気のする植物のようです。

 

 連日のコロナウイルス関連の報道を見聞きして、どれくらいになるでしょうか。一日も早く、レンコンのように見通しが見えてくるようにと祈る毎日です。

 

 

 

 先日、普通積雪2~3メートルの昔の冬の暮らしを思い出しながら、当時の除雪道具の「こすき」と「かんじき」などの絵を描いてみました。
 天の神さまに聞えたわけではないでしょうが、立春の声を聞いた途端雪が降り出し、辺りが懐かしいような冬景色に一変してしまいました。

                                                                                            WATERFORD  P10 /  HLBEIN        

 とは言っても、今日現在の積雪は27cm。例年の十分の一くらいの小雪で推移しているため、この先あるいは、嵐の前の何とやら?とやはり気になる冬です。でも、スキー場や雪関係の仕事の方は多少はほっとされていることでしょうか。