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サムトッシュのブログ

わたくしサムトッシュの興味・趣味の赴くままに書き連ねるブログです。

 家族のコツのコツとは、家族が上手くいくには?というコツではなく、骨(コツ)のこと。お墓に埋まった骨が会話をするというラジオドラマならではのお話。最初はなんだ?と思い、途中でふむふむと思い、最後はグッとくる展開。いいですね、大好物です、こういうお話。

 

 我が家も父親が亡くなったとき、墓を建てた。父は準備のいい人で、予め自分で墓を探し、購入していたのだ。今、そのお墓には父と母と姉が眠っている。ときどき、今頃、お墓の中で3人はどんなふうに暮らしているんだろう?と思うときがある。生前はいつも母が父に文句ばかり言って、父はいじけてばかりいた。姉は母に付く立場だ。死んでも父は肩身の狭い思いをしてるんじゃないかと思うと、涙が出てくる。

 なにを勝手に思っているんだ、お前は!と父に怒られそうだが。

 母も準備のいい人で、自分が死んだあとのことは事前に全て整え、自分が入る骨壺まで自分で選んでいたりした。壺はとても趣味のいい壺で、青い色が施され重厚感漂う骨壺だった。いざ、その壺を入れるために父が入っているお墓を開けたとき、我々は中をみてビックリしたのだ。母の重厚感漂う壺に比べ、父の骨壺は何の模様も色もない、真っ白けっけの小さい壺だったのである。

 

 こ、これはいったい、どうだしたことだー!

 

 業者の方が母の壺を父の壺の隣に配置した。母の壺は重厚感漂ううえ、父の壺より大きい。えー!なにこれー!お父さん、可哀想すぎる!可哀想すぎて、思わず皆で爆笑でした。

 今回のお話を聴いてついつい、我が家のお墓事情を思いだしてしまいました。

 

 この作品、BKラジオドラマ脚本募集での最優秀賞受賞作!審査の選評がこちらに掲載されてます。

 

 http://www.nhk.or.jp/osaka/event/radiodrama/senpyou.html

 

 コンクールで審査員が進んでこの作品を推していることが分かります。いわゆるFMシアター的と言われる部分から大きく離れたこの作品が、これほどの評価を得て選ばれたということは、とても大きな意味があるように思うのです。普段のFMシアターももちろんいいのですが、やはりこういう作品も聴きたいのです。

 作者の次回作も楽しみですね。

 

「家族のコツ」

【作】黒瀬ゆか

【演出】佐原裕貴

【出演】角凶子役…玄理,角博役…佐野史郎,角順子役…押谷かおり,丸尾大吉役…阪東浩考,医師役…宇仁菅真,銀行員役…堀部由加里

http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2018004.html

 

 

 

昔、エアチェックで音楽をコレクションしていた。

LPを買うには金もない。立派なオーディオセットがあるわけじゃない。

そんな輩(やから)はエアチェックするしか道はなかったのだ。

 

ところで、エアチェックとは何かご存じか?

ラジオで流れる音楽をラジカセで録音する作業のことだ。

詳細をご紹介すると、自分の好きな音楽が流れるFMやAMのラジオ番組を聞く。番組が始まるとともにラジカセのカセットはPAUSEボタンを掛けて録音状態にしておく。

DJが曲紹介を終えるやPAUSEボタンを解除し曲の録音を開始し、曲が終わるやDJの喋りが入る前にPAUSEボタンを押して録音を一時停止にする(この一時停止というところがミソ。終了ではないのだ)。そうやって1曲1曲をミュージックテープに収めていくのだ。これをラジオ番組の間、ひたすら繰り返すのだ。

きっと、ラジカセを知らない今の君たちから見ると、想像もつかない苦労を重ねているようにみえるだろう?笑っちゃうかもしれない。

 

しかし、このとてつもない作業の果てに、世界に自分一人しか持ってない46分、60分、90分のオリジナルテープが出来上がるのだよ。

どうだ!これって凄くないか?

 

そしてこんな家内制手工業みたいな作業を続けていくと、60分のテープをいっぱいにするにはそれなりの期間がかかるものなのだよ。下手すりゃ1カ月以上かかるときもある。だが、それがすべて埋まり、最初から最後まで再生したときの快感と言ったら、あーた、こりゃ筆舌に尽くしがたいものがあるんでござんすよ。

 

で、私はいまだにときどき、そんな作業をしているときがある。

もうさすがにエアチェックするラジカセはないし、媒体はテープからCDに変わったけど。自分が好きな曲を集めて、1枚のCDとしたときの快感は今でも変わらないですなぁ。

というわけで、私が作った「Saturday Afternoon Songbook」を僭越ながらご紹介したいと思う。土曜の午後に聴いたら、気持ちいいよなぁという曲を集めて作ったものだ。

私の趣味上、70年代の曲がほとんどになります。

 

1.You're The Sunshine Of My Life / Stevie Wonder (3:01)

 スティービー・ワンダー1973年の傑作「トーキング・ブック」より。イントロのオルガンからしてなんとも土曜の午後で、メロディも幸せいっぱいな木漏れ日を感じさせる曲。

 

2.Sitting In The Midday Sun / Kinks (3:50)

 キンクスの長いキャリアの中でも悪評高いロックオペラを展開していた1973年の作品「プリザベーションAct1」からの一曲。邦題はうってつけの「ひなたぼっこが俺の趣味」。私はこの時期のキンクスが一番好きだ。なんたって曲がいいのです。

 

3.You're In My Heart / Rod Stewart (4:32)

 1977年発表のロッド・スチュワート「明日へのキックオフ」から。この曲を聴くと午後の陽が降り注ぐ古民家の縁側で、昼寝をしている猫の姿が浮かんでくる。土曜の昼にはうってつけの1曲。

 

4.New Kid In Town / Eagles (5:06)

 言わずもがな、イーグルスの名作1976年発表の「ホテル・カリフォルニア」から。これは私が中学生のとき、東京FMで土曜の昼2時からやっていた ♪ダーーーイヤトーン、ポップスベストテン!でよくかかっていた曲。これを聴いてるとあの番組を聴いていたときの、土曜日の空気感や匂いまで思いださせてくれるタイムトリップな曲。

 

5.Chuck E's In Love / Ricky Lee Jones (3:34)

 リッキー・リー・ジョーンズ、1979年のデビュー作「浪漫」からシングルカットされ大ヒットした曲。彼女は1977年にトム・ウェイツと同棲していたそうですな。渋いカップルだと思います。曲はアコースティックでシンプルで極上な昼休みポップスに仕上がっています。

 

6.You Gave Me The Answer / Wings(2:15)

  ポールマッカートニーのウィングス時代のアルバム1975年の「ヴィーナス&マース」から。ビートルズ時代の When I'm 64 から続くボードビル調の可愛い曲。ポールのこの流れは好きです。

 

7.Push / Sarah McLachlan (3:58)

 サラ・マクラクランは1997年に Sweet Surrender という曲でクールでスタイリッシュなイメージでブレイクしたが、この曲はどこまでも広がる青空の下、入道雲がもくもくと湧きあがる土曜の昼間、学校の屋上で背伸びをしたときに聴きたい曲。2004年「アフターグロウ」から。

 

8.Go Home Girl / Ry Cooder (5:14)

 この曲はたしかパイオニアのステレオコンポのCMで使われていて、ステレオコンポなのにアメリカの荒野に、昼間、男が佇んでいる映像になっていて、それが、やたらかっこよかったのを覚えている。ライ・クーダー1979年発表の「バップティルユアドロップ」より。

 

9.Ooh La La / Faces (3:34)

 ロッド・スチュワートがボーカルをつとめていたバンド、フェイセズの名曲。けど、ボーカルはベーシストのロニーレイン。イントロからずっと続くアコースティックギターのリズムが実にいい。1973年「ウー・ラ・ラ」から。

 

10.Who Needs You / Queen (3:09)

 クイーン1977年発表の「世界に捧ぐ」から。このアルバムには「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」が入っているが、自分はジョン・ディーコンが作曲したこれと「永遠の翼」のほうが好きだ。

 

11.Turn Around / Billy Joel (3:07)

 昔、ビリージョエルのデビュー作「コールド・スプリング・ハーバー」の日本盤は発売されていなかった。輸入盤でしか手に入らなかった。「ストレンジャー」「素直になれなくて」「マイライフ」等々、派手な曲で一躍スターになったビリーだが、1971年のデビュー作はこのような素朴で滋味深い曲が並ぶ。

 

12.She Sells / Roxy Music (3:43)

 ロキシー・ミュージック1975年発表の「サイレン」から。昼より夜という感じの曲が多いロキシーだが、この曲はイントロのピアノからポップで軽快でどこか哀愁があり昼下がりの雰囲気ぷんぷんの佳曲である。

 

13.Blow Away / George Harrison (4:02)

 ジョージ・ハリスン1979年発表の「慈愛の輝き」に収録され、シングルカットされた曲。ジョージのこういう曲は本当に素晴らしく、洗練されたメロディとポップス感覚、そして明るく切ない曲調はジョンやポールにもない資質だったなぁと改めて思うのであります。

 

14.If You Really Want To Be My Friend / Rolling Stones (6:19)

 1974年発表の「イッツオンリーロックンロール」から、あまり語られることもとりあげられることもないが、これはストーンズの中でも白眉で出色で名曲中の名曲でしょう。これ以降の曲は夕方向け。

 

15.How Many Friends / The Who (4:11)

 1975年発表の「バイ・ナンバーズ」から。ハードな曲が多いフーの中でもメロディの美しさではナンバー1の曲。それになんといってもニッキー・ホプキンスのピアノが美しい。その美しさは美しいとしか表現の仕様がない。

 

16.Sweet Lady Geneve / Kinks (3:27)

 2.と同じアルバムより。イントロのハモニカが、ビートルズの「恋する二人」をもろパクリのような感じだが、こっちはもっとルーズ。そして曲調は夕方。歌詞も「その昔、真っ赤な夕焼け空のもと」と始まり、酔いどれの男が嘘ばかりついていたジェネビーブにひたすら、許してと哀願するなんとも素晴らしい曲。

 

17.Spread Your Wings / Queen (4:37)

 10.と同じアルバムより。邦題「永遠の翼」。曲調が夕方なのは言うまでもないが、歌詞が実に泣ける。エメラルドバーでボスにこき使われるサミーは運にも見放され苦労ばかりしてきた男。しかし、サミーは決意し、もっと広い世界で生きていくんだとボスに告げる。「いいか、よく聞け。まともな志もなしに大したことはできやしない」とボスにバカにされる。そのサミーに向かって「飛びたて、君は自由な人間なのだから。どこまでも飛び立つんだ」とQueenが後押しする。ライブでは観客とともに大合唱の名曲だ。

 

18.Listen To What The Man Said / Wings (4:01)

 3.と同じアルバムで、次の19.と切れ目なくつながっている曲。実に爽やかな曲で、夏の海辺で夕方に聴いたら実に気持ちいいだろうなと

思わせる曲。

 

19.Treat Her Gently~Lonely Old People / Wings (4:24)

 昔、NHKで夕方に少年ドラマを放送していたのだけど、そのシリーズのドラマでこの曲がオープニングに使われていた。なんて言ったっけな?それはともかくこの曲は、聴いた人の耳を魅了してやまないであろう。そして、若い頃の懐かしい夕方のなんとも言えないあのけだるい時間に自然と心が動くはずだ。夕方ここに極まれりの名曲中の名曲。このCDのハイライトと言える曲。

 

20.Citizen Of The Planet / Simon&Garfunkel (3:14)

 2004年発表のサイモン&ガーファンクルの再々結成ライブの模様を納めた「オールド・フレンズ」というライブアルバムの最期にボーナストラックとして入っていたスタジオ盤。コーラスとメロディの絡み具合が絶品で大きな山や谷があるわけじゃないのに、カタルシスをもたらしてくれる不思議な曲。さすがサイモン&ガーファンクルという一曲。

 

 

 

 昔、FMシアターでは海外文学をラジオドラマ化するシリーズを1カ月くらいやってた時期があった。海外といってもなかなか馴染みの薄い海外で例えばこんな感じでシリーズ化されて放送されていた。

 

2002年 中東の現代文学

2003年 ロシア・ユーラシアの現代文学

2004年 ベトナムの現代文学

2005年 南アフリカの現代文学

2006年 ドイツの現代文学

2007年 カリブの現代文学

2008年 スペインの現代文学

2009年 北欧の現代文学

 

 有名なものもあったのだろうけど、基本、どこから持ってきたのだろう?と思わせる作品をラジオドラマ化していて、これがまた、その国の情勢を教えてくれ、国民性を深く掘って表現した作品が多かったように思う。また、復活してくれんかなぁ。

 

 そう言った意味で、海外文学として聴いてみたいなぁと昔から思っているのが、有名な作品だけど、アフリカのエイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」。「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒のみだった」という出だしから始まるやし酒を飲むことしか能のない男が経験する「死者の町」へ旅に出る幻想的でハチャメチャな物語。ラジオドラマにするにはうってつけのお話だと思うが、どうだろう?

 

 で、「通い猫アルフィーの奇跡」。これも海外の作品だ。イギリスの作家、レイチェル・ウェルズの作品だ。

 通い猫とは飼い主を亡くしてしまった猫が食い扶持を維持するために、特定の家ではなく、何件かの家の飼い猫となって、いろいろな家に通いながら生きていく猫のことを言う。この設定がいいですな。

 

 アルフィーが通う家の人々は、孤独ながらも魅力的な人々で、その人達とだんだん心を通わせながら、孤独な男女を引き合わせていくというハートウォーミングなお話し。

 

 途中、通い先の孤独な人たちが異性と付き合い始め、本人は幸せになろうとしているのに、アルフィーからみると、独りでいるときより窮屈になっているようにしか見えないというようなセリフがある。これは上手いなぁと思ってしまった。また、通っている4つの家に共通するのは「寂しさ」だと言う。猫を飼う人の心理とそこに飼われている猫という位置をうまく反映したセリフである。

 

 猫はどこか醒めている。そして、犬より自由だ。それが猫を主人公に押し上げる大きな理由だろう。猫が主人公なんだけど、描かれるのは、人間の自由、寂しさ、愚かさ、醜さ。表には現れないものを猫は見るのだ。いや、猫だけが見れるのだ。

 

 今回、孤独な女性クレア役に片岡礼子さんが出演されているのですが、彼女の声はいいですな。クレアの寂しさや哀しさ、可愛さや愚かさが、より身近に自然に感じるというか。。2年に1回くらいFMシアターに出演されてますが、もっと出演していただきたいものです。

 

 このお話しでも出てたけど、私も以前、猫にねずみの死骸の付け届けをされたことがあります。あれはビックリしたなぁ、本当に。

 

「通い猫アルフィーの奇跡」

【放送日】2018年1月27日(土)  午後10時~午後10時50分

【原作】レイチェル・ウェルズ

【訳】中西和美

【脚色】石原理恵子

【演出】真銅健嗣

【出演】菅沼久義,片岡礼子,瓜生和成,茅島成美,蟹江一平,山田キヌヲほか

http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2018003.html

 

すみません、初回登録時「奇跡」を「軌跡」としておりました。大変、失礼いたしました。

ドラマの出だしの源太のセリフが良い。

 

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漁師の朝は早い。昇ったばかりの太陽が、波をキラキラと輝かせている。僕らが目指すのは、昆布がいーっぱいいるところ。

 

夏、この海は真っ白な霧で包まれる。冷たい海が夏の暖かい風を冷やして、霧が沸き上がるんだ。北海道の東にある僕らの町では、海に霧と書いて海霧(じり)って呼んでる。この海霧の中で船をかっ飛ばす父ちゃんはかっこいい。

 

父ちゃんはたった2時間で3トンの昆布をとる。こっからが漁師の腕の見せ所。どこを狙えば昆布がかかるか、父ちゃんが目を光らせる。

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 源太は小学校6年生、かっこいい父ちゃんに憧れて、漁師になりたい。この下りのあと、父ちゃんに竿を借りて昆布をとろうとするも失敗し、大事な竿を海に落としてしまい大目玉を喰らってしまう。

 漁師になりたい気持ちと、それに引きかえうまくいかない自分と、漁師ならなくてもいいという周りの声とが相まって、源太は大いに悩み、次第に成長していくお話しだ。

 

 出だしの部分で、主人公のいる景色をありありと脳内に浮かび上がらせる手法をとっているが、今回のドラマは主人公の源太が、「昆布節」にのって「昆布踊り」が踊れるか?という、目で見れば一発で分かるものをラジオドラマで再現しているというとてもチャレンジな作品だ。

 

 きっとこれはとても難しいと思うのだけど、踊りに決めのポーズを作り、竿が床に落ちてるか落ちてないか、その一点に成否がかかることにより、ありありと目の前で、源太が踊る姿が浮かぶものになった。

 

 最後に踊り切った源太のどうだ!という顔が浮かぶのである。

 

 しかし、昆布漁って、昆布のある所を探して漁に行くのですね。昆布だから岩から生えているので、漁ができる場所って決まっているんじゃないかと勝手に思っていたのですが、魚の漁と同じように(?)勘が大事ということでしょうか。

 

 で、劇中に出てくる昆布節って、実際にあるのかと思って探してみたら、これ番組オリジナルなんですね。

 そう言った意味でも今回のラジオドラマはとても意欲的でチャレンジスピリットに溢れる作品でした。

 

「飛べ!昆布ステップジャンプ」

【放送日】2018年1月20日(土)  午後10時~午後10時50分

【作】藤井香織

【出演】山崎智史、納谷真大、阿知波悟美ほか

【昆布節の音楽】日高哲英

http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2018002.html

 

 「ばっちゃんの親子丼」というタイトルを聞いて、確かNHKで過去にこのような内容のドキュエンタリー、放送してなかったけな?というのを思いだし、ネットで探してみると、2017年1月7日に「ばっちゃん~子供たちが立ち直る居場所~」というタイトルで放送されていた。去年だったっけなぁ?もっと前に見たような気もするのだけど。。。

 

 今回のドラマはこのお話が元になっていると思われる。だからといってオリジナリティがないなんてことはなく、主人公の卓也の気持ちの軌跡は、ラジオドラマ界で大活躍中の脚本家、北阪昌人さんならではの切ないものだ。

 

 例えば卓也が呟くキーワード、「どうでもいい」という言葉、何か自分にとって嫌なことや不利な状況が訪れたとき、卓也はこの言葉を呟く。それは「嫌だ!」でもないし、「どうにかしなくちゃ!」でもない。「どうでもいい」という言葉だけで自分の気持ちが表現されるのだ。

 これは卓也の状況がそうなのだ。母親から毎日500円だけ渡され、学校にも通っておらず、家の中はごみ屋敷。どうでもいい。

 また卓也は、小さい頃、これが本当の自分の人生だとは思えず、本当の親は、どこかで自分を探しているに違いないと思っていた。たまたまこうなっただけ。本当は違う。だからこんな人生、どうでもいい。

 

 最後、卓也は全てを解決するために、大変な事件を起こしてしまうのだけど、善悪や社会常識とは関係なく、卓也にとってあの事件はどうしても必要だったのだ。やらなくてはならない儀式だったのだ。きっと、この後、卓也は「どうでもいい」という言葉ではない語彙を獲得していくはずだ。人間、やはり、言葉が大事、それを思わせてくれたお話でした。言葉を知り、実際使ってみるということは、それだけで人生を豊かにしてくれることなのだ。

 

 さて、このばっちゃんのモデルになった方は、広島基町にいらっしゃる中元忠子さんという83歳のばっちゃんで、実際、行き場のない子どもたちのため、40年にわたって自宅を開放し、毎日無償で手料理を振る舞い続けられてきたそうです。最初は1980年に知り合いの警察官から、「保護司」をしてみないかと勧められたのがきっかけとか。

 保護司とは、犯罪や非行をした少年に生活上の助言や就労の援助・指導などを行い、その立ち直りを助ける地域ボランティアのことだそうです、それ以来、ずっと続けられたそうです。こちらの動画にインタビュー映像が出てますので、どうぞご覧下さい。

 

 

 「どうでもいい」、この言葉で自分を表現しない人生を、子供たちには目指してほしいと願わずにはおれない一本です。新年早々、よいラジオドラマでした。

 

「ばっちゃんの親子丼」

【放送日】2018年1月13日(土)  午後10時~午後10時50分

【作】北阪昌人

【出演】森川航、岩本多代、杉本湖凜、藤井太樹、興津正太郎

【音楽】小林洋平

http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2018001.html