ロンドンのタクシー運転手
脳について書いてある初心者向けの本を読んでいると、何度か、ロンドンのタクシー運転手の例が出てくる。ロンドンのタクシー運転手の脳を他の人と比べたところ、海馬の灰白質の体積が違うという事のようだ。以下引用(自己啓発セミナーで教えてもらった本『デジタル脳クライシス』酒井邦嘉著p190,p191)「イギリスの首都ロンドンには、・・・2万5千もの道路が縦横無尽に張り巡らされています。川幅の広いテムズ川や広大な公園、宮殿やさまざまな歴史的建造物の間を結ぶ複数のルートがあり、道路が「碁盤の目」に広がる街並みとは対極です。ロンドンで公認のタクシー運転手になるには、地図も見ずに目的地へたどり着けるほどの知識と熟練が要求され、タクシー免許の取得には3~4年もかかるそうです。イギリスの神経科学者エレノア・マグワイアらは、16人のタクシー運転手の脳画像をMRIで撮影して、海馬で神経細胞体が分布する「灰白質」の体積を比較しました。比較の対象とした対照群は、50人の一般人です。その結果、タクシー運転手の海馬は一般の人よりも明らかに大きいことがわかりました。海馬の断面積で見ると、統計的な優位差があったのは、海馬の後部の領域で、前部ではその傾向が逆転していました。海馬の働きは、~脳の中でも記憶の記銘や想起と関係のある領域です。~タクシー運転手の海馬では、地図の記銘よりルートの想起に対する働きが特異的だと考えれば、統一的に理解することができます。」車の運転自体が苦手なので車の運転を通して脳を鍛えることはむつかしいかもしれないが、日常の生活にもルート想起などを積極的に取り入れることで、脳トレをすることができるかもしれない。先日、地元の市電の路線図を経路ごとに書き出していくという事を頑張ってみた。この書き出した路線図がタクシー運転手の頭の中の地図のような役割をしてくれないかなあと期待している。