インドでは二重変異株が発見され、この変異が大流行を引き起こしているという。二重変異とはなにか、日本でも起こり得るか、

 

日刊ゲンダイでのコメントを以下に引用します。

 

新型コロナウイルスワクチンの接種が世界で進む一方、新規感染者数が再び急増し、過去最多の76万人ペースに膨れ上がっている。すさまじいのが世界2位の人口13億人を抱えるインド。1日あたりの感染者は27万人に上り、累計感染者は1500万人を超えた。要因とされる「二重変異株」は各地で出現する可能性があり、日本も対岸の火事ではいられない。 東京五輪へ“Wパンチ”!7~8月にコロナ変異株と季節性流行が猛威と専門家が警鐘  

二重変異株は、ひとつのウイルス内の重要部分に2つの変異株の特徴を併せ持つ。インドでは3月末に確認され、前後して感染が再拡大。WHO(世界保健機関)によると、特異な突然変異が見られることから感染力が強まり、中和作用の低下を引き起こす可能性がある。「アジアと北米で報告されている」とも指摘しており、インド保健当局も「この変異株は免疫防御機能を回避したり、感染率が高くなったりする」との声明を発表した。  ヒンズー教徒が人口の約8割を占めるインドでは3月下旬以降、国民的宗教行事が各地で開催された。人々がマスクをせずに密集・密接したのが、二重変異株出現の引き金となったのか。

 

ハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏(元WHO専門委員)はこう言う。 「RNA(リボ核酸)と呼ばれる遺伝情報を持つ新型コロナウイルスは、ヒトなどの細胞に入り込んでRNAを複製して増殖するのですが、ある一定の確率でコピーミスをすると変異が起きる。ですから、流行が大きければ大きいほど、新たな変異ウイルスが発生する。報告されているだけでも数百以上に上ります。変異がひとつだけのこともあれば、複数の場合もあり、インドで確認された二重変異株のようなケースはいくらでも起こり得る。三重、四重の変異株が出現する可能性もあります。新たな変異によって感染力が強まったのか、重症化を引き起こしやすいのか、ワクチンが効きにくいのか。こうした点が重要です」  

インドでは、夜間や週末の外出を禁止するなど感染拡大防止策を強化しているが、ひとつのベッドを2人で利用しても感染者を収容できないほど医療提供体制が逼迫している。第4波の真っただ中の日本も、感染爆発に発展すれば二重変異株の出現リスクは増す。国内発の変異ウイルスの脅威にさらされるのも時間の問題なのか。

 

これまでイギリス型、南アフリカ型、ブラジル型に続きさまざまな変異種が登場、その都度、感染力、重症化、死亡率、ワクチンの有効性などの点から注目を集めてきましたが、ここへ来てカリフォルニア型は日本人に感染しやすいのではという研究報告が出ました。

 

どうなのでしょう? 以下に日刊ゲンダイでのコメントを引用します。

 

日本人の6割が感染……

東大の研究チームが解析

カリフォルニア由来の変異種「L452R」はどこまで危険

 

 日本人の6割が感染――。米カリフォルニア州由来の新型コロナ変異種の解析結果が発表されてニュースになっている。

 カリフォルニアでは感染力が強いといわれる変異種が発見されている。今回、東大や熊本大など研究チームが解析したのは表面の突起に「L452R」という変異を持つコロナウイルスで、3月中旬の時点でカリフォルニアの感染者の56%を占めていた。日本ではすでに3月、沖縄県で1例見つかっている。

 東大などのチームが着目したのは「HLA(ヒト白血球抗原)」だった。これは白血球の血液型と呼ばれるもので、細胞実験の結果、その一種である白血球「HLA―A24」がL452R変異に対して免疫力が弱いことが分かったというのだ。実はこのHLA―A24は日本人の6割が持つ。そのことから、「日本人の6割が免疫効果が低くなる可能性がある」というのである。

 現時点で、L452Rの日本への侵入は沖縄の1例だけだが、これが日本中に広がったらと心配になってしまう。専門家はどう見ているのか。

 「一口にHLAと言ってもたくさん種類があるのです」と解説するのはハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)だ。

 「HLAは数万種類あります。今回はそのうちのHLA―A24がL452Rに対して免疫力が弱いことが明らかになったわけですが、これはまだ試験管の中の細胞実験の段階。人間の体の中でどんな反応が起きるかは分かっていません。新型コロナウイルスが侵入しても、HLA―A24以外の数多くの抗原が感染を防ぐ可能性もあります。もちろん、逆に感染力が高まる可能性もあるでしょうが、単純に日本人の6割が感染リスクが高まるということはありえません」

 今回の発表ではL452Rによってワクチンの効果が下がる可能性も示唆されている。

 「感染力とワクチンは別問題なので、ワクチンが効かなくなるとは断定できません。ただ、感染力が高まる可能性もあるかぎり、L452Rが国内に広まらないよう、これまで以上の十分な注意が必要。同時にワクチンの効果についても慎重に調べなければなりません」(左門新氏)

 変異種との戦いはまだまだ続く。

 

新型コロナ感染症の流行は第4波に突入した感があり、まん延防止等重点措置(マンボウ)の東京、京都、沖縄への適用が決定されましたが、一方でオリンピックに向けて建設された警察官宿舎を急遽新型コロナ患者受け入れ用に改修したものの、一度も使用されないまま、また警察官宿舎用への再改修が行われます。一体どういうことでしょう?

 

日刊ゲンダイでのほとんどが割愛されたこの点への私のコメントを引用します。

 

=改修・再改修で48億円◎都民が第4波におびえる中

警察官宿舎 本当に再改修していいのか=生命よりも五輪優先

 

「元に戻す必要があるのか」と批判を浴びているのが、東京五輪警備の警察官が使う臨時宿舎の再改修だ。この案件、基を正せば言い出しっぺは安倍前首相だった。

「改修して800名規模で軽症者を受け入れる施設を整備する」

 安倍がそう表明したのは昨年4月7日。初の緊急事態宣言を発令した記者会見の冒頭だった。安倍の鶴の一声で、警察庁は全国から動員される警官のため、江東区や江戸川区など4カ所に作られた宿舎を全面改修。約37億円をかけ、大部屋に間仕切りを設けて個室化し、フロアごとにトイレや洗面台も新設した。看護師の常駐用の部屋やナースコールなども設置し、4月末には約40棟、770室を軽症者が使えるように整備した。

 ところが、東京都は一度も使ってくれない。廊下は狭く、動線確保が難しい宿舎に対し、部屋ごとにトイレがあるなど住環境充実のホテルを優先させた結果だが、宿舎は棚ざらし。五輪開催が近づいたため、さらに11億円かけて再改修し、元の姿に戻すというのだ。

「責任者のアベは出てこい!」と言いたくなるが、総工費は48億円に積み上がり、工事はすでに開始。この愚行に「今後、感染者が増えてホテルが足りなくなったら、どうするのか」「簡単に改修してまた戻してというのは、正しい判断なのか」と疑問の声が上がっている。

 小池知事はきのう(8日)、国に「まん延防止等重点措置」を要請。都内のホテルなどで宿泊療養中の軽症者数は7日には818人に上り、先月6日の409人から1カ月で倍増した。せっかくの療養施設を五輪の犠牲にしていいのか。

「これから感染力が1・7倍の英国型変異種などがまん延し、爆発的感染が起きる可能性は十分にあり得ます。軽症者を全員ホテルに収容しきれなくなる事態は容易に想像がつきます。また、重症患者の症状が改善しても引受先がないため、ベッドをふさぎ、他の患者が入院できないケースも起きています。万一に備えて宿舎を軽症者用に維持して欲しいのは、都民と医療従事者が願うところです」(ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏=元WHO専門委員)

 そんなに五輪に必要なら、再改修費の11億円を充てればそれなりの新宿舎は作れそうだが……。

 

左門 新著「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)、ネット、書店で発売中です。

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 聖火リレーが始まり、福島県から全国各地へと4か月かけて聖火ランナーによって引き継がれていきます。折しも新型コロナ感染症の第4波が懸念され、聖火リレーの声援で感染が拡大するのではと心配する声も聞かれます。どうなのでしょうか。この感染症は基本、飛沫感染と接触感染なので、これへの対処をしっかり行えば、まず心配ないでしょう。

以下日刊ゲンダイでのコメントを引用します。

 

組織委ピリピリも実は意外と低リスク

沿道感染

これさえ守れば防げる

 

 福島県からスタートした聖火リレーのランナーはきのう(28日)、栃木県を走行した。沿道での一般観客の応援を受け入れながら、大会組織委員会は新型コロナウイルスの感染にピリピリ。「住んでいる都道府県以外での観覧を控える」「拍手だけで応援を」などと呼びかけている。

 組織委は「密集」について「多くの観客が肩を触れ合う程度に密接」「十分な間隔を空けず複数列に重なり合う」と定義づけ、解消されない場合はその区間の走行取りやめも検討する。

 そんなに不安なら「リレーをやめたら」と言いたくなるが、沿道は屋外のオープンスペース。屋内との感染リスクは大いに異なる。ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)はこう指摘する。

「沿道は屋内と違って密閉状態ではないので、『3密』にはなりません。そのため、クラスター感染が起きにくい。飛沫感染、接触感染の危険性はありますが、注意をすれば大丈夫。誰かと対面で話す場合は互いにマスクを着け、距離を50㌢ほど空けること。目の前の人の背中とは50㌢空ける。ただ、洋服の背中にウイルスがついても、感染リスクはそれほど高くありません」

 他人から渡された日の丸の旗や、関係者が配ったタオルなどは接触感染の心配があるので、受け取らない方が懸命だ。沿道のガードレールに手をついたり、腰かける人も見かけるが、ウイルスが付着している可能性もあるので触れない方がいい。電柱などに設置された信号のボタンも同様だ。こうした器物に触れたら、他人や自分が感染しないよう、すぐに持参しているアルコール消毒スプレーで手指を殺菌するべし。

「問題は風が吹いている日です。そよ風でもウイルスを含む飛沫を遠くまで運ぶことがあるため、必ずマスクを着用してください。大声を出すのも要注意。唾液と呼気が混ざり合ってエアロゾルが生成され、空中に数分間漂って数㍍以上移動し、感染を起こしかねません。たとえ、マスクをしていても絶対に大声を上げて応援するのは避けてください」(左門新氏)

 これらを守れば安心して応援できるが、それでも不安なら組織委はリレーを中止すべきだ。

 すっかり定着してしまったマスク生活ですが、肌荒れや口呼吸などで健康への悪影響も少なくありません。4月5日刊行予定の拙著「元WHO専門委員の感染予防BOOK」

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でも解説しましたが、他人と1.5m以内で面と向かっていなければ、マスクは必要ありません。私は「マスク警察」に捕まるのが嫌なので、電車内ではマスクを付けますが、いつまでこんな生活が続くのでしょうか。

日刊ゲンダイでコメントしましたので、以下に引用します。

 

英国の研究者は「あと数年」と分析

■日本のマスク着用

◎「まだ5年続く」との見方

 ワクチン接種が進むまで、英国ではマスク着用が「あと数年間は必要」ー。英国の新型コロナワクチンの接種責任者、メアリー・ラムジー博士の見解だ。麻生副総理が「いつになったらマスクを外せるのか。記者なら知ってるだろ」と発言して物議をかもしたが、英国で数年なら日本の「マスク社会」はいつまで続くのか。麻生ならずとも気になるところだ。

 ただでさえ、日本のワクチン接種は世界に出遅れている。みずほ総研は集団免疫獲得の目安とされる全人口の7割の接種終了時期を「来年3~6月頃」と試算。政府目標から大幅に後ズレしても、1年後にはマスクから解放されるのか。

「かなり難しいと言わざるを得ません」と言うのは、ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)だ。新型コロナの集団免疫獲得理論が達成されるには時間がかかる。集団免疫を実現した国はまだないのが現実だ。仮に集団免疫を獲得しても問題がある、と左門氏はこう続ける。

「まず心配なのが変異種です。南アフリカ型のようなワクチンが効きにくい変異種が発生したら、新たなワクチンを開発しなければならない。その間、マスクは手放せません。また、ワクチン接種後も抗体の有効期間はまだ分かっていない。期間が短く、定期的に接種が必要な状態が続けば、不安感からマスクを着用せざるを得ません」

 人に感染する7種のコロナウイルスのうちSARSとMERSは撲滅。新型コロナを除いた残り4種は人の集団に潜み、今も流行を繰り返す。新型コロナも同タイプになることが考えられ、撲滅は難しい。一部の専門家の「治療薬ができればマスクを外せる」との見解もナンセンス。どんなに優れた治療薬が開発されても、感染者がゼロにならない限り、マスクは不可欠だ。

「ウイルスは死亡率が高いと患者と共に死滅するが、新型コロナにそこまでの死亡率はない。だから日本などは厳しい対策を取れず、ずっとウイルスが生き残る可能性はある。私は日本人がマスクを手放すまで少なくとも、あと5年以上かかると思います」(左門新氏)

 花粉症対策でも分かるように日本人は欧米と比べてマスクへの抵抗感が薄い。マスク嫌いの麻生には、まだまだ息苦しい日々が続きそうだ。