新型コロナワクチンの接種が間もなく始まります。大きな期待が寄せられており、流行対策としてかなり希望が持てると思いますが、懸念も全くないわけではありません。市民の間には期待と同じくらいの懸念もないわけではなく、その辺、日刊ゲンダイでコメントした記事の引用です。
日本人の3割が恐れる「副反応」の実態
=まるでロシアンルーレット
新型コロナウイルスのワクチンが米ファイザー社や英アストラゼネカなどから発表され、日本も大量購入することが決まっている。気になるのは日本人の警戒心だ。スイスの民間機関「世界経済フォーラム」の調査によると、日本人でコロナワクチンの接種に同意すると答えたのは69%。3割以上の人が接種に及び腰なのだ。その理由の多くが「副反応」だろう。
米科学誌「サイエンス」は先月18日、「mRNA」を使った米モデルナ社のワクチンの治験に参加した人の副反応に関する記事を掲載。43歳の人は、接種部位がガチョウの卵大に腫れあがり、40度近い高熱が出たという。同社の中間分析では、倦怠感(9・7%)、筋肉痛(8・9%)、関節痛(5・2%)など「重度」の副反応が報告されている。
ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)によると、従来のワクチンのほとんどが副反応を起こしてきたそうだ。
「1番多いのは、注射した部位が赤くなる『発赤』と赤い斑点になる『紅斑』、それに『腫れ』で、それぞれ10~30%の確率で起きます。発熱や倦怠感、食欲不振は10~20%。加えて呼吸困難や痙攣、歩行困難、視力の低下、目の痛み、下痢、腹痛など症状はさまざま。血圧低下や意識障害を起こす『アナフィラキシー症候群』と、手足の麻痺などの神経障害を伴う『ギランバレー症候群』は10万人に1人程度が発症します。このほか、脳と脊髄が炎症を起こす『脳脊髄炎』は症状が長引くこともある。これらの症状はインフルエンザをはじめ、あらゆるワクチンで発生します」
ほかにも白目が黄色くなる黄疸や体が極端にだるくなる「肝機能障害」の症状は治るのに2~3週間かかる。血小板が減少し、出血で体のあちこちが紫に変色する『紫斑病』も副反応の一種。リンパ節の腫大は1~2%の確率で起きている。
麻しん(はしか)のワクチンは熱が出る確率が20%。結核予防のBCGでは100万人に48人がリンパ節が腫れ、24人が皮膚に「結核」の病変が現れた。おたふく風邪は接種した人の0・05%が「髄膜炎」で意識障害などに。脳が炎症を起こしているため、異常行動に出ることもあるそうだ。
ポリオは以前、子供たちが生ワクチンを口から飲んでいたが、ワクチンのウイルスが腸で増殖。便となって排出され、他の子どもにポリオを感染させる懸念が生じた。そのため、2012年に中止。今は不活化ワクチンを使っている。
「こうしたワクチンの副反応はどんな人に、なぜ起きるのかが分かっていません。健康な人も危ないのです。だから3割もの人がワクチンを敬遠しているのでしょう。ただし、ワクチン接種で副反応を起こすより、接種を拒否して死亡する確率のほうが高いと思われます」(左門新氏)
まるでロシアンルーレットの副反応を恐れるより、ワクチンを受けた方が安全かもしれない。