昨日、先週の月曜日に撮影したSaluafata小学校での体育の授業の
様子が、サモアのTV-１でようやく全国放送された。この全国放送に
いたるまでの道のりが、結構起伏に富んでいて、サモアらしいのでご
紹介したいと思う。
事の発端は９月の１８日、MESCで体育のオフィサーのツッシーと、
我々ボランティアの体育部会が、今後の予定について話し合いを
持ったことから始まる。
この時に、ツッシーの方から「体育のテレビ放送があるので、授業
をやってもらえないか?」と持ちかけられたのがきっかけである。
その時に見せてもらった、ビデオの撮影予定表。
このツッシーの呼びかけに応えたのが、Saoluafata小学校に勤務す
るEさんなのである。この時は、まだ校長先生の許可を得ていないと
いうことで、後日許可を得てから詳しいに予定などを連絡するという
ことで話は落ち着いていた。
それから、日時が経過し、ビデオ撮影の予定の前の週に、Eさんから
私に連絡が入った。「ビデオ撮影の予定の連絡がまだ来ないが、どう
なっているか確認してほしい」とのことである。
その週は、ツッシーも忙しいようで、なかなかつかまらなかったのだが
やっとツッシーに会えて確認したところ、「ビデオ撮影は１０月１９日の
月曜日に行い、最終確認はツッシーから校長先生に電話で連絡する」
とのことであった。しかし、この確認が取れたのが、１６日（金）曜日の
午後、既に学校が終わっている時間だった。
一応、ツッシーから聞いた内容をEさんに連絡したのだが、月曜日の
詳しい時間については、結局わからないままで、いつも通りの時間に
事務所に来たら、私をピックアップしてくれるとのことだった。
というわけで、撮影が１０月１９日（月）に行われた。この日の内容は
「TVの全国放送？！」をご覧いただきたい。
さて、撮影は無事に終了したのだが、このビデオの放映は２１日（水)
朝、9：30から放送されると聞いていた。平日の勤務時間帯なので、
私は見ることができないと思っていたのだが、当然予定通り放送さ
れると思っていた。
ところが、その日Eさんから「算数の放送はあったけど体育の放送
は、カットされていた。どうなっているんでしょう？」と連絡があった。
その日もツッシーは外に出かけていたので、算数の放送を担当した
リオさんに聞いてい見たら、「まだ編集が終わってないんだろう、
きっと金曜日か来週の水曜日に放送されるよ」と教えてくれた。
次の日、ツッシーが来たので、「昨日、放送されなかった。いつ放送
されるかメディア担当に聞いてほしい。」と頼んだら、「本当か？わ
かった、あとで聞いておく」と放送されなかったことを知らなかったよ
うだ。
メディア担当に聞きに行ってくれるのを待っていたのだが、一向に
聞きに行く様子が感じられない。仕方がないので自分でメディア担
当の部署に言って聞く事に…。
MESC内の違う棟の１階にメディア担当の部署はある。今までに一
度も入ったことのない所である。中に入ると、ビデオを撮影したスタ
ッフがいたので、「体育の授業の放送はいつやるの？」と聞いてみ
たら、「今、編集中。土曜日に放送されるよ」と教えてくれた。パソコ
ンを覗くと、確かに体育のビデオを編集しているところだった。つい
でに「そのビデオ、編集終ったら、もらえないですか？」と聞いたら、
あっさり「いいよ」とのこと。頼んでみるものである。
ということで、直接の担当者に土曜日に放送されると聞き、ちょうど
ドミで機関誌の編集会議があったので、ドミで放送を見ることに。
毎週9：30から教育番組が放送されている。15分で1教科、10:00 まで
２教科放送される予定である。ドミのテレビでほかの隊員たちと放送
を待っていた。
最初は、サモア語の授業の様子。サモア人の先生が淀みなくサモア
語で授業を進めていく様子が映し出されていく。
9：45分、さあ、体育かと思ったら、なんと英語の授業が始まった。ドミ
の隊員の中に、不安な空気が漂う。私も、「また、すかされた」と正直
思ってしまった。
10：00から機関誌の編集会議だったので、あきらめてそちらに行きか
けた時、突然放送は開始された。
Eさんのサモア全国デビューの瞬間である。5・6年生のドッジボール
の授業。
ドミにいただいたいの人がテレビの前に集合。
後ろにいた人たちも、みんなテレビに釘付け。
授業者のEさんは、余裕で寝ながらの視聴。やっと放映されて満足
した様子であった。
日本だと、例えばNHKで放送する内容が変更になったら、結構大き
な話題になるだろう。ところが、サモアでは、出演する側でさえ放送
内容の変更を知ることができない。
また、放送内容の事前のチェックさえできない。体育の授業なので
先生方に伝えたいポイントなども、放送されるかどうかは事前にわ
からないのである。
まあ、最初だから仕方のない所もあるが、もしまた機会があるなら
編集者に、事前に要点を伝えることも必要なことが分かった。
ともあれ、日本ではローカル番組であっても、こんな経験はできな
いだろう。サモアでは積極的な意識があれば、こんな挑戦もでき
ることがわかった。
我々だけでなく、これから来る新しい隊員にも、授業方法を広め
る方法としてこんなやり方もあると伝えていくことが大切だと思っ
た。