勝率9割の株式投資-47(市場の効率性) | ”企業に眠る宝の山”発掘プロジェクト
新型コロナウイルスに関する情報について

”企業に眠る宝の山”発掘プロジェクト

新しいデータ分析手法で経営課題や悩みを解決する【オフィス創発企画】オフィシャルブログ

真鍋淑郎博士、2021年度のノーベル物理学賞受賞おめでとうございます!

 

またもや日本人(ただし米国籍なのでチョッピリ残念ですが)の快挙ですね。

 

今年の物理学賞は、複雑系における画期的な貢献を評価し、従来にない驚きの物理学賞選考になりました。

 

これからは複雑系という言葉が大手を振って歩けそうです。

 

 

真鍋さん(米国プリンストン大学)とKlaus Hasselmann 氏(ドイツマックスプランク研究所)は「地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績」により、またGiorgio Parisi 氏(イタリアローマ・ラ・サピエンツァ大学)は「原子スケールから天体スケールまでの物理系における無秩序と揺らぎの関連の発見」に対してです。

 

真鍋さんの業績は、地球温暖化が待ったなしの状況にある中、地球温暖化の高信頼予測を可能にしたモデル化が決め手でした。そのモデル化は、今日のように温暖化が声高に叫ばれる遥か以前に、いわば単なる興味で始めた研究でした。

 

そして現在は天気予報の長期予報にも使われているとのことで、非常に身近な存在です。

 

また、フランスのパリの地下鉄の壁には、真鍋さんのモデル式がデザインされています。素晴らしい!

 

 

銘柄1357は先週予告通り、予算の半分だけ買って様子見です。とりあえず7%だけプラスですが、予断はできません。何せ怖い銘柄なので・・。

 

<図1>

 

 

さて、本題です。

 

『ウォール街のランダム・ウォーカー』 

 

著者はバートン・マルキールというアメリカの経済学者で、初版以来なんと45年以上に亘って改訂版が出され、延べ150万部以上が売れている超ロングセラー本で、最新は2018年の第12版になっています。


私はこの最新版(今年6月に買った)と、2002年版(初版以来30年以上経った、とあります)の2冊を持っています。あ、もちろん日本語訳です。

 

バブルの分析に多くのページを割いており、最新版では仮想通貨バブルも分析しています。非常に面白いのですが省略します。

 

 

版が進むにつれて経済学の新しい研究成果を取り入れているので少しずつ内容は違いますが、初版以来、結論は一貫しています。

 

個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと持っている方が、遥かに良い結果を生む

(引用)

 

ということです.。さらに、「45年経って、益々確信するに至った」、とあります。

 

 

マルキールは初版で「インデックス・ファンド」という新しい概念を提唱しました。

 

その初版で、「目隠しをしたチンパンジーに新聞の株式相場欄にダーツを投げさせて選んだポートフォリオでも、プロが選んだ銘柄のポートフォリオと同じようなパフォーマンスがあげられる。」と豪語したことで有名です。

 

初版発売直後に、バンガード社からS&P500連動のインデックス・ファンドが発売されました。以降のインデックス・ファンドの隆盛は目を見張るものがあります。

 

 

マルキール曰く

1)巷には株式投資に関する出版物に溢れているが、本当のところを教えてくれる教科書が存在しない。そのためこの本を出し続けている。

 

2)長期的な運用成績を比較すると、アクティブ・ファンドの2/3以上がインデックス・ファンドより劣っていた。

 

3)多くのテクニカル手法を調査したが、テクニカル手法は理論的に間違っているし、インデクスファンドのバイ・アンド・ホールドを上回るパフォーマンスは得られない。

 

4)ファンダメンタルズ分析による運用機関のパフォーマンスも、例外は存在するが総じてインデクスファンドのバイ・アンド・ホールドを上回るパフォーマンスを上げてきた科学的根拠は発見されていない。

 

5)全てがインデックスファンドになってしまう心配はないから、安心して買って良い。

 

などなど・・。

 

 

学者なので膨大なデータを分析してこの結論を得たということであり、非常に説得力があります。

 

 

この本からヒントを得たこと、それは市場の効率性です。

 

マルキールは効率的市場仮説信奉者です。ますます声高に現在もそれを主張していることに新鮮な驚きを覚えました。

 

 

 

実は、私は自己矛盾に陥っていました。

 

効率的市場仮説というのは、1960年代の初めにユージン・ファーマによって提唱されたもので、市場参加者は必要な全ての情報を知っており、全員が経済合理的な判断をする、という前提の下に構築されたものです。

 

しかし、その後マンデルブロのフラクタル研究や多くの行動ファイナンス研究から、その前提は間違っていることが明らかになりました。投資家はそれぞれ限られた情報に基づいて行動しているため、合理的な判断はできません。

 

要は、皆、独りよがりの適当な判断をしている、ということです。これでは市場は効率的とは言えない・・

 

 

一方、私は複雑系の視点で株価データを分析して、勝率9割の株式投資手法にたどり着いたのです。ファンダメンタルズ情報に一切頼らずに、株価情報だけから売買を判断(下記ブログを参照)するためには、

市場は効率的である・・・。  が大前提です。

 


 

すっきりしない状況が長く続いていました。

 

 

ようやくこの矛盾が解消したのは、この本の2冊目、最新版を読んでからです。そう、今年7月初めでした。マルキールは相変わらずマンデルブロについて一切言及をしていません。

 

マルキールが、マンデルブロのことも複雑系のことも知らない訳がありません。しかしそのことは一切文面には出てきません。

 

ということは、マルキールの言う効率的市場仮説は、マンデルブロの言い分を(いやいやながら)認めた上で、市場はやはり効率的、ということを主張しているのではないか?

 

そう考えると、ようやく、市場の「複雑性」と「効率性」は両立する、という私流の解釈に落ち着きました。

 

というわけで、この本は私の大切な指導書になりました。

 

 

しかし、

 

私がマルキールに異を唱えたいことがあります!

 

次回はマルキールへの反論です。