「幸せになってほしくない」女子大生刺殺・西光勝の異様な支配欲 | トリップちゃんねる

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去年の5月18日、大阪府のマンションで関西外語大学に通う渡邉華蓮さん(19)の遺体が見つかった。


 

● 50カ所以上の切り傷や刺し傷
「大阪市内のホテルから兵庫県明石市の無職、西光勝(しょう)(26)が『宿泊料金が払えない』と自ら通報しました。駆けつけた警察官に『交際相手を殺した』とも話したため、枚方市のマンションに捜査員が向かいました。玄関扉は鍵がかかっていたため、窓ガラスを割って、室内に踏み込むと、供述通りに布団をかぶった状態の渡邉さんの遺体が見つかったんです。

六畳一間の室内には、血の付いた包丁も落ちていました。すぐに西光は殺人容疑で逮捕されました。

司法解剖の結果、渡邉さんの死因は首を刃物で刺されたことによる失血死とみられることが判明。腹なども刺され抵抗した際にできる防御創など、遺体には50カ所以上の切り傷や刺し傷があり、強い殺意を感じさせる犯行です」(大手紙社会部記者)

渡邉さんは福島県福島市内のカトリック系の女子校を卒業後、関西外大に進学していた。通っていた高校は英語教育に力を入れており、関西外大で専攻していたのも英語だった。渡邉さんは勉強熱心と評判で、周囲に「いつか海外で留学したい」と夢を語っていた。

友人らによると、渡邉さんは西光と2023年秋に知り合い、2024年2月頃から交際を開始。3月中旬頃には「(西光が)精神的に不安定だけど、味方でいてあげないと」と話し、良好な仲にみえたという。

「留学のお金は自分で稼いで、親孝行したい」と、飲食店などでのアルバイトにも励んでいた。知人男性(23)は「頭が良くて、社交的で明るい人だった。なぜ、殺されなければならなかったのか」と声を詰まらせていた。

西光は中学校を卒業した後、アルバイトをしながら芸人養成所に通って芸人を目指していたが、芸人になることを諦めた後は、アンパンマンミュージアムや不動産会社に勤めるなど職を転々としていた。その後、無職になっていた。

不動産会社に勤めていた際、先輩とともにガールズバーを訪れて以降、通い詰めて高級シャンパンを注文して数日間で約186万円をつけ払いにするなどし、この頃から借金をするようになったという。

この事件の裁判員裁判で、検察は2月21日、「計画的で極めて残忍な犯行で、強固な殺意があり、被害者の命より自分の見栄やプライドを優先し、動機は極めて身勝手で汲むべき事情はない」として、懲役22年を求刑した。

求刑に先立ち、被害者の父親は、「本来であれば今年、成人式で一緒に酒を飲むはずだった。どんなに怖かったか、悔しかったかだけで気が狂いそう。私は絶対に許せない、死刑を望む」と、涙声で訴えた。

● ホテルでは「一緒に死にたいといわれました」
この事件では、西光勝(しょう)が全てにおいて自分勝手で冷酷で、どうしようもない人間であることが、裁判での弁護人とのやり取りにあらわれている。懲役22年でいいのだろうか?と思わせるような内容である。

弁護人「なぜ殺した」
西光 「自分が死んだ後に、幸せになったり別の男性と付き合ったりするのが嫌だった」

弁護人「なぜその発想に」
西光 「自分のものにしたかったからです」

罪状認否で「一切間違いありません」と全面的に起訴内容を認めた西光は、事件の動機や経緯をときに饒舌(じょうぜつ)に語った。

交際を始めたのは事件約2カ月前。当時から無職で借金も750万円以上あったが、「テーマパークで働き、多額の収入がある」と噓をついた。「ええかっこがしたいと思って(訂正しようとは)一切思わなかった」

友人との韓国旅行の前日には、西光が「(自分の)母親が自殺した」と渡邉さんに噓をついて、旅行をキャンセルさせていた。渡邉さんのアルバイトも、西光が出勤をたびたび引き留めたことで退職を余儀なくされている。

一方で、西光は友人や家族にも借金し、首が回らなくなっていた。
「これ以上噓をつくのは疲れた。本当のことを言うくらいなら、渡邉さんを殺して自分も死ぬ。そのほうが(渡邉さんの中でも)いい思い出になる」

西光は渡邉さんを殺害後、渡邉さんのノートパソコンやスマートフォンを持ち出し、パソコンを売却した上で、スマホの電子マネーで食料品などを購入。パソコンを売った金でホテルに宿泊し、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)も呼んだ。事件後も噓は止まらず、ホテルでは「一緒に死にたいといわれました」と事実無根のメモを書いていた。

西光は最終意見陳述で「命を奪ってしまい、華蓮さん、ご遺族に申し訳ない。どんな刑でも控訴せず、一生償っていく。本当に申し訳ございませんでした」と述べて立ち上がり、裁判長に制止されるまで頭を下げていた。

参照:《関西外大の女子大生を刺殺》「自宅前で出待ちされて悩んでいた」交際相手の強い殺意
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