「由宇子の天秤」自分の内面に絶望しているかのような | トリップちゃんねる

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ある時期に、「由宇子の天秤」という映画の町山智浩の解説を聞いて、見たい気持ちがものすごくふくらんでいた。

由宇子(ゆうこ)は、父親の経営している塾を手伝いながら、ドキュメント映像の製作を行っている、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てている。しかし、父親の思いもかけない行動により、由宇子は究極の選択を迫られるというお話。

でも、映画は誰かにとって面白いものが自分に必ずしもあてはまるものではないから、映画評論を聞いたり読んだりしただけで、期待しすぎるとたいていこける。

なんて想いながら・・・・・・ぐずぐずしているうちに、劇場公開は終わってしまった。

 

近所の「GEO」で、早くレンタルが開始しないかなぁと、期待していたのだけれど、マイナーな作品なのか近所の「TUTAYA」にも行ってみたのだが、見つからない。ところが、忘れた頃に作品を見つける。動画配信のU-NEXTで配信されていたのでさっそく視聴する。

まずは、会話の間のとりかたが長い。現実の会話の間を重視したのかもしれないけれど、沈黙が長すぎて、いつもの映画やドラマのテンポに慣れている身としてはしんどかった。音楽も流れていなくてどこか寒々しいし、映画の映像も平板な感じ。

それでも、物語が思いがけない方向にころがっていくので、最後まで見てしまった。ストーリーは、面白いのだからもう少し、お金をかけて奥行のある映像で撮り直してもらいたい。そうしたら、すごい作品になるのではないか。

映画のあるシーンは、もう一度見たいと思う。

塾に通う女子校生がでてくるのだが、その女性が体調をくずして主人公の由宇子に車で住んでいるマンションまで送ってもらう時の事。車のシートに横たわっている表情が、体調の悪さだけではなく自分の内面に絶望しているかのような暗い表情をしていて、そこにとても惹かれた。河合優実の今後の演技に注目だ。

あと、丘みつ子の名前をエンドローグでみつけて「え?」と驚く。誰を演じていたかを頭の中の映像でサーチし、自殺した教師の母親役であることを見つける。彼女の出ていたシーンでは「見慣れないけど、演技が自然で誰だろう?」と思ってたら、昔は色っぽい奥さん役などが印象的だった丘みつ子が演じていたとは・・・・・・・。