沖縄県うるま市で4月から行方不明になっていた会社員・島袋里奈さん(20)
が殺害された事件で、元米海兵隊員で軍属のシンザト・ケネス・フランクリン
容疑者(32)が逮捕された。
島袋さんは、4月28日午後8時ごろ、交際相手の男性に「ウオーキングして
くる」とスマートフォンから無料通信アプリLINE(ライン)でメッセージを
送って以降、連絡が取れなくなっていた。
この事件は、殺された女性がまだ20歳の女性で、しかも犯人が沖縄の在日
米軍の軍属であることで、マスコミに特別な注目を浴びている。
容疑者逮捕を受けて、岸田文雄外相はケネディ駐日米大使に抗議した。これ
までも事件が起きるたび、米軍は謝罪し、再発防止を約束してきてはいた。
だが、改善される気配はない。
逮捕されたシンザト・ケネス・フランクリンには、妻も子供もいたという。昨年、
同世代の日本人女性と結婚。子どもが生まれたばかりだった。それなのに、
犯行理由が「わいせつ目的で女性を狙った」と供述している。
容疑者(32)の母親(63)は米紙ワシントン・ポストの電話取材に「(息子
のことを)心配し、動揺していると語った。同紙電子版が20日報じた。
ニューヨーク在住の母親は容疑者と約2年間連絡を取っておらず、19日に
日本の警察から電話を受けて逮捕を知ったという。母親は「(刑務所に)入った
ままになってほしくない。出てきてこの問題を解決し、私の元に帰ってきてほし
い」と述べた。
容疑者が2007~14年に米海兵隊に所属していたことも明らかにした。
5月21日、島袋さんの告別式が行われた。
「皆さん、写真を見てください。娘を忘れないでください」。喪主の父親はそうあ
いさつし号泣したという。
参列者は犯人に対する怒りを述べている。
女性のいとこの男性(43)は「許せない。基地はないほうがいいと思っていたが、
その思いは強くなった」と話した。
「行方不明になる5日前には、(女性が)友達にクラスメートで集まろうって話し
ていたと聞いた。それがもうかなわないと思うと悔しい」。高校で3年間同じクラ
スだった参列者の女性(20)は言葉を詰まらせた。「みんなに優しい子だった。
帰ってきてほしい」
また、オバマ大統領が広島に訪れることが決まっており、それが捜査に影響し
ていることがニュースになっている。トカナというサイトでは、この事件が日米
両国の政治に与えるインパクトの大きさを伝えており、政府関係筋がトカナ編集
部の電話取材に応じ、今後の展開について次のように語ったという。
「沖縄県警は、できれば来週(5月26~27日)に開催されるG7(伊勢志摩サミット)
が終わり、オバマ大統領が帰国した後に逮捕したかったものと思われます。で
すが、加害男性が自殺未遂を起こすなど、早い捜査が求められる状況になった
ことで、このタイミングで事件が明るみに出ました」
ここで、当然、起きるのは『米軍、沖縄から「出て行け!」』コールだ。
沖縄在住の男性によると、現在、沖縄には、米軍基地の撤退を求める日本人が
全国から集まり始めている。そして、アメリカ人の子供が乗ったスクールバスを
囲んだり、米軍や軍属、その家族の車両であることを示す「Yナンバー」の車を止
めて威嚇するなどして、大混乱に陥っているという。
しかし、一方では、
『The Liberty Web』 というニュースサイトで、『沖縄で高まる反米感情 「米軍の
犯罪率は少ない」という冷静な目も必要』との記事がでている。
このほど発刊された、東日本大震災のトモダチ作戦の立案に携わった、元在
沖海兵隊幹部のロバート・D・エルドリッヂ氏と、幸福実現党・釈量子党首の
対談本『一緒に考えよう! 沖縄』の中で、エルドリッヂ氏は「海兵隊の犯罪率は、
実は低い」と指摘している。
「2014年では、沖縄の刑法犯の人口比率が0.24%であるのに対し、米軍関係者
の刑法犯の人口比率は0.05%です。ですから、むしろ、米軍関係者の人口を
増やせば、沖縄県の犯罪率を減らせるということになります」(エルドリッチ氏)
さらに、エルドリッヂ氏によると、海兵隊が罪を犯したときの刑罰は、日本の
刑罰よりも厳しい。たとえば、強姦なら日本では懲役20年だが、米軍では死刑、
もしくは終身刑になるという。
しかし、日本に米軍が駐在しなければならない理由は何なのか?過去にもさま
ざまな米軍の関係者による犯罪が起っているが、それでも日本に駐在させてい
る、もしくは居残る理由は何なのか?
そこから考えていかないと、今回の殺人事件や底に横たわる問題からずれてい
くのではないだろうか。
参照:「絶対に許せない」…告別式、遺族ら涙
沖縄で高まる反米感情 「米軍の犯罪率は少ない」という冷静な目も必要
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