【ジャカルタ】ジャカルタで見かけた愉快なモノ達と、それを見て考えたこと | 鮫鰐通信

鮫鰐通信

バリで5年暮らした後スラバヤ駐在の旦那サマと結婚。スラバヤ生活5年半を経て、2016年4月末に本帰国しました。
       島が変われば品変わる。フリーライター系駐在員新妻のスラバヤあれこれ、時々猫とバリ。

同じ島の西端と東端なだけなのに、色々違ったジャカルタの街。
大阪と東京が色々随分違うのと似たような感じでしょうか。

$鮫鰐通信-いらしあます

泊まったホテルに隣接するモール(東南アジア最大級のIT関連商品モールらしい)にあった衝撃の看板。
「いらしあます」
どうしてそうなっちゃったんでしょう。音だけ拾って文字に起こしたんだろうか。返ってそっちのほうが高度な気が。


$鮫鰐通信-バジャイ

庶民の足バジャイ。バイクの後ろに覆い付きのベンチを付けて、ばたばた走っていく3輪車タクシーです。
かわいい…ラブラブ!

スラバヤやジョグジャではベチャがいっぱい走ってますが、ジャカルタはバジャイなんですね。ベチャは見かけませんでした。ブリキのおもちゃにしたらすごくかわいいだろうなあ、欲しいなあ。
乗ってみたかったんですが、タイミングがなくて乗れず仕舞いでした。次こそは…!


この他にも、公共の足としてTrans Jakartaという専用レーンを走る路線バスがありました。
専用レーンと言っても、道路の一番歩道寄りのレーンを縁石で仕切ってあるだけ。線路を横断する所なんかはもちろん縁石も切れてますし、あちこちに縁石のないポイントが。そこから一般車やバイクが入る入る…ガーン
さすがにずらっと車列ができる程は侵入してませんでしたが、やっぱりなあ…いくら都会と言ったって、インドネシアだもんなあ…と、なんだかちょっと安心混じりに思ってしまいました。これでいいんだよな、と。

泊まったホテルの周辺は、屋台もごちゃっとしたルコ商店街もある、割にローカルなエリアでした。高層ビルがどかどか建って、日本かシンガポールかと思えるようなきれいなデパートやモールが林立して、国内の巨大企業の本社ビルが威圧的に建ち並んで、世界的高級ホテルチェーンがそこかしこにあるような、立派な「都会」のジャカルタ。でも、高級モールのグランドインドネシアの目の前の道路にも屋台がずらっと出ていたし、バジャイもまだまだ活躍しているし、電車の上には無賃乗車の人達がもっさり乗っちゃうし、そういういかにも「東南アジア!!」的な部分も残っています。
私は、インドネシアにはインドネシアの発展の仕方ってもんがある、と思っています。
日本やアメリカやヨーロッパは先進国と言われているけれど、環境のこととか、モノカルチャー依存とか、原発のこととか、大量生産大量消費だけが成功じゃない、失敗だっていっぱいしていることを、もう大部分の人が気づいていると思うんです。

日本や世界各国のチェーン店が進出して、確かに在留邦人にはありがたい部分もたくさんあります。
でも、そうやって均等化、均質化されていって、つまんなくなっちゃわないか?とも思います。

インドネシアにはインドネシアのいい所がある。いっぱいある。
いわゆる先進国とは、気候だって国民性だって習慣だって違う。

何が言いたいかというと、インドネシアはインドネシアの、独自の展開をして欲しい、ということです。何でもかんでも先進国の真似をしなくていいのにな、と思うんです。

専用レーンが空いてるからって、入っていっちゃう人達がいていい。
バタバタうるさいバジャイが幅を利かせてていい。
間違った日本語で看板作っちゃっていい。
きれいなモールに入ってるレストランもおいしいけど、道ばたで食べるバッソもやっぱりおいしくていい。
原発はハラムだ、と言い切るイスラム指導者団体の意見をきちんと受け止める政府でいい。
そうする必要がないのなら、無計画で考えなしの町づくりなんかやめればいい。大雨が降る度に洪水を起こす街じゃなくて、昔ながらの知恵を活かした「インドネシアの都会」を作ればいい。

先進国は、発展途上の国を見て「そうそう、そうしたら次はこの段階だね。ウチもそうやって発展して来たからね」と、同じ轍を踏ませよう、踏ませて自分の国の儲けにしよう、としか考えていないように思えます。
発展だけが正義じゃないのに。

宗教的な思想から、「足るを知る」がきちんと身に付いているインドネシアの人々。
それを活かした独自路線で行ってくれ、間違ってないと思う。

なーんてことを、走るバジャイを見ながら考えました。