ガレージが空の、束の間のパラダイスは終わった。
遂に夫がスイス国境近くの街からダブルデッカーを持って帰ってきた。
ガレージ到着は、19時。そしてこの車両は4時間後にフランスへ行く。その間に完全に清掃し、フランス行きはトレーラーを引いて行くので、トレーラーも取り付けなくてはいけない。
ああ、楽しい数日間だったよなあ。
今回は国鉄工事区間の代替運行だったので、ツアーの場合よりも汚れ具合がだいぶマシ。それに夫は割とまめに掃除するので、一週間続けて使っていたとは思えないぐらい。
それでも、全ての座席を所定の位置に戻して、テーブルや肘掛けなどを拭き上げて、床を掃除するのはかなり時間かかります。
因みにバスの内部の荒れ具合がひどいのは、ひどい順から書くと、
① スポーツ関係のロングトランスファー。付き添いのトレーナーの質にもよるけど。
② スポーツ観戦、カーニバル参加グループのトランスファー。これは短時間の移動でもひどい。
③ 修学旅行。ドイツから、イタリアとか中欧に長時間移動で行く場合。
④ 大人の観光旅行で、カタログ販売の寄せ集めではなくて、どこかの団体から依頼されたツアー。知っている人同士が集まってのツアーは、気心が知れているために、タガが外れやすい。
⑤ 寄せ集めの観光ツアー。みんなある程度猫を被っているので、壊滅的な状態にはならない。
⑥ 路線バス
⑦ 工事代替バス
最も問題が少ないのは、我が母国、日本人の団体です。これは、使ったかどうかわからないぐらいの状態で降りて行かれます。バスの座席周辺にゴミが落ちている事はほとんどないし、たまにお煎餅のかけらが落ちているぐらいで、一週間使用しても、ざっと掃除機かけるぐらいで良い。我々は日本人のグループをお乗せする事は本当に少ないのですが、例外なくそうです。
わたしは何度か書きましたけど、これは民度がどうこうと言うよりも、小学校の時にみんなやっていた「お掃除」で叩き込まれた習慣じゃないかなあ。「みんなで使う部分は、みんなで掃除し、大事に管理しましょう」ということ。今でも授業終了後みんなでお掃除やっているのかなあ?これは続けた方が良い習慣と思うけどね。
ドイツなんか、学校でも放課後の掃除なんて無くて、お掃除なんてPutzfrau (掃除婦)、がやるものと思っていますから、バスの中なんて、綺麗に保とうという意識なんて皆無ですし、汚し放題、ゴミは通路に落ちていても知らん顔、あまつさえガムまで通路に吐き出しています。
わたしは、去年何回かドイツからスペインやスイス、クロアチアやデンマークまでの超長距離トランスファーやりましたけど、あまりにもひどい時は、客をバスから降ろしませんでした。ゴミ袋を与え、自分のゴミをまとめて袋に入れるまで降ろさなかった。それが問題になろうと、構うもんかと思ったね。
②のスポーツ観戦ファンツアーとカーニバルツアーは、もう数年依頼を断っています。こんなのやってられない。
①は、これを断ると会社の存続危機に関わるので受けますけどね。でもあまりにもひどい時はガンガン客に怒って、その後クレームで今後の依頼が無くなっても良いとさえ思う。
運転手側から理想なのは、2時間か3時間毎に休憩しますから、その時に自分のゴミを持って外に出て、屋外のゴミ箱に捨てて欲しい。
最も厄介な置き去りゴミは、中身の入った飲みかけのペットボトルです。ドイツのものだったら、ペットボトルはゴミと言うより小銭ですから、せっせと中身を捨てて、後でスーパーに持って行って換金しますけど、外国のペットボトルは単なる厄介なゴミだからね。先日のイタリアトランスファーなんて、パートナー運転手が運転している間にゴミをまとめようと思ったら、ほとんど全ての座席に中身入りのペットボトルが放置されていて、ダブルデッカーだったから、座席数は80席ぐらいあるんだけど、50本近くあった。信じられない。全部移動途中のスイスかイタリアで買ったらしい瓶なので、金目のものでもない。
ゴミを大型ゴミ袋にまとめたら、次のドライブインのゴミ箱に捨てて、スッキリしようと思ったのに、そんなの無理で、結局ガレージに戻って、1時間以上かけて中身を捨てて、所定のゴミ収集場に持って行かなくてはならなかった。
これも今後ドイツへ帰るバスの中でインフォを与えねばならないな。空瓶も全部捨てろ、降りる前に飲んでしまえ、とかね。まあ馬の耳に念仏なんだけど。
ところで、忘れ物で最も多いのは、上着と携帯電話ですが、バスの中での無くしもので多いのは耳栓型のイヤホンです。うちのダブルデッカーにはおそらく8個から10個ぐらいのイヤホンがあるはずです。座席の継ぎ目とか、ヒーターの中とかそういった隙間に入り込んだら、分解しないと取れない。イヤホンの探知機が携帯にダウンロードされている場合が多いけど、そこにあるのに見当たらないですね。中に入っちゃったんだね。一回学生がバスの中のドライバーを勝手に持ち出して、分解しようとしている現場を押さえて、ペア運転手が本気で叱っていたけど、「じゃあ弁償してくれるのか?」とか攻撃的に言うもんだから、問答無用でバスから降ろし、引率の先生から保護者に連絡してもらって、帰りは保護者に迎えにきてもらいました。それは行きだったのでホテルまでは連れて行ったけどね。席は先生の隣に移動させた。油断も隙も無い。
さてヨーロッパはカーニバルの時期が近づいて来ました。カーニバルと言えば揚げ菓子ですよ。
今日は、お昼にセモリナ粉の揚げ団子をスープの浮き身にしたものを食べたので、揚げ油の再利用でおやつはアップルドーナツ。生地には夫が持って帰って来た過熟気味のバナナも入っています。夫は「君はあの腐りかけのバナナまで救済したのか?」とか言ってましたけどね。
セモリナはドイツではグリースと呼ばれますが、それをミルクとナツメグ、バターとお塩で煮て、それに卵とパン粉を加えて練ったものが材料。これを狐色にからりと揚げて、コンソメスープに浮かべます。
そして同じ油でりんごドーナツ。
我々はもうお年頃なので、こんなものを食べるべきでは無いんですけどね。油を一回で捨てるに忍びなく、腐りかけのバナナも捨てたくなかった。
さんぼ