草の根の文化交流 3 | かけはし

かけはし

日本とヨーロッパの交流コーディネイターのさんぼです。
草の根のちいさな交流が広がれば、きっとお互いにわかりあえる、受け入れられる。

学生の音楽団体の交流コンサートでホームステイをさせていただく場合は、通常2泊か3泊お世話になることが多い。勿論コンサートが主目的なわけだから、滞在期間のスケジュールはコンサートとそれに必要なリハーサルを中心に決める事になります。


だけど、勿論それだけでなく、時間がある場合は、ヨーロッパの学生と日本の学生の交流を目的としたプログラムをなるべく入れるように心がけています。


交流プログラムを計画する際は、日欧ともになるべく楽しめるようなものを考えるのですが、それがなかなか難しい。これは、わたしが常々思っていることなんだけど、小学校高学年から中二ぐらいまでは日本の子供のほうが断然大人っぽい、というかドイツの子供のほうが子供らしい印象があるんです。なんというか、ドイツの子供は全身全霊で遊ぶし、何かと子供っぽい振る舞いをするんだけど、日本の子供はすこし醒めているというか、ちょっと回りを気にして、その場の雰囲気に合った行動をするというか。

ところが、少し年齢が上がってくるとーそう、だいたい13歳ぐらいかな-ドイツの子供は急に大人びてきて、日本からの子供が幼く見えてきます。わたしはこの仕事をはじめて20年ぐらいになりますが、いつもそういう印象をもつので、案外当たっているんじゃないかなと思うんですが。

もちろん、どっちが良いとか悪いとかはなしです。それぞれに良い所あります。


そういうわけで、お互いに楽しめるプログラムというと結構難しいのですよ。


今回、交流プログラムを考えるにあたって、まあ無難な所で近郊のお城見学かなと思っていたんです。日本からのお嬢さんたちは、ドイツの美しく残されているお城を見て、歴史だとか勉強することも出来るし、ドイツのホストの子供達も、「故郷の歴史」っていうのは学校で叩き込まれているわけだから、そこで得た知識を披露することも出来るし。


ところが、この無難なアイディアは、ホストによって一蹴された。「若い女の子が城なんかに興味持つもんか。彼女らの日程表を見た限り、彼女たちは自由にヨーロッパの街を歩く時間は一切無い。ホスト側の子供達がこの日はStuttgartを自由に案内する日にしよう。若い女の子は、ウィンドウショッピングしたり、アイスクリーム食べたり自由な街歩きが大好きなはず。かび臭い古城訪問は、次回のドイツ訪問のときにやればいい」とのことで、午前中のリハーサルの後は、貸し切りバスでStuttgartの市内へ行き、そこでホストファミリー、ホストの子供達が、小さいグループに分かれた日本からのお客さんを引率してtuttgart散策に繰り出したのだった。


実は、わたしは心中ひそかに、「ドイツ人がしっかりしていると言っても、きっと数人あぶれる子供が出てくるはずだから、もしドイツ側の引率者が見つからない子がいたら、わたしが引率しよう」と思っていましたが、なんと一人残らずドイツ側のホストが面倒を見てくれて、わたしはStuttgartの街で、日本からの引率の先生方とともに優雅な午後のお茶の時間を過ごすことが出来たのでした。


まあ、何度も書いていますが、ここまでやってくれるホストは稀です。親日家が多いということ、ドイツ側のオーケストラの保護者がものすごく協力的な人が多いこと、指揮者および指揮者の奥様が、細かい所まで気を使う人で、統率力がある人だということなどが今回の交流プログラムが、スムースに遂行できた理由と思います。


この日の夕方我が娘二人がグループに合流した。

仕事の際に子供らを同行するなんてことはなるべく避けているのだが、今回は丁度イースター休暇だったこと、いつもお願いしているシッターさんの都合がつかなかったこと、あと上の娘に、わたしと夫がやっている仕事を見てもらいたかったことなどがあって、日本側にお願いして同行させていただけるようになったのだ。本当に感謝である。


その後、次女はさておき、長女に関しては、こっちがびっくりするぐらい役に立って、毎日何かしら彼女に助けてもらう事になる。



かけはし

みんなで見学に行こうかなと思っていたお城Hohenzollern城。もしかしたらこの旅行に参加したお嬢さんたちは「ああ。ここに行きたかった」ってがっかりするかな?今度ね。



さんぼ

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