最近ブラジルのクララ・モレーノ(*1)の"Meu Samba Torto"というボサノバアルバムをよく聞く。

このLitraneaという曲がいい。Litraneaはボルトガル語で海岸という意味。
~Calara Moreno "Litoranea" featuring Celso Fonseca
#UP主様お借りします。
#UP主様お借りします。
共演しているのはブラジルの最先端のサウンドクリエイターで、ギターの名手でもあるセルソ・フォンセカ(*2)。彼の生ギターがたまらなくいい。モダンなハーモニーにちょっぴり土着的サンバの趣が郷愁を誘う。
この映像の様に陽の傾いたリオの海岸で、あの方と背中をくっつけ合って歌えたらどんなに幸せだろう。。。。なんて、また妄想が。。。
もう1つの収録曲Ela Vai Pro Marも典型的なアコースティックなボッサでとても心地よい。
~Clala Moreno "Ela Var Pro Mar"~
#UP主様お借りします。
#UP主様お借りします。
南半球のブラジル。
北側の窓から陽が差す国。これから夏に向かう国。そんな逆の環境が少しばかり人生に疲れた世代をやさしく癒してくれ気がする。
こういうのをサウダージ感覚というのだろうか。
東京のFM局J-Waveで日曜の夕方、滝川クリステルさんナビゲートで「サウージ、サウダージ」というブラジル音楽中心の番組が放送されている。
サウージは健康、乾杯のあいさつをあらわす言葉。
サウダージは懐かしさ、郷愁、人恋しさを想いあらわす言葉
とある。
サウダージ感覚というのは喜びの中に1粒の悲しみが含まれている様な感覚だと言う人もいる。そして、悲しみを明るいメジャー長に歌ってしまう様な曲がサンバやボサノバにはとても多い。
ブラジルのシンガーソングライター、カルロス・リラは「祝福のサンバ」という曲(*3)の中で以下の様に歌ってる。
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悲しいよりも 楽しいほうがいい
喜びに勝るものなど ないのだから
心に光りを灯すほうが、素敵に決まっている
でも美しいサンバを作ろうとすれば
悲しみがたくさん必用だ
耐えきれないほどの悲しみが。。。
でなければ、サンバなどできやしない。
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悲しいよりも 楽しいほうがいい
喜びに勝るものなど ないのだから
心に光りを灯すほうが、素敵に決まっている
でも美しいサンバを作ろうとすれば
悲しみがたくさん必用だ
耐えきれないほどの悲しみが。。。
でなければ、サンバなどできやしない。
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嬉し悲しい様な郷愁、涙するような何かがあるからやさしい気持ちになれる。
そんなサウダージ感覚に浸るたびに過ぎ去った遠い夏の日に思いをはせるのである。

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*1)クララ・モレーノのお母さんはジョイス
アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトがボサノバの創始者なら彼女はボサノバ第3世代になる。そして彼女のお母さんはボサノバ第2世代の旗手なる歌手ジョイス。このママがまた凄くこのギターは圧巻である。
JOYCE "Feminina"
今年の夏も来日していたのだが運悪くライブに行く事ができなかった。
*2)セルソ・フォンセカ
12歳でギターを始め19歳でプロデビュー。サンバ、ボサノヴァギターの巨匠バーデン・バーエルの影響を受けているとの事だがどことなく土着的なサウンドにそれを感じる。ギター1本でもリズムとハーモニーのヴァイヴの世界へといざなってくれる。Naturalというアルバムはブラジル音楽入門にお薦めの1枚。
*3) カルロス・リラ 祝福のサンバ Samaba de la Bendicion (Sarava)
1969年のアルバムSarava!に収められた曲。詞がすばらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=OAzcFRi01D4