震災からまる一年が経った。
各テレビ局で特別報道番組が放送される中
私も去年放送されたあるドキュメントを思い出した。
夏頃の放送だったと思うが、
被災された何組かのその後を追った番組で、
その中のある美容室を経営しているご年配のご夫婦の話だ。
長年の夢を叶え、ついに二人の店を建てたその矢先に
あの震災の津波によってお店は全壊してしまう。
更に追い打ちをかけるのは、
保険の手続きが完了されておらず
莫大な借金だけが手元に残ってしまったのだ。
普通ならば失意のドン底の中で
運の悪さに嘆き悲しんでいてもおかしくない状況にもかかわらず、
そのご夫婦は、店のあった場所に椅子を二つ並べて、
被災された人々の髪を片っ端からボランティアで刈っているのだ。
そしてインタビューに御主人が答える言葉に感動せずにはいられない。
「いやあ、いつも女房と言ってるんですよ。この店流されてかえってよかったって!なあ母ちゃん」
奥さんはただ黙ってうなづきながら髪を刈る。
「こんなちっちゃな店じゃなくて、今度はもっとでっかい店出そうって!なあ母ちゃん!」
御主人の気のこもった言葉が心を熱くする。
もちろんそれは、から元気だ。
だから余計に胸を打たれる。
その状況の中で、どこからその気丈な
神々しい生命力があふれて来るのか?
アスファルトを砕き芽をだす草ような、
砂漠の真ん中で花を咲かせるサボテンのような。
なんてこった!俺は被災しているこの二人から元気をもらっている!
震災から一年。
復興にはまたまだ時間はかかるだろう。
しかし、どんな状況からでも私たちは必ず立ち上がるだろう。
何度でもだ。