銀行らしくない銀行が支持されている。
岐阜県大垣市に本店を置く「大垣共立銀行」だ。
【写真1】
「金融業からサービス業へ」をモットーに掲げ、
地方銀行ながら、
2005年には、都市銀行も抑えて
ダイヤモンド社が行った顧客満足度調査「つきあいたい銀行ランキング」1位に輝いている。
今年も日経新聞社が行った金融機関ランキングの顧客満足度調査でネットバンクを除き1位である。
【写真2】
頭取の土屋氏は
入行式で新人に対して
「私たちはサービス業です。金融業だと考えている人には、今すぐに辞めてもらって構わない」と言う。
また、サービス業という意識を欠いた幹部の行いに対しては、
皮肉を込めて「お前は『銀行員』か」と叱責することもある。
その表れとして
銀行業務のひとつである企業への融資に関しては、
目的は企業を元気にすること。
融資はその手段でしかない。
融資を仕事とする銀行屋でないというスタンスである。
ですから、“ハイ融資しました。あとはあなたたちの責任でしっかり返してくださいね”ではない。
あくまでも融資は売上を上げる手段でしかない。
だから、その企業に入り込み、融資が機能して売上げにつながるよう徹底的に関わる。
あるメーカーに対しては、その会社に入り込み「この新規事業が足を引っ張っています。一旦やめてください」と助言する。
また、ある酒造元が開発した新商品、それをそのまま酒として売るのではなく、
新たなニーズを創り出すために別の見せ方で売るマーケティングのお手伝いにも奔走する。
お手伝いをするというよりも、そこまでも入り込んじゃう。
融資しても、売上が上がらなかったら意味がないからだ。
何のための融資なのか、目的が明確である。
一見、銀行業務でないムダなサービスに思えるが、
そこが他の銀行との差となって「大垣共立銀行」を選ぶ理由となっている。
融資だけならどこの銀行でもできる、大垣共立銀行でなくてもいいのだ。
融資という商品を超える価値・・・大垣共立銀行でなきゃいけないサービス。
それは、人によって創り出されると思う。
では、その発想はどこから生まれるのか。
自分たちの仕事や商品は何の目的のためにあるのか
という目的意識からくるものだと思う。
経理を通じて、企業を元気にする。
研修を通じて、企業を元気にする。
水泳を通じて、子どもたちを○○にする。
旅館を通じて、お客様を○○にする。
住宅・車・美容室・塾・・・・・・・・・全てそうです。
すべては目的のための手段です。
土屋頭取の夢は、自分が辞める時にこのような広告を出すことだそうだ。
「これ以上どんなサービスができますか。大垣共立銀行」
モノはもう売れない時代ですよ。
モノのよさで勝負してもダメですよ。
今は、モノが溢れている時代ですから。どこでも手に入ります。
モノの価値だけで勝負すると価格競争に陥ります。
それを超える価値は、人が創り出すものです。
そこに選ばれる理由がありそうです。