わたしと息子の「ゆめ」 | わたしよ、わたし サマンサ!

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笑いながら生きよう!

職業は「古屋サマンサ」
肩書き「古屋サマンサ」
横浜市在住 心理カウンセラー&心理学講師
「どーせ無理女」をなくすべく
全国で個人セッションや
講座を開催!


「ママのゆめ

かなえてあげるから…」


マンションのエレベータの中

息子が突然そう言った




保育園の帰り道

わたし怒ってたのよ

精一杯我慢してたけれど

やっぱり怒ってた


息子はこの春に小学生

それなのにいまだに

保育園にお迎えにいくと

どうしてこんなに

早く迎えに来たのだとか

せっかく遊んでたのに…とか

たいていグズグズ言う


息子はいつもと違うことが大嫌い

だから、いつもと同じ時間に

合わせて迎えに行く


早く仕事が終わっても

体調が悪くても

「いつもの時間」までは

迎えに行けない


時間を潰して

迎えに行っても

やっぱりなんだかんだと

文句を言われる


グズグズぐずぐず


その間に同級生も

年下の子も

お迎えが来ては

普通にお支度をして

帰っていく


その間も息子は

グズグズぐずぐず


「Uくんママ

まだいたの?」なんて

他の子に言われながら

ひたすら待つ


機嫌よく帰っていく他の子を

羨ましげに見送りながら

過ごした保育園生活


どうして皆みたいに

さっさと支度して

帰れないの?と

責めた時もある


機嫌よく帰ってもらうために

好きな食べ物を買って

帰ったこともあったっけ…


今では、これも息子の

「特性」と諦めているけれど…




金曜日の夜



30分ほど待って

ようやく保育園を出て

冷たく刺すような北風に

吹かれながら

自転車を漕いでいたら


なんだか無性に

腹が立ってきた


こんなにペダルが

重く感じるほど

大きくなったのに


1か月後には、もう

小学生になるというのに


一体いつまで

この子の都合に合わせて

わたしは行動しなくちゃ

いけないんだろうか…


そう思ったら、急に

怒りがこみあげてきて

思わずこう言っちゃったのよ


「Uくん もうすぐ

卒園だけれど

ママが好きな時間に

お迎えに行っても

普通にお支度して

普通に帰ってくれることが

ママの夢だったな…


いつか、そんな日が

くればいいなって

ずっと思ってたよ…」って



「ほかの子」と

比べちゃいけないのも

知っている


息子に「普通」を

求めちゃいけないのも

わかっている


それでも何年間も

毎日続くとね

澱のように積もりつもって

思わず口からついて出た言葉が

「ママの夢だったな…」という

恨みがましい言葉



後ろに座っている息子は

何も言わなかったけれど

マンションのエレベータの中で

突然こう言ったの


「Uくん ママのゆめ

かなえてあげるから…

Uくん 少しがんばってみるから…」 って



最初はなんのことか

わからなかったけれど

よく聞いたら

卒園前の1週間は

がんばって文句を言わずに

さっさと帰るようにするって…



その言葉を聞いて

エレベータの中で

泣いてしまったわ



母親の苛立ちを

ぶつけたような呟きを

全身で受け止めて

一生懸命考えて出た言葉が


「Uくん ママのゆめ

かなえてあげるから…

Uくん 少しがんばってみるから…」って



うん、もういいよ

その言葉だけで十分だよ

その言葉だけでママの心に

溜まった「澱」が

一瞬で温かくて

柔らかなものに

変わっていったよ



「じゃあね、ママも

Uくんの夢を

かなえてあげたいから

今度はUくんの夢を教えて」


「Uくんのゆめはね~

スーパーですきな

お菓子をかって

いろいろな種類を

食べてみること!」



そっかぁ…


それがあなたの「夢」なんだね




それって、きっと「他の子」が

「普通」にしてることなんだよね?


ママはさ、ついつい

身体に悪いものは

食べさせたくなくって

おやつの種類も量も

制限しちゃうけど

Uくんはそれを

我慢してたんだよね?



うん、うん、わかったよ

お互い今まで

我慢してきたこと


他の人からみれば

どうってことのない

ささやかな

わたしたちの「ゆめ」


これから二人で一緒に


叶えていこう


きっとね、わたしたちなら

これから、たくさんの「ゆめ」を

叶えられると思うよ


これからもこうやって

普通のことを

ひとつずつ、ひとつずつ・・・ね