新宿駅南口にて

亀山『えーと、ここだな。中身は…なんだこれ?』

  そこに黒いスーツの2人の男が登場

男1『おい、それをこっちによこせ』

亀山『なんなんだ、てめーら!』

男2『痛い目に会いたくなけらば素直によこせ』

亀山『やっと手に入れた証拠を早々と渡してたまるか』

男1『手段は選ばないですよ』

  そう言うと男たちは亀山を襲ってロッカーに入っていたものを持ち去って逃走

亀山『イテテ…あいつら本気で殴りやがって…』

右京『亀山君、大丈夫ですか?』

亀山『丈夫だけが取り柄なんでなんとか』

右京『君の作戦がうまくいったようですね、少々リスクが高いものでしたが』

亀山『俺もあのまま拉致れたらどうしようかと思っちゃいましたよ』

携帯を取り出す右京『伊丹さん、お願いします』

電話の向こうの伊丹『了解、芹沢、行け!絶対見失うなよ!』

芹沢『はい!』

  駅にて

右京『では本物を探しに行きますか』

亀山『果たして何があるんすかね』

  ロッカーの前にて

右京『亀山君、これですね、中に入っているのはUSBメモリです』

亀山『何か重要な証拠ですかね』

右京『すぐに米沢さんに解析をお願いしましょう』

  そのころ黒服の男は

男1『どうだ?』

男2『…空だ、何も入ってない』

男1『桜井が持っていた証拠品じゃないのか?』

男2『偽物だろうな…やられたよ』

男1『くっそ、あんな危ない橋まで渡ったのに…』

男2『それよりさっきから尾行されてるぞ、引き離せ』

  伊丹たちの車

伊丹『おい、気付かれたみたいだな』

芹沢『やばいっすね』

無線を取り出す伊丹『こちら伊丹、暴行の容疑者を追跡中、至急応援をお願いします、現在青山通りを北上中』

  そして

男1『まずい、警視庁に回り込まれた』

男2『突破しろ!』

男1『無理だ!』

  その後

伊丹『はいはい、ご苦労さん、暴行と窃盗、それにスピード違反だね、さっそくその盗んだものについて話聞かせてもらおうか』

男ら『…』

  取り調べ室にて

伊丹『誰に頼まれたんだ?何でこんなもの盗んだ?』

男『…』

芹沢『名前くらい教えてくださいよ』

男『…』

三浦『あんたら警察庁の人間じゃないのか?』

男『…』

  そのころ鑑識にて

米沢『お二人の予想通りとんでもない代物でした』

右京『というと?』

米沢『桜井とある人物の会話を録音したものでした。いわゆる音声データです』

亀山『その会話の中身が今回の事件に関係があったんすか?』

米沢『ビンゴです。ある人物が桜井に指示を出しています。しかし最初の爆発自体はその人物が望んだものではなかったようですな』

右京『ある人物というのはどなたでしょう?』

米沢『残念ながらわかりません、本人も名前を名乗りませんし、桜井からはボスと呼ばれていますから』

右京『しかし音声ならば特定の人物と比較すればすぐに判明しますね』

米沢『そう言うと思って、音の専門家をお呼びしました』

亀山『じゃあ、その声が副総監のものだと証明できれば一連の事件に関係していた決定的な証拠になりますね』

右京『桜井が合成したのでなければそういうことになりますね~』

亀山『でも、桜井は携帯を壊してまで庇おうとしていたんですよね?』

右京『ええ、ですからこれも公表する気はなかったと思いますよ。ボスが裏切った時、自分の命を守るために用意したものでしょう』

米沢『問題はどうやって副総監を音の鑑定の場に呼び出すかですな、正式に要請したところで来るとは思えませんが…』

右京『僕に考えがあります』

  そこに小野田が登場

小野田『ジャックバウアーから全て聞きましたよ、まったくとんでもないことを炙り出しちゃったね。こんなこと公表したら警察の威信は吹っ飛んじゃう。杉下、その後のことを考えたことあるの?』

右京『お言葉ですが、いずれはわかることです。隠していたということになればそれこそ取り返しがつかない事態を招くと思いますよ』

小野田『もっと穏便に済ませられないかしら』

亀山『じゃあ、官房長は犯罪を容認するんですか?』

小野田『誰もそんなこと言ってないでしょ』

右京『全ての人間は法の下に平等です。権力のあるものだからと言って見過ごすわけにはいきません』

小野田『お前に何を言っても無駄なようだね、いきなりお前が言っても相手にもされないだろうから僕から話をつけますよ』

右京『妙な小細工はいりませんよ』

小野田『小細工なんてしませんよ、きちんと筋は通しますよ』

続く~

ジャック『容態は?』

医療班『出血は止めたが意識はなく危険な状態です、すぐに搬送しないと』

ジャック『頼む、手術が終わり次第病室の警護に警官をつけてくれ』

三浦『わかった』

伊丹『ったく、自殺なんて図りやがって』

  そこに右京登場

右京『果たしてただの自殺でしょうか』

芹沢『いやっだって僕らの目の前で自分を撃ったんですよ?』

右京『普通自殺する人間は頭を撃つと思いますがね~』

亀山『確かに、でも桜井は心臓すれすれのとこ撃ったわけだからやっぱり自殺に違いありませんよ』

ジャック『いや、ただの自殺ではなく胸ポケットに入った携帯を破損させることが目的だったってことか』

右京『ええ、とっさに携帯を破壊するために撃ったと考えると彼の行動につじつまが合います』

亀山『誰か仲間の存在を知られたくなかったってことですか』

右京『今回の一連の事件を引き起こし、仲間を確保するには相当な資金が必要です。彼は定職についていないはずですから大きな後ろ盾がいると思いますよ』

亀山『一体誰何すかね』

米沢『杉下警部、これをご覧ください』

伊丹『ちょっとまて米沢!俺らに言えよ』

右京『パソコンから何か見つかりましたか』

米沢『頻繁に見ていたサイトです』

亀山『何すかこれ、警察批判の掲示板かな?』

米沢『ええ、それもかなり強烈な内容ですな』

伊丹『じゃあ、単に警察を嫌っての犯行ってか?』

右京『ならば警視総監を執拗に狙う必要などありませんよ』

亀山『暴力団がらみですかね』

右京『それにしては用意が周到すぎます…犯行グループも事件に利用された人間も全て桜井のつながりですから単独犯ということにしかなりません』

ジャック『そんなことができるということは警察内部に黒幕がいる可能性もあるな』

伊丹『おいおい、正気か?』

芹沢『そんなことになったら警察の信用は失墜しますよ』

右京『そうならないために真相を明らかにしなければなりません』

亀山『もう目星は付いてるんですか?』

大河内『杉下さん、約束のものお持ちしました』

伊丹『?監察官が何でこんなとこに』

右京『僕がお呼びしました、警視総監を狙いそうな人間がいましたか?』

大河内『正直、こんなこと調べたくありませんでした』

亀山『じゃあ、見つかったんすね』

大河内『可能性があるのは国分副総監です。彼は通信傍受法に最後まで反対していました。逆に熱心に推進していたのが警視総監です』

亀山『通信傍受法って警察権力で合法的に盗聴できるってあれですよね』

右京『ええ、犯罪捜査に大きく貢献が期待される一方で、多くの市民のプライバシーが強引に奪われます』

伊丹『しかし、確かもう成立して来月の施行を待つだけじゃないですか?』

右京『ええ、試験的に6ヶ月間です。その検証結果を踏まえ延長するか、廃止するかを決めることになっています』

大河内『その試験期間が来る前に行動を起こしたと考えられなくもありません』

亀山『しかし、副総監じゃ手も足も出ませんよ、当然証拠も残してないでしょうしね』

右京『確かに難しいかもしれません、しかし諦めるわけにはいきませんよ』

芹沢『いま、所轄から連絡が入りました。桜井の自宅が何者かに荒されているようです』

伊丹『よし、行くぞ』

右京『僕らも行きましょう、大河内さん必ずこの調査結果を無駄にはしません』

亀山『官房長には知らせるんですか?』

右京『いいえ、真相が明らかになってからでも遅くありませんよ』

  桜井の自宅にて

所轄『御覧の通りです、何かを探したのかかなりひっくり返されてます』

伊丹『くっそ、何か証拠品を持って行かれたか』

芹沢『でも、こうなると桜井はやっぱ何か秘密を持っていたんですかね』

米沢『特に目ぼしい物は残されていません、むろん財布や貴金属もありません』

右京『空き巣に見せかける必要がありますからね~しかし桜井が何か持っているとして素直に自室に置いているとは考えにくいと思いまえんか?』

亀山『じゃあ貸し金庫とか裏をかいてコインロッカーとかですかね』

右京『それでも鍵を持つ必要があります、それを奪われては元も子もありません』

米沢『では、この部屋のどこかにまだ隠されているということですか』

右京『用心深い彼なら十分あると思いますよ』

 部屋を探す捜査員と特命係

亀山『やっぱ何もありませんよ』

伊丹『だいたい何かを持ってるってのも警部殿の憶測に過ぎないでしょ、持ってかれた可能性もあるしな』

右京『亀山君、このタンスはこの部屋には少々大きいと思いませんか?』

亀山『まあ、でも中を見ても何もありませんでしたよ』

右京『みなさん、このタンスを移動してもらえませんか』

  そして移動する

伊丹『俺たちだけ持って警部殿は見てるだけかよ』

右京『失礼、タンスの裏にコンセントの口がありますね~』

米沢『確かに不自然ですな、調べてみます』

伊丹『なんだよ?』

米沢『これはダミーのコンセントですな。中にあるのは鍵のようですね、おそらくどこかのコインロッカーでしょうな』
右京『内密に調べていただけますか?』

米沢『承知しました』

  しばらくして

  特命にて

米沢『わかりました。新宿駅南口のコインロッカーです』

右京『どうもありがとう、亀山君行きましょう』


 そして車で移動を開始

右京『先ほどから誰かに付けられているようですね~』

亀山『みたいですね。どうします?振り切りますか?』

右京『いえ、彼らにもお話を伺いたいですね~』

亀山『じゃあ、こうしましょうか』

  続く~

  警視庁に戻った特命係


亀山『二宮はどこにいるんですかね…』

右京『ただ爆弾を爆発させるためにここまでするでしょうかね~何らかの目的があると思います』

亀山『じゃあ、特定のだれかを狙ってるってことですか』

右京『ええ、それも通常の方法では近づけない人物でしょう』

亀山『確か警視総監講演が3時からありますよね』

右京『ええ、今最も狙われやすいのはそこでしょう。その周辺に二宮刑事は間違いなくいるはずです』

亀山『すぐにSPに連絡します』

右京『いえ、待って下さい。いくら人質を取られているとはいえ二宮刑事が桜井に完全に操られているのが引っ掛かります』

亀山『確かに、誰かに警告することはできますもんね』

右京『SPへの連絡は直接彼に会ってからでも遅くはありません』

  そして


亀山『いました、二宮刑事です』

右京『亀山君、演技は得意ですか?』

亀山『え?』

  その後

  コーヒーを片手に持った亀山が二宮に近づく


二宮『…』

  次の瞬間、躓いたふりをしてコーヒーを二宮にひっかける


亀山『あらら、ごめんなさい。シミになっちゃうからすぐ洗わないと!』

二宮『いや、放っておいてくれ』

亀山『そういうわけにはいかないでしょ~さあ上着脱いで』

二宮『私に触るな!』

亀山『そんなに怒んなくたっていいじゃないっすか』

  そして、亀山はその場から離れる


亀山『ありましたよ。右京さんの推理通り』

右京『そうですか』

亀山『おそらく耳には米沢さんに教えてもらったマイクロ送信機ってやつですね、胸ポケットにはボールペン型カメラですか、まるでスパイですね』

右京『相手に耳も目も奪われては指示に従うほかありません』

亀山『しかし、あれはこっちも近づけませんよ、二宮に話すことすらね』

右京『では、どちらも無力化するしかありません。もちろん相手に気付かれずにです』

亀山『どうするんです?』

電話を取り出す右京『あっ官房長ですか。杉下です。通信機器のプロを一人貸して下さい』

小野田『すぐ手配するよ。で、事件解決はもうすぐなのかしら、知ってると思うけど警視総監の講演が近づいているの』

右京『十分承知しています。では』

  その後

  女性が特命の二人に近づいてきた


女性『通信機器担当の黒江です』

右京『特命係の杉下です』

亀山『同じく亀山です』

黒江『で、私がする仕事は何でしょうか』

右京『彼に付けられたカメラの映像をハッキングし、それを録画して頂きたい。そしてその録画映像をライブ映像のように見せることは可能でしょうか』

黒江『ええ、機材さえあればできます』

右京『ではお願いします。あまり時間はありませんので録画時間は5分で結構です』

黒江『わかりました』

  その後


黒江『周波数を合わせました。これがあのカメラの映像ですね、あまり動きのない今でしたら相手にも気付かれないと思います』

右京『しかしまだマイクロ送信機があります。音は出せませんね、筆談で行きましょう』

亀山『了解』

  その後


黒江『OKです、今映像を切り替えました』

右京『では亀山君、彼が喋らないように口を押さえてください』

亀山『了解』

  筆談を始める右京


右『あなたが見張られていることはわかっています、カメラはこちらで無力化しました』

二『妻と娘が人質になってる』

右『奥さんは救出しました。娘さんも必ず救い出します』

二『私はどうすればいいんだ』

右『ギリギリまで桜井の指示に従ってください、爆弾はどこですか』

二『私が来ているベストが爆弾だ、遠隔操作で爆発する』

右『では、すぐに処理班を呼びます』

二『いや、他にも内通者がいる、大事にすればバレる』

右『わかりました』

  そこに桜井から


桜井『二宮先輩、あと少しで3時になります。先ほど言ったように警視総監のそばに近づいてください』

二宮『さっきから言ってるように私には無理だ』

桜井『何とかして下さい。奥さんも娘さんも無事で家に帰りたいはずですよ』

二宮『私もろとも死ねというのか』

桜井『戦争と同じで犠牲は仕方ありませんよ』

二宮『こんなことして何になるんだ』

桜井『あなたには理解できないでしょうが、大きな理想のためですよ』

二宮『いい加減にしろ』

桜井『無駄口はこのくらいにして、近づく方法を考えてくださいよ』


黒江『分かりました、今の会話のバックに特徴的な音が入っていました』

右京『聞かせてください』

黒江『はい』

  音を聴く…


右京『鐘の音ですね』

米沢『どこかの教会でしょうか、しかしそれだけでは探しようが…』

右京『いえ、もう一度聞かせてください』

  音を聴く…


右京『鐘の音が二つあります!微妙ですが音がずれて鳴っています』

黒江『確かにそうです』

米沢『都内で鐘の音が二つ聞こえる場所は…ここだけです!』

  警視庁からほど近いアイバーソン教会


右京『爆弾の遠隔操作はそう遠くではできませんから、間違いありません!』

電話で話す右京『バウアーさん、アイバーソン教会周辺です!すぐに向かってください。一穂さんも同じ場所だと思われます』

ジャック『了解!』

  まもなく3時

  二宮から桜井に指示が出される


桜井『二宮先輩、準備はよろしいですか?』

二宮『ああ…』

  その頃


伊丹『聞き込みしたところ桜井らしき人物がいるのはこのホテルだった』

ジャック『中にいるのを確認したら踏み込む、それと子供の人質がいるはずだ、殺傷兵器は使うな』

芹沢『今、向かいのビルから確認できました、桜井に間違いありません』

ジャック『よし、突入だ!』

  突入後


ジャック『桜井!もうお前の負けだ!諦めて投降しろ!』

桜井『…もう遅い、今頃爆発してる頃だ』

  そこに右京から連絡が入る


右京『爆弾は5分前に回収しました、ちなみにこれは二宮さんのマイクロ送信機からですよ』

桜井『なに?』

ジャック『お前の負けだ、動くな!』

  しかし、桜井は隠し持っていた拳銃で自らを撃った


ジャック『なっ…すぐに医療班を呼べ!こいつにはまだ聞きたいことがあるんだ!』

14:59:57 14:59:58

14:59:59 

15:00:00

続く~


  宅配便に変装した亀山が帰った後桜井から電話が入る
 

桜井『状況はどうだ』

桜井の仲間の男『問題ありません、ただ宅配便が来ました』

桜井『…念のため荷物の中を改めろ』

仲間『了解』

  中を開けると果物が入っていた、送り主は実家

仲間『問題ありません』

桜井『そうか、引き続き警戒しとけ』

  
  そのころ、二宮邸の近くのビルの中で

亀山『いや~右京さんの言ったとおり荷物も用意して正解でしたね』

右京『盗聴器はどこに仕掛けたのでしょう』

亀山『段ボールの中です、あれなら見つけられませんよ』

  そこにジャックらが来る

ジャック『中には何人いるんだ』

米沢『赤外線で見る限り3人ですね、奥さんのそばに一人、窓に見張りが一人、二階に一人』

ジャック『俺が踏み込んで助ける』

右京『いいえ、仲間から桜井に連絡されては困ります』

ジャック『心配ない、この家全体を妨害電波で携帯を通話不能にすればいい』

伊丹『それで、どう踏み込むんだよ』

ジャック『SATを二階から踏み込ませ一人を確保、俺が犯人をおびき出して奥さんから離れさせる。その後君たちが確保してくれ』

芹沢『なるほど、相手は武器を持ってますよね』

ジャック『ああ、おそらく猟銃やナイフだろうな、だがこいつらから情報を引き出す。殺傷兵器は使うな』

亀山『難しい注文ですね…』

三浦『すぐに妨害電波と防弾チョッキ、それとスタンガンを用意しろ』

米沢『すべて杉下警部の指示で用意してあります』

ジャック『よし、今度こそ失敗は許されない…』

右京『亀山君、ここはお任せしましょう』

亀山『え?』

右京『二宮刑事を探しましょう、爆弾はおそらく彼が持っています』

亀山『どうするつもりです?』

右京『奥さんの救出を桜井に気付かれる前に爆弾を回収しなければ、遠隔操作で爆破される可能性もあります。二宮刑事に協力してもらわなけれななりません』

  そして、救出劇の結果

伊丹『犯人確保!』

芹沢『奥さんは無事です!』

ジャック『よし、妨害電波を止めてくれ!』

  その時、二宮家の固定電話が鳴った

ジャック『おそらく桜井だ、おい、お前出るんだ。絶対に俺たちのことは言うなよ』

電話に出る仲間『はい』

桜井『何故携帯が通じないんだ』

仲間『すいません、携帯の調子が悪くて電源を切ってあります』

桜井『順調なんだな?』

仲間『…ええ問題ありません』

桜井『警察庁が振り込みの延期を言ってきた、当然断ったけどな』

  ジャックが書いた文字を読む仲間の男

仲間『俺たちはこの後どうします』

桜井『3時までそこで待機しろ、全てが終わったら報酬を振り込む』

仲間『爆弾はどうするんです』

桜井『時間が来ればわかるさ』

ジャック『奥さんを警察で厳重に保護してくれ、それと二宮刑事と連絡を取りたい』

芹沢『それなら既に特命の二人が向かってるはずです』

ジャック『そうか、あとタイムリミットまで1時間余りだ。桜井と爆弾の確保を急げ!』

  その時、再び固定電話が鳴る

仲間の男『はい』

電話の相手『私、嵐山小学校の一穂さんの担任の松岡です。一穂さんがランドセルを学校に置いたまま帰宅なさったので今からお伺いします』

  一穂の母親である明子に電話を替わる

明子『娘はどこいったんです?』

松岡『午前中で早退されましたよ、お父さんから電話があって緊急な用事があるとかで』

明子『…そんな』

ジャック『どういうことだ…』

三浦『まさか…桜井にとらえられているんじゃ…』

芹沢『いまだに家に帰っていないんですから間違いないでしょうね…』

  そのころ

桜井『大丈夫、全て終わったらおうちに返すからね』

一穂『…』

桜井『よし、二宮先輩に連絡しろ、最終段階だ』

13:59:57 13:59:58

13:59:59

14:00:00

続く~

  爆発のあった警視庁ロビー

伊丹『状況は?』

芹沢『亡くなったのはバイク便の配送中だった大野ゆたかさん(25)、他重傷者が8名、軽傷者が5名です』

三浦『それで、何があったんだ?』

米沢『おそらく大野さんが持ち込んだ荷物が爆発したのでしょう。詳しく調べないと分かりませんが遠隔操作で爆破された可能性が高いと思われます』

右京『桜井の犯行でしょうが、これが本来の爆弾とは考えにくいと思います』

亀山『なんでです?』

右京『爆弾を仕掛けたという電話にも関わらず、今回はたまたまロビーで爆発が起こったにすぎません。時間的に前だったら被害者は大野さんだけだったでしょう』

伊丹『じゃあ、爆弾はまだどこかにあるってことですか…』

右京『ええ、おそらく。今回の爆弾によって信憑性がかなり高くなりました』

  戻ってきたジャック『被害者と桜井のつながりは?』

米沢『わかりません、ただ2人とも大学卒業後も就職先が見つかっておりません。大野は卒業後アルバイト生活をしていたようです。桜井も同じだとすると、どこかで接点があるはずです』

右京『何故大野さんを巻き込んだのでしょうね~』

ジャック『俺は桜井を追う。何か手掛かりは』

亀山『大野がメモを持っていましたよ。辛うじて読めます。12時に警視庁にという内容ですね』

右京『このメモ…品川ロイヤルホテルの用紙です』

ジャック『メモと荷物を置いておいて桜井が顔を見せなかったのなら…桜井がここに潜伏先を用意していたってことだな!』

伊丹『よし、すぐ踏み込むぞ!』

ジャック『いや、警察の動きを察知されて逃げられては困る、俺一人で行かせてくれ』

三浦『そんなこと言ってさっき逃げられたんじゃないか』

ジャック『…ああ、では援護してくれ』


  捜査一課とジャックは現場に向かった


亀山『爆弾捜索はどうします』

右京『一つ気になることがあります。いくら警視庁の着ぐるみを着ていたとはいえ身元の分からない人間が警視庁内にどうやって入ったのか、君はどう思います?』

亀山『受付がスルーしたんでしょうか、いやそんなわけないよな』

右京『訪問の記録はありません、ということは相手が警察関係者だったからでしょう』

亀山『え?どういうことです?』

右京『桜井が警察手帳を提示したからこそ簡単に侵入できたんですよ』

亀山『そんな…偽造の警察手帳を用意してたってことですか…』

右京『その可能性が高いと思います』

米沢『あの~お言葉ですがそれほど簡単に偽物を作れるでしょうか…』

右京『ええ、おそらく本物を手に入れ名前と写真を加工したのでしょう』

亀山『一体どうやって・・・』

右京『警察手帳の紛失届が出ているか調べてもらえますか?』

米沢『ありました!世田谷南署の松本巡査(25)が昨日警ら中に襲われ紛失しています』

亀山『でもそれがどうしたんです?』

右京『桜井が入った部屋には特に何もありませんでしたね』

亀山『ええ』

右京『彼は爆弾を持ち込んでいません、持ち込んでいたのならあの部屋に入る必要はありませんからね~』

米沢『誰かが持ち込む必要がありますね』

右京『そうです、ではどうやって持ち込み、どうやって設置したのか。僕はずっと引っかかっていました』

亀山『それが内通者ですか…』

右京『いいえ、それでは矛盾します。仕掛けた本人ならばすぐにでもここから立ち去ろうとするはずです。いつまでもここにとどまる必要はありませんよ。しかしそれをしていない』

亀山『?』

右京『考えらる可能性は二つ。一つは爆弾は桜井のボタン一つで爆発することはないということです。しかしそれでは危険を冒して警視庁内に侵入したことと矛盾します。もう一つが内通者が桜井に脅されている可能性です。脅迫され爆弾を持ち込み、警察の動きを報告するように強要されていたとすればどうでしょう』

亀山『そうか…考えられますね。でもどうやってそれを探し出すんです?』

右京『ひとつ調べてもらいたいことがあります』

  そのころ

  品川ロイヤルホテルにて

ジャック『俺が指示するまで動くな』

伊丹『何であんたが指揮を執ってるんだ』

三浦『まあ、いいじゃねえか、ここは協力しよう』

芹沢『大人げないっすよ、先輩』

伊丹『うるせー』

ジャック『赤外線によれば内部には3人いる』

伊丹『どうする気だ』

ジャック『ホテルの従業員になり済まして部屋のかぎを開けさせるんだ、そのすきに俺がルームサービスのカートから中に踏み込む』

伊丹『わかった、芹沢、お前行け!』

芹沢『はい!』

  そして

芹沢『フロントですけども~お客様の部屋から異臭がするという苦情がありまして、中を調べさせてもらえませんか?』

中の人物『ここじゃない!他を調べろよ』

芹沢『すいません、一応規則でして、すぐに終わりますから~』

中の人物『うるせーな!失せろよ』

芹沢『とりあえずお話だけでも』

  そしてかぎを開け

中の人物『しつけーな、ここはなんともねーよ』
 
  そしてジャックが飛び出し

ジャック『動くな!おいお前!桜井はどうした!』

中の人物2『誰だそれ?っていうかお前誰なんだよ!』

ジャック『拘束しとけ、部屋を調べる』

  次の瞬間

ジャック『爆弾だ!全員退避しろ!』
  
  しかし、すぐに部屋の中で爆発…

ジャック『くっそ!』

伊丹『なんなんだよ…』

  そのころ非常口から逃げ出す桜井がいた

  そのころ

亀山『右京さん、わりました。桜井と大野は予備校仲間です、さらに松本巡査も桜井と同じ大学で同じサークルでした。そして内通者と思われるのが二宮一樹巡査長(27)、彼も同大学の同じサークルです』

右京『なるほど、では彼の家族の安否を確認してください、あっくれぐれも警察だと気づかれないように!桜井の仲間が見張っている可能性があります』

亀山『了解』

  そして

亀山『宅急便ですど~二宮さんいらっしゃいますか』

二宮の妻(明子)『はい…』

亀山『ここにハンコをお願いしま~す』

  と言いながらメモを渡す亀山

≪誰かに脅されていませんか?イエスなら咳を二回≫

明子『ゴホ。ゴホ。これでいいかしら』

亀山『はい、ありがとうございました~』

12:59:57 12:59:58

12:59:59

13:00:00

続く~