警視庁にて
国分副総監『小野田君、聞けば君の部下が暗殺を防いだそうだな、総監に代わって私が礼を言うよ。で、話とはなんだね?』
小野田『その暗殺未遂にあなたが関わっているという者がいましてね』
国分『何を言ってるんだ、何で私がそんなことを』
小野田『ところが動機ならあなたが一番おありですよね』
国分『…確かに総監とはいろいろあったがだからと言ってそんなことするわけないだろ!』
小野田『でも、決定的な証拠があるんですよ。とんだヘマをしちゃいましたね』
国分『そんなわけないだろ』
小野田『もちろんあなたが自ら証拠を残すわけありませんよね、でも桜井が身の安全のためにあなたとの会話をデータとして残していたんですよ』
国分『…その会話を聞いたのか?君は』
小野田『ええ、あなたの声に非常によく似ていました。だからこそあなたは部下を証拠隠滅に向かわせたんでしょ』
国分『私を告発するのかね、そんなことをすれば警察への信頼など地に落ちるぞ』
小野田『あなたに言われるまでもありませんよ、そこで提案なんですが』
国分『なんだね』
小野田『あなたが副総監を退官し、今後も警察関係機関には一切かかわらないというのならば証拠は私の方で何とかいたしますよ』
国分『君も隠滅に協力するのか?』
小野田『あなた一人の失態で警察が不利益を被るのはごめんです。最後のチャンスですよ。きっと総監も同意してくれるでしょうね』
国分『分かった…その前にその証拠というのを見せてくれないか?でっち上げの可能性だってあるからな』
小野田『では、すぐに持ってこさせますよ。確認したら今日付けでお辞めいただきます。関係機関への根回しももう終わっていますので』
国分『随分と用意がいいんだな…』
そこで、音声データを確認する副総監とその部下
小野田『納得していただけましたか』
国分『ああ、でも肝心なことを忘れてるんじゃないか?』
小野田『何をおっしゃっているのですか』
国分『そのデータが消えてしまったようだよ』
小野田『おやおや、随分と大胆なことしますね、僕の目の前で証拠隠滅を図るなんて』
国分『これで私が辞める理由はなくなったな、他に言うことはあるか?』
小野田『残念ですよ、もはやあなたにはかばう価値もないようだ、杉下、入ってきていいよ』
右京『やはりこういう結果になりましたか』
国分『何だね君は?』
右京『特命係の杉下と申します。二宮刑事の持っていたマイクロ送信機を官房長に身につけてもらいました。そして一部始終を聴かせてもらいました』
国分『だからどうした』
右京『その会話と例の音声データの声を専門家に検証させています、そうすればおのずと結果は見えると思いますよ』
国分『何を言ってる…』
小野田『今あなたが消したのはデータのコピーですよ、僕があなたにチャンスを与えたのにふいにしたんですよ』
国分『罠にはめたのか』
小野田『いいえ、警察にとっても、あなたにとっても素直に辞めるべきだったのは間違いありませんよ。そのためには杉下が何を言っても証拠は処分するつもりでしたよ』
国分『では、私は自ら証拠を生かしてしまったのか』
小野田『もう諦めなさいよ、こんなことになって不本意だけど仕方ないね』
右京『何故こんなことをしてしまったのですか』
国分『警察の暴走を止める、最初からそれだけが目的だったんだ…通信傍受法が本格的に導入されればこの国にプライバシーはなくなる…まして悪用されれば国民はとんでもない不利益をこうむるんだ!だから仕方なかった…』
右京『確かに通信傍受法は多くの危険をはらんでいると僕も思います、ですが今回の犯罪を正当化するとは思えません。暴走はあなた自身の行動ですよ』
小野田『それで、どうして警察の嫌ってる桜井を利用したのかな』
国分『彼は警察の暴走を誰よりも危険視していた。だからすぐに協力し合えたんだ。彼は力で、私は頭でこの暴走を食い止める責務があったからな』
右京『しかし桜井は瀕死の重傷を負いました。あなたも大きな代償を背負うべきです』
国分『…』
小野田『さあ、とっととこの部屋から出て行きなさい、あなたがいるべき部屋じゃない』
国分『これだけはわかってくれ!あの法律は必ずこの国を不幸にするんだ』
小野田『…』
右京『…』
特命にて
亀山『ようやく終わりましたか』
右京『ええ、これからマスコミが大きく騒ぐことになるでしょうがね~』
そこにジャック登場
ジャック『ミスター杉下、事件解決おめでとう。日本でもテロが防げてよかった』
右京『僕からも感謝します。あなたのおかげで犠牲は抑えられました』
亀山『FBIに戻るんですよね』
ジャック『ああ、アメリカでもテロの脅威はまだまだあってね。俺がやる仕事はまだまだあるそうだ』
右京『お気をつけて』
ジャックが出ていく
亀山『右京さん、通信傍受法…どうなっちゃうんですかね』
右京『試験期間中にも進むべき方向が見えると思いますよ。問題が起こればすぐに修正できる応用力があれば危険ではないのですが』
亀山『うまくいくといいですね』
右京『信じてみましょう』
終り~