内村『なんだと?今度はうちの管轄で起きたのか』
中園『はい、詳しいことは鋭意捜査中ですが…元厚生省の事務次官が襲われたのは間違いありません』
内村『埼玉の事件の二日後か…すぐに現役を含む事務次官経験者の所在を確かめて警備を強化するんだ』
中園『はい。警察庁からも同様の指示が出ています』
内村『省内や閣僚の警備も強化し3件目はなんとしても阻止しなければなりませんな』
小野田『もちろん僕らも気をつけなくちゃね』
翌日、特命にて
亀山『今度は中野ですか』
右京『世間では年金テロだと騒いでいるようですね~』
角田『まあ、年金問題で怒りたくなる気持ちもわかるけどな』
右京『おやおや、警察官としてそのような発言はどうかと思いますよ』
角田『これは失敬した、しかし今度は未遂で済んだとはいえ宅配便を装って誘き出して刺すなんてひどいな』
亀山『先日は浦和の岸武信元事務次官、今度が平尾元事務次官…やっぱり連続テロなんすかね?』
右京『2件の事件には共通点がいくつかあるので可能性は高いと思いますよ』
そこに現れた米沢『どうやら埼玉の事件と同一犯で間違いなさそうです』
右京『というと?』
米沢『埼玉県警の友人から聞いたところ、残された空の宅配荷物にあった宛名の筆跡がどちらも同じものでした。指紋はないので実行犯だと断定はできませんが』
亀山『じゃあ、やっぱりテロですか』
そこに現れた小野田『邪魔するよ』
角田『官房長…失礼します。仕事、仕事』
米沢『私も仕事に戻ります』
右京『わざわざありがとうございます』
小野田『相変わらず勝手に捜査してるようだね』
亀山『俺らに正式な捜査権限のある事件はありませんから』
小野田『まあ、そうだね』
右京『それより、わざわざこちらに出向くということは何かご用があるのでは?』
小野田『うん、今の事件、どうやら裏があるようなの』
亀山『どういうことです?』
小野田『さっき言ってた宅配荷物の送り主の名前が渡辺久宏だったのよ』
亀山『だれですか、そいつ』
右京『15年前、旧厚生省内でテロ事件が起きたのはご存知ですよね?』
亀山『そういや、ありましたね』
小野田『そのとき容疑者として逮捕されたのが渡辺久宏という男なの』
亀山『たしか省内に仕掛けられた爆弾によって一人が亡くなってしまいましたよね』
右京『ええ、そして当時大学院で爆発物の研究をしていた渡辺を容疑者として逮捕、もちろん否認を続けましたが10日後に自白しました』
亀山『それが何の関係があるんです?』
小野田『渡辺は公判中に証言を翻して、警察に自白を強要されたと言ってきた』
右京『ところが、その翌日渡辺は拘置所で自殺してしまったんです』
亀山『そんなニュースありました?』
小野田『君が知らないのも無理ありませんよ。当時、マスコミには圧力がかけられてほとんど有耶無耶のまま自殺として処理されたんだからね』
右京『そして今回の事件で彼の名前が出てきましたか』
小野田『どうやら15年前の事件を片付けないと今回の事件は解決できないようだからね、お前に捜査を頼みたいのよ』
右京『どんな結末になってもよろしいのですか?』
小野田『お前のことだ、真実を知ってしまったらもう止められないだろ』
亀山『まず何から調べます?』
右京『当時の事件から調べてみましょうか』
取り調べ室にて
伊丹『あんたの名前は?』
被疑者『西口文雄(45)』
三浦『なんでこんな事件起こした?』
西口『あいつらが階級社会を作り出したんだ、だから俺が始末した』
伊丹『で、凶器は?』
西口『表の車の中にある』
伊丹『芹沢、すぐに調べろ!』
芹沢『確かに血の付いたナイフが発見されました』
右京『送り主の名前はどなたでしょう?』
西口『適当に名前つけただけだ』
右京『しかし、送り主の名前まで書く必要があったのでしょうか?』
西口『とにかく、俺が殺したんだ、中野では失敗した、それだけだ』
続く~