76. ゴフリラ― モデル (1700年)の裏板はちょっと変わった1枚板 | ヴァイオリン製作家 大久保 治のブログ

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自作弦楽器製作について、楽器、工房での仕事中心に書いています。

 76作目のヴァイオリン 「ゴフリラ― モデル」の続きです。 前回側板を接着した所までを記事にしました。

 

 

 ライニングは最近お決まりの「柳材」です。 2ミリの厚さに削って用意します。

 

 

 アイロンで曲げて 裏板との接着面にニカワで接着します。

 

 

 翌日 クランプを外して確認。 10ミリ幅なので 上部にはみ出た部分をブロック、側板 共に削り、底面の平ら出しをします。

 

 

 はい、 平らにしました。 平らになったのでつのの先端部を直角に仕上げます。

 

 

 アッパー、ロワバウツの側板の断面が出るようにC部との境が角になるように垂直に仕上げます。 ここまで来たら裏板の出番なので 用意します。 今回のこのモデルの裏板材は 現在ジブリパークの地球屋にある 天沢聖司くんの弦楽器工房をプロデュースした 製作家 藤井大樹君がクレモナ留学中に 送ってくれた材料で、2007年にモンドムジカで購入した物です。

 さてどんな材料でしょうか?見てみましょう。

 

 

 玉杢 又はバーズアイと呼ばれる 通常トラ杢のように横にラインが出る物と違って かなり変わった模様になります。

 

 

 1枚板ですが、分かりやすいように センターラインを書いてから ボディーのシェイプを罫書いて いよいよカットします。

 

 

 それほどガッツリ玉模様が多く出ているわけではないので この程度なんですが 2007年から ついにこの材が楽器になる時が来て 材も喜んでいると思います。 さて次回はこの裏板の表面を パーフリングを入れて 仕上げます。どこまでこの変わった杢が綺麗に出てくれるか 期待しましょう!