76. Matteo Gofriller 1700年モデル 製作開始しました。 | ヴァイオリン製作家 大久保 治のブログ

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自作弦楽器製作について、楽器、工房での仕事中心に書いています。

 

 まだ 66作目、 70作目、 73作目、 74作目、 75作目 も完成していませんが(汗)、 76作目の楽器の製作をスタートしました。以前に ちょっと変わったモデルを作るかも知れません、と書いたと思いますが、実はこれの事でした。

 

 マテオ ゴフリラ― はストラディヴァリと同じ時代に生きた作家で このモデルもちょうどストラドが試行錯誤の末かなり満足のいく形を作り始めた1700年のヴァイオリンなのだが、 この前年のヴィオラの裏板にはパーフリングが入っておらず、切込みであるので どういう作風なのか良く分からない。ちなみにこのモデルにはちゃんとパーフリングは入っている。

 

 一躍この作家を有名にしたのは あのチェリストの「パブロ・カザルス」が愛用していたことが大きい。それでゴフリラ―のチェロの評価は高く、ヴァイオリンよりもヴィオラの方もどちらかと言うと貴重なのだが、 資料がないので 今回はヴァイオリンと言う事で…(汗)。

 

 さて この「ゴフリラ―」と言うヴァイオリンを今回選んだ理由がもう一つある。 このストラディヴァリと同じ世代の楽器としては 自分自身 唯一本物を弾いたことがあったので 印象に残っていたからである。 私の師匠の所に修理で来ていたものを

弾かせていただいたのだが、かなり良い音だったのと なんと値札が付いていて 見たら 5000万円と書いてあって ビビった事も憶えている(笑)。

 

 

 まず 新しいモデルを作る手順として最初にやる事は テンプレート製作である。 今回のモデルには一応資料があり、 表、裏の隆起の形も出ているので そこそこ近い感じには(外見的に)作れるのではないかと思う。

 

 

 さあ モールドを作って行こう。 今回は昔に数本作った 15ミリ厚のモールドにして 菊田さんと同じやり方で側板を接着してみたいと思います。 ハンズで合板を買いましたが、けっこうなお値段で、有料でカットしてもらうのを諦めて この90センチの長さのまま電車で持って帰ってきました。(汗)