めったに入らないミドルスクール校内
スクールからカンファレンスの招待のメールが着信。
それも対面の会議、
って、いつ以来か忘れてしまうくらい久しぶりです。
日本に出張に行ってしまう前に、
と調整してくれました。
メールには長ーいドキュメントが添付されていて、
タイトルは、
”INDIVIDUALIZED EDUCATION PROGRAM”
(個人教育プログラム)、
KIKIの特質に合わせて策定してくれたオーダーメイドの教育計画です。
もう３年通っているミドルスクールなのに、
ママとパパが校内に入るのはほんの数えるくらいで、
KIKIの絶唱がひびく、アロハコンサートくらいです。
いつもゴルフカートにのって校内のクルマや、生徒を仕切っているセキュリティのミス・ナオ。
「キミラニ、マムとダッド案内できるよね」
キミラニは、いつの間にかハワイでついたKIKIのあだな。
KIKIをそれは可愛がってくれるミス・ナオ、
いつも思い切りえこひいきしてくれます。
Ｂビルディングのとあるお部屋でカンファレンス、
どうやらここは、プログラムコーディーネーターのミス・スアや、
エイドのミス・クリスのオフィス兼スペシャルエドの教室みたい。
ホームルームは違う部屋で、
マスも、ソーシャルスタディーも、サイエンスも違うクラスルームで、
ランゲージアート（英語）だけ、ここでお勉強します。
そんな情報も、３年経って初めて知ります。
対面でのIEPカンファレンス
カンファレンスの間、
KIKIはクロッシェをくいくいして待ちます。
口火を切ったのは、副校長先生で、
連邦法の”障がいのある人の教育法（IDEA）”と
関連するハワイ州規則で与えられている権利を説明されます。
それぞれ自己紹介が終わると、ＩＥＰカンファレンス開始。
”学習能力の現在レベル”で
KIKIのスクールでのお勉強の現在地を知ります。
先生たちの目に映ったKIKI、
こんな風に書き始められています。
「キミは可愛らしくフレンドリーでお友だちに対して社交的です。お遊び好きで可笑しくて、でもちょっとおふざけが過ぎて気が散ったりします」
その通り。
その一方で、不安だったり、自信のないときには言葉でのコミュニケーションにまだ問題を抱えている、という見立ても同感です。
それぞれの学科の評価を聞くのは冷や汗
スピーチ、
機能的コミュニケーション、
英語、
スピーキングとリスニング、
算数、
とそれぞれの強み、弱み、ニーズ、提案、を説明してくれます。
ちょっとずつは前進していると思うけど、
まだレベルとしては、小学生２～３年生くらい。
一度覚えたことも、一日経つとまったく元通りになっちゃったりするのがKIKIたちの特質。
行ったり来たりでも、根気よく前を向きます。
ミドルスクール卒業に向けて
毎年のＩＥＰと違うのが、このペーパー。
KIKIは、この秋になんとハイスクールに進学。
日本とは違い義務教育なので、
困難があっても、全員進学です。
そのハイスクールに向けて、KIKIがこんな女の子だよ、とＩＥＰは伝えてくれます。
ところが、まだハイスクールが決まりません。
第３クォーターに入ったミドルスクール、
３月の春休みを挟んで、５月末までの第４クォーターをもって修業。
学区のハイスクールに進学するお友だちは、手続きも始まろうかという時期だけど、
KIKI、ＧＥ（越境入学）申請をしました。
その結果が届きません。
果たしてKIKIのハイスクール、どこになるのかもちょっとばくばくします。
ちらちらハイスクールは気になるけど、
ミドルスクールで取り組むお勉強も大切。
まだ３カ月半あります。
KIKIの目標はグレード８のみんなと一緒
各教科の目標は、教育指導要領からピックアップされた項目がならびます。
ちょっとびっくりしたのは、
その各項目は、グレード８（中学校３年生）レベルから選ばれたもの、で
スペシャルエデュケーション限定の目標という訳ではありません。
KIKIの今を見知っている先生、コーディーネーター、セラピストが
アタマを寄せ合って、設定してくれるのがこのプログラム。
年間達成目標
効果測定方法
目標に近づけるための施策
ベンチマーク/短期目標
を事前に、KIKI、ママとパパ、そしてスクールが合意するのがこのカンファレンスです。
さすがにグレード８の健常のお友だちと同じお勉強ではついて行けるはずもなく、
「キミのレベルにちゃんと合わせて教材や学習方法を用意しています」
目を丸くしていたパパの表情を察してか、
ミス・スアが言い足してくれます。
スクールに期待するのは、いろいろな教科の学習だけど、
ちゃんとママとパパの懸念も反映してくれます。
最後のページは、スペシャルニーズのあるKIKIに加わる様々なサービス。
アダルトエイド（加配さん）をはじめ、いっぱい並びます。
ちょっとうるうる
お勉強もよりよく理解できるようになってほしいけど、
と保護者のコメント欄の説明に移ると、
キャリアテックプログラムの先生、
「キミちゃん、期待以上にちゃんとできていますよ ほかのお友だちにアドバイスするくらいだから」
なんだかみんな我先に伝えておきたい、と先生たち前のめりにお話しし出します。
副校長先生も
「キミは本当に愛らしくて、陽気で、正直わたしは一番好きな生徒です」
いつもKIKIを支えてくれているミス・スアは、
「あとたった３カ月ちょっとになっちゃった キミが卒業しちゃうなんて・・」
とちょっとしんみり。
そんな先生たちの言葉に、ママはもううるうるです。
「ありがとう」
お調子者のKIKI、
きっと先生たちを困らせていることもあると思います。
愛情をせいいっぱい注いでくれるこのスクールのファカルティー、
KIKIは恵まれています。
感謝しなくちゃね。
やっと、先生たちとも絆を深められてきたと思ったら、
もう残り少なくなってしまったミドルスクールでの時間。
あまりに早い３年間です。
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