開くはずの水の元栓が・・
もっこり膨れ上がっているフロアは、じわじわ育って破裂しそう。
ダイニングテーブルを居間の方に押しやっても、
ママが椅子を引くときにそのお山に引っかかるし、
KIKIは時々、つまづいて、ばたりしそうになります。
とうとう３週間、漏水は放置状態で、まだどこからかちょろちょろ流れ続けます。
その間に変わったことと言えば、
どかん、と壁に３つの大穴が開き、
ベースボードがべりべり、と剥がされ、
部屋中に湿度がメモされたマスキングテープがぺたぺた、
そして、水が使えません。
水の元栓をしめて、待つこと４日。
階上からの漏水かどうかは、湿度の増減で分かります。
夕方、水道屋さん到着。
体格のいいカマが、プレッシャーテスト用のコンププレッサーを運び入れ、
いっしょに上がってきたコンドミニアムのエンジニア、アンジェラが、
「はーい ごきげんいかがー」
やっと、漏水箇所の特定作業に入れそうだから、
KIKIファミリーもちょっとハッピー。
湿度計や赤外線サーモグラフカメラであちこちチェックし始めたアンジェラ。
ちょっと複雑な表情をします。
空振りが続く調査
結局、居間の床下の湿度は上がり続け、壁や書斎の湿度はちょっと低下気味。
どうやら階上からの漏水のせいではないらしいけど、
「じゃ、なぜ床下が増水しているの？」
どこかの水道管から漏れていたとしても、
そもそも水の元栓を閉めているので、ユニット内の水道管に水は流れません。
カマもアンジェラもお手上げ状態。
とにかく一度室内の配管から漏水があるか、再調査。
盛大な音を立ててプレッシャーテストが始まります。
これで圧力が低下すれば、どこかの配管から漏れています。
あとは、一本一本個別に圧力テストをして、どの配管か特定します。
というシナリオだけど、
そもそも元栓が閉まっていたのに、増水するって、
その水はどこから来ている？
そしてプレッシャーテストの結果。
「２０分圧力をかけたけど、まったく配管に異常ないね」
カマも戸惑います。
プレッシャーテストが終われば、ダメな配管が分かって、修理完了、
を思い描いていたKIKIファミリー、
がっかり
心待ちにしていた水道の復活、
あえなく撃沈。
もはやミステリーの様相で、
建物管理のエンジニア、水道工事屋さん、エアコン屋さん、
それに修繕会社のエンジニア、総動員でも、
調査は、からぶり。
断水延長決定（泣）
「今度は２日間、冷水だけの元栓を閉めて、様子を見に来て再調査、
そのあとに、今度は温水だけの元栓を閉めて、また２日経過観察、
あと５日、断水が必要ね」
アンジェラは申し訳なさそうに言っているものの、
「こんな膨れた床見るの初めて、ファニーだわ」
KIKIが喜ぶよね、
なんて言い出します。
もらい水生活がさらに１週間。
何かと困る暮らしが続きます。
温水は出るけど、そのままだとアッチー
ので、シャワーもやっぱりもらい湯。
ジムのロッカールームのシャワーをお借りします。
同じ器具が設えてあるから、
勝手も一緒。
オウチで浴びるのと違いはないのに、プール上がりのシャワーみたいな気分です。
おトイレもこのロッカールームだし、
気が向けばサウナバスだの、ミストバスもあって、
スパにお出かけしたつもりになれます。
と言うよりは、
シャンプーだの、トリートメントだのを
バスケットに入れぶら下げてくるから、銭湯気分かな。
洗面もこの一角。
KIKIはお風呂上がりのぶーん
（ドライヤー）もここで、
歯磨きもここ。
しっかりパジャマ姿でエレベーターで行ったり来たり、
も全然気にしていない女子たち。
せめてジャケット来ておくれ。
もらい水暮らしはできるけど
お料理にもお水が欠かせず、
温水だけではどうにもなりません。
お世話になるのは、コミュニティキッチン。
パーティーや、
お料理のワークショップの集まりや、
で活躍する空間も、
KIKIファミリーのお炊事でお借りします。
きっと週末になれば、ここもわんさか賑やかになってしまうので、
そんな時の頼りは、
コミュニティストーブ。
バーベキューストーブがいっぱい並び、
シンクもあって、
それに予約の必要もありません。
オウチの中で済むはずの営みが、
こんなにあっちこっちに駆けずり回る羽目になります。
それでも、共用の設備のおかげで、
「何とかなっているから大丈夫」
そう自分たちに言い聞かせます。
でも、
あと５日間かあ・・
（遠い目）
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