控えめの新年のことほぎ
新しく輝かしい年の一日目。
とは言っても服喪中です。
松飾りはせず、華美なおせち料理もない元旦。
それでもママが顰蹙買わない程度に、とお正月料理を用意します。
れんこん酢煮、
なます、
叩き牛蒡の胡麻和え、
ローストビーフサラダ、
まぐろとブリのお刺身、
かまぼこ、
もちろんお雑煮も並びます。
お祝いを大っぴらにしない年明けだけど、
KIKIの日本語の練習にかこつけて、
「あけましておめでとうございます
」
例年に比べると、簡素なお正月の食膳で始まります。
冠婚葬祭の時にしか縁がなくなってきている寺社仏閣。
年の初めにいろいろお願いやら、約束やら、という初詣。
KIKIファミリーは、ちょっと違って、
毎日お仏壇に向かうので、初詣はお祈りのためというよりお正月気分の遠足、という感じ。
それも服喪中のお参りはどうだろう？
神社はダメ。
神道では人の死を不浄なものとしていて、喪中の人の境内に踏み入りを嫌います。
仏教、つまりお寺は大丈夫。
生死は流転し繰り返されるもの、と考えられているので、
死は次の生に向かって充電、ととらえます。
お正月気分の遠足
歓迎されない神社は避けて、近くのお寺、
目黒不動尊に初詣です。
どれも飛び跳ねているKIKIをぱちり、
ダウンを着ているせいもあるけど、
まるで風船です。
驚いたのは、その人出。
パンデミック前は、当たり前の光景だった長い行列、
ここ数年、じわりじわり戻り始めていて、
今年は炸裂、と言う感じ。
お参りの列は仁王門からはみ出して境内の先の参道にまで達していて、
境内に踏み入っても、大本堂に通じる男坂の急階段も人々でびっしり。
ざっと３０分ほど、のんびりお不動さんの森の中を進みます。
怒ったお顔の不動明王（お不動さん）がこのお寺のご本尊で、
煩悩を断ち切る剣（俱利伽羅剣）を、救いがたい俗人たちを救うと言われています。
女子たち、なにやら真剣にお祈りしました。
お不動さんに限らず、
やっぱり
人が活発に動き出しています。
ホノルルからのヒコーキも思いがけずほぼ満席。
その流れが加速する新年になるのかな。
ちょっと懐かしい不動公園
境内をオウチに向かう裏手から出ると、
ここもにぎやか。
KIKIがハワイに移住する前、
今は天国にいるハムとよく遊びに来た不動公園です。
子どもたちは冬休み、
それに元旦というハレの日。
いつもゲーム機だの、パソコンのＹｏｕｔｕｂｅや、ＴｉｋＴｏｋにかじりついている子供たちも、
ひさびさ、飛び出してきているみたい。
ハイスクールに進学する年を迎えたKIKI、
ちっちゃなお友だちが走り回るのをほほえましく見ています。
と思いきや。
中身が伴わないKIKIは、遊びたい遊具が幼児と一緒。
アスレチック遊具にとりついたはいいけど、
カラダは重くなっているし、
足首はふにゃふにゃだから、
ちっちゃなお友だちがひょいひょい渡る、丸太吊り橋ではフリーズ。
にっちもさっちも動けなくなります。
やっと渡り切ったけど、半ば泣きべそ。
そろそろ卒業しなさい、って言うことです。
ハッピー、そののち沈痛
いつもは元旦の午前中は、両親への挨拶の年始の食事会だったけど、
ジージも４年前に亡くなってしまい、ちょっと趣が変わりました。
それに今年は服喪中と言うこともあって、
簡素な夕食会です。
でも、小弟はすごいハッピーを連れてきました。
なんとお嫁さんが一緒。
しばらく独り身だった小弟、
気絶するくらい年の離れたお嬢さんと再婚。
結婚式も間近です。
ママは、その馴れ初めを聞きたくて、
手ぐすね引いて、というより、
ほぼよだれを垂らして、
来訪を心待ちにしていました。
元旦からラブラブ
充満のお部屋だあ、
なんて浮かれていたのは、わずかな間。
”震度7！
津波 逃げて！”
テレビに大きなテロップが張り付きっぱなしになります。
新年のあまりに凸凹の始まり。
こんな元旦になるなんて、
重いココロを抱えてのスタートです。
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