連休明けのホノルルは、
雲勝ちと言うより、一面が鈍色の厚い雲。
朝、泣き出しそうな空を見ながら、スクールまで送っていくクルマの中で、
KIKIはお天気予報の話題。
「サンダーのマークがあったでしょ」
「うーん サンダーはないんじゃない」
ナイスにしていないと、カミナリにおへそを取られる、と
刷り込んだいたら、
クスリが効きすぎて、すっかり苦手。
ぴか
ごろごろ
もうKIKIは生きた心地がしません。
幸いスクールに着くまでに、雷鳴はなく、雨粒も落ちませんでした。
ドロップオフして戻ったら、
様相が一変。
どー、といきなりの豪雨。
雨の一粒、一粒が見えるくらい。
街は、あっという間にびしゃびしゃ。
そのうち、カウアイ島とオアフ島に”Ｆｉｒｓｔ Ａｌｅｒｔ ｗｅａｔｈｅｒ”の注意報発令。
洪水注意報（Ｆｌａｓｈ Ｆｌｏｏｄ Ａｌｅｒｔ）などの差し迫った警報より、
事前に注意喚起したいときのアラートみたい。
ところが、窓の外は、
とても外出したいと思えないような荒天。
もうすでに、大雨暴風まっただ中、です。
ざあざあの雨は珍しくもなく、
気がつけばもう空は真っ青、なんて日が多いハワイ。
ところがこの日は、重いお布団のようなぶ厚い雲は消えず、
どんどん湿気が流れ込みます。
カウアイ島の西、３００マイルには、停滞する前線。
オアフ島の北西７００マイルにも巨大な低気圧が居座って、
雨と風と、
いきおいが衰えません。
こんなお天気なのに、KIKIは今日もスイミング。
近くの公園プールで今週末のスイムミートに向けて特訓中。
どうせお水の中だから、ざあざあ降っていてもへいちゃらかな。
でも、
いつもはプールが終われば、ハワイのお日様に暖めてもらえるのに、
きっと寒いね。
辛うじてスイミング中は曇天のまま。
元気にご帰還です。
「じゃ ＲＵＮに行ってくるね」
いつものように夕方からお散歩兼ＲＵＮ。
ちょうどホノルルにもどって２週間。
東京でサボっていたＲＵＮを、またそろりと再開。
夕方から予定がない日はほぼ毎日、
歩いたり走ったりの５Ｋｍをもう１０日。
歩いていると走りたくなる気持ちにやっとなりました。
昨日は真横からモーレツな風でとことこ歩けません。
南から、低気圧のある北の空に向かう風向は、
いつもとは真逆。
お天気が変調となると吹く、”コナウインド”です。
晴れ渡れる日も少しづつ現れて、
雨季の終わり？
と期待するけど、どうやらまだまだ。
それにしても、一日ほとんど青空が見えないハワイは久しぶり。
雨に、風に、ひどいこと・・
だからビーチパークにいる人々には散々です。
まるで台風の縁がハワイをかすめているような奇妙な雲。
白いはずの積乱雲が、濃いグレー色、
奥に幾層にも厚いむくむくした暗い色の雲が重なり、
怪しげな雰囲気。
南風に押されて、海も大荒れ。
うねりが深く、
波がしらはすぐ風で砕けてしまい、見渡す海は真っ白。
びっくりするのは、
こんな荒天なのに、サンセットクルーズに、ディナークルーズのボートがゆらゆら。
よほど船に強い人でない限り、
もれなく、ひどい船酔いつきです。
ビーチにも人影はまばら。
パークドライブ沿いのウォークウェイを行きかうのは、ランナーだけ、です。
と思っていたら、
日本のウェディングフォト隊、おそるべし。
ドレスが風に吹き上げられるに任せて、
サンセット時間帯での撮影敢行。
雨は断続的に、じゃー、と振り出すけど、
この時間帯は手を緩めてくれているみたい。
びっくりしたのは、このウェディングフォト隊、
いっぱいいます。
走りながら、
こんな風に思っていました。
「冴えないお天気で、みえるはずの夕陽にも恵まれなかったから失望したかな
でも、いつもは素晴らしい夕暮れの景色が出迎えてくれます
いつかまた、ハワイに来て、そのスペクタクルを堪能してね」
とか、
「雨が落ちてきませんように
それに、もしかすると少し空が赤みをさすかも」
とか、
せっかくの、どころか、
一生に一度（たぶん）の佳節に、
よどんだ空が背景になっちゃうのは、
自分のせいではなくても申し訳なくて、悲しくなります。
美しい夕焼けバックの一枚、を諦めたのか、
マジックアイランドのラグーンのビーチにも数組。
確かに、ハワイでのウェディングフォト、
どんよりお空が背景では、がっかりだから、
水平線に見えない、このビーチが次善のロケーションなのかな。
数えてみたら、
この日は５組。
先週の４連休は、２日ほどきれいなまんまるのお日様が、空を焦がしたのに、
その日はウィディングフォト隊は見当たらず、
間が悪い、
というのか、なんというのか。
恨めしくぶりぶりした雲を眺めていたら、
「あれ」
そろそろ日の沈む時刻、の西の空。
にわかに一か所だけ、ほんのり色が挿します。
お日様が見えなくても、空にきれいな彩が映えれば、
最高、と言えなくても、
よほどましな背景です。
よかった、
他人事だけど、嬉しくなります。
雲透かした明かりは、
どんどんいきおいをまして、
予想もしなかったことになりました。
風はびゅうびゅう、
時折、驟雨が通りかかり、
びっしりと墨色の雲が敷き詰められた空、
なのに、
じわじわじわ
夕陽が顔を出し、
やがて僅かな空間、わずかな時間に
思い切り輝きます。
これだけ逆境をはねのけての夕陽を見るのは、初めてかも。
いっぱい集まったウェディングカップル、
その想いは、お日様に届いたみたい。
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