風
風の強い日。
カシャカシャカシャと鳴って乾いた豆のサヤが無数に落ちる。
そう言えばこの現象は妙に記憶に残っているなぁ。
日頃比較的風の吹かないリュブリャナだけど、
きっとこの風はこの時期の名物なんだな。
最近設置された幼稚園の旗。
鯉のぼりだぁ、と思って、
しばし娘とちびっ子と見入ってしまった。
クロッカス!!!!
日の光に花びらがセロファン紙の様。
こんなに存在感のある花なのに、
咲き終わると乾いて色あせたただの紐みたいになってしまう。
ツーリストガイドを囲み団子状になった観光客があれば、
そんな話はそっちのけ、
一人はぐれてクロッカス激写に没頭する者あり。
本日はティナが料理のワークショップにやって来た。
そうだ、私のは料理教室、とかではなくてワークショップだな。
試食になってマリノ登場。
マリノの真黄色のスニーカーはもってけどろぼうセールで
8ドルだったのだって。
シティバンクの株が一気に三倍以上になったのに、
早く売りすぎた~、とか。
魚の話やら、子供の話やら、カポエイラの話やら、
旅の話やら、食べ物の話やら・・・、
どれをとってもマリノの話の切り口は
頓珍漢の様で絶妙に計算されているよね。
セルビア人、ってのはこういう頭の回路の人が多いのか、
そうれとも偶然私の周りのセルビア人がこうなのかねぇ。
さて、献立は、
ゴフ(魚)照り焼き、アスパラ温玉、
蒸し鶏と千切り野菜の海苔巻きサラダ、
市場で見つけたグリーンピースいっぱいのご飯、
と、椎茸のおすまし。
春の野草が出始めて嬉しいね、と意気投合。
18日
絡まった毛糸球がすーっとほどけたのが火曜の正午。
近しき方々のご協力によって、
翌日、水曜午前11時には新居の鍵を手にしておりました。
ウナギは旦那が捌いて、焼いてくれて、
新居の祝いのひつまぶしになったとさ。
もうでも二度とウナギは買わぬ。
目打ちが無くて、
私の右手が目打ち代わり、
頭をぎゅっと押さえる役目だったのだ。
成仏しておくれ、ウナギ殿。
祝いの膳に上がったのだから。
頭脳明晰
魚市場で鰻を買った。
活きた鰻の入っている大きなその水槽の水を掻き出して、
魚屋のおじさんは、ツルツル滑り逃げる鰻を追い回し、
最後に勢い好くポーンと放り上げて、
鰻は宙を舞い、ちびっ子のベビーカーの下へ逃げ込んだ。
それを拾って魚売りたなへポーンと投げたら、
慌てた鰻はそこにいた鰯を口にくわえてモゴモゴもがいた。
ビニール袋に入れられ、暫くウニョウニョしていたけど、
間もなく窒息。
嗚呼、ストレスホルモン・・・。
(ですか)
何ヶ月ぶりかに頭脳明晰。
アパートの契約をする。
内覧に行った時より随分家賃が下がった。
時と意識のラグ
A子さん宅にてプレイグループ開催。
今回はピアノの発表会同時開催。
I先生にピアノを習っている子達
&I先生には習ってないけど弾く子達の発表会。
可愛いお手手が鍵盤の上を踊って、
可愛い音色が空気を満たす。
ビデオ片手のお父さん達。
娘さんと連弾のお母さん達。
お兄ちゃんお姉ちゃんの奏でる音楽に耳を傾ける・・・。
最後はI先生の演奏披露。
そして、
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち~。の大拍手。
嗚呼、山ほどやりたい事はあってさ、
山ほどの事ができちゃいないのさ!
誰しも人生ってそんなもんでしょか・・・。
元来野心とか野望とか・・・に理性と理念と思念と思想と想像と、
絶対と空想と自然と必然と・・・
を奪われないように底で心掛けているのだけど。
しかしながら、一日24時間、
はぁ、東西南北、の平等に変わりはなし。
でも、Nさんみたいに自分ペースな瞬時の思いつき、
にを身を委ねている(風に振舞える)人こそ幅をもって生きてるのだ。
と、気付く瞬間もあったり。
要はバランス。
絶妙なんだ。そこなんだ。
狭くちゃダメさ。
幅は必須。
しかし、幅ビロもダメ。
欲言えば、研ぎ澄まされたセンスとアソビ、
それなんだよね。幅とか奥行きとか。
あ、日本人はむしろ奥行き、だね、馴染みのあるのは、いろんな意味で。
鰻は白焼きに山椒が一番だ。
嗚呼、虚しく垂涎。
方程式があって、
方程式が当て嵌まって、
そういう世界の中が、Yes Noに分断されても、
追随する 玉虫色の光加減 はアナタ、そうさ。
やっぱり、私は私の事なんて、全く知る由もない。
鳥の家
そうか、もうこんなイベント到来。
鳥の家を作って流す、グレゴーリエヴォね。
春はね、愛の生まれる季節でもありますからね。
おうちを作ってあげましょ。って、鳥のつがいに。
さて、
長男を学校から連れ、幼稚園へ。
園では親子で思い思いの 鳥の家、を木やら紙で作製。
(写真後方で風船を持っているのはちびっ子。
すっかり馴染んでいて放っておいても
アッチコッチの親御さんの膝にちょこんと乗ったり、
オモチャで遊んだり・・・。
「そのオモチャは出さないで。」 なんて言われたら
それなりに反応してるみたいで、そうともなりゃ
「スロベニア語もちゃんと分ってるし、
(スロ語が分るってより語調で判断してるだけだろうけど)、
今日こそ連れて帰るわ。問題なしよ!」 と先生達は大喜び・・・。
ちょっとしたミニアイドル的存在で母は楽させてもらってますよ、
こう言うシーンでね。)
しかしながら、
こういう時って子よりむしろ親の方が真剣な眼差し・・・。
しばし作製に取り組んだら園庭で記念写真撮影、
大小様々、出来上がった家ボートを手に、
「じゃぁ現地で会いましょう!」なんて号令で、
ゆるゆるとバラバラと、トゥロノヴォの小川へ家ボートを流しに。
オチャラケ長男は
道中ずっーと変な歌と変な踊りで女の子の笑いをとる。
気付けば両手に3人ずつぐらい花。
まったくもってお調子モンなんだからさぁ・・・。
恥ずかしいやらアホラシイやら。
穴があったら入りたし。呆れて言葉が出ませんよ、母は。
ワイワイと現地に着いて、いよいよ家ボートを流す。
と、言ってもボートにはちゃんと毛糸が付いてるからね、
うちの子達なんて終始「流したくなーい。」の一点張り。
お調子モンの長男は片足水にボチャン、だし。
ま、お約束ですかね。
そんなこんなしてたら、
「ベビーカーもあるし川沿いは付き添えないでしょう。
僕がお子二人の手を繋いで行ってあげよう。」
なんてエマ父がこの上なくスマートな笑顔で申し出てくれたんで、
「アホウな二人ですがお願いします。」と、託す。
結局うちの二人は家ボートを何の為にだか
流さず持って帰宅。川のゴミ減量、にはなったか。
そう、もう一ヶ月も前だけど、
学校の上半期が終って、
”学校ではこんな事をやりましたよ” のお知らせが来た。
スロベニアの小学校ではまだ一年生には成績表無しだから、
出来がどうか、は不明だけど、
それぞれの科目で一応こんな事教えました、って内容が書いてあった。
それがね、
先生のサインと学校の判が押してあるのだけど、
少々斜めに印刷されていたのは何か意味があったのかしらん。
考えすぎなのは分っているけど、
こういうところのセンスですか、
メンタりチィですか、不思議であるよね。
ま、うちのアホウな長男にはお誂え向き、と云ったとこでもありましょか。
3月12日
そうだ、弟の誕生日だ。
一年の内一ヶ月だけ一つ違いの弟その一。
去年秋に植えていたスミレを移植。
冬の間は全然育たなかったけど、
偉いよね、あの零下続きの凍土を生き延びたのだから。
こういう植物は冬になると自らの糖度を上げる事で
完全に凍らずに越冬するのだって。
白菜や葱は霜が下りてからの方が美味しい、
ってのはそういうことだそうですよー。
さて、その葱(若いポロ葱)をヴックが買い過ぎた、
って言ってお裾分けしてくれたんで、
餃子にしたり、肉団子に入れたりして頂きました。
そして、その大量に出来上がった肉団子、半分はカレーに。
先日義母さんが バーモントカレー甘口 と言う
お子たちの大大大好物を送ってくれたのでね、
晩御飯はカレー。
こちらは、今朝。
朝ごはんもカレーですよ。甘口だからね。
ちびっ子は随分スプーン使いが上達して、
こぼしながらも自分でやんないと気が済まない模様。
猛スピードで頬張ってモグモグモグモグ。
ミルクをぎゅーっと飲んで、いやぁステキです。
娘も。
と、思ったら、あれ?テーブルには何ものってない。
ちびっ子のを横から一口つまみ食い・・・の図かな?
長男は昨日学校で
キンダーサプライズ、っていうチョコのお菓子をもらったのね。
卵型のチョコの中に、カプセルが入っていて、
その中にオマケのオモチャが入ってるヤツね。
で、長男はそのカプセルを ポコっ! って開けては、
「だからおとうさん!ワインの飲みすぎですよ~!」
なんて繰り返し繰り返してやってるんで、
なんだろ?と思ってよくよく聞いてみたらば、
親友アルネの真似なんだってさ。
ポコっ はワインの栓の抜ける音。
あはは。
アルネったら日頃からの ”お母さんのオッパイが大きい” 話やら、
何でも喋っちゃって大事ご家庭の情報、筒抜けですよー。
ホントに男の子って・・・。プライバシーも何もあったもんじゃない。
3月11日
トゥロモストイエ麓のカフェカカオ。
日当たり好し、くつろぐ人々で大賑わい。
この時期のカフェ売り上げは日当たり次第。
コーヒーの味は二の次だね。
このカフェカカオ、ポルトロッシュ店は
砂浜に向ってダダーンと大きなソファー展開中。
シンプルな雰囲気にノンビリ何時間もいれちゃうから、
店としては結果回転は悪いのかも・・・。
いずれにせよ、外カフェは何処も掻き入れシーズンスタート。
さて、
娘を迎えに行った幼稚園では皆さん、
スノードロップの絵を描いたのね。
春を告げる小さな花。
学校の兄を先に迎えに行ってたので、
この後はお子三人、近くの公園で一遊び。
鳩にエサを蒔いては追っかけて、
またまた「きゃはははー」。
朝の零下が嘘の様。
気温二桁となりゃTシャツ一枚な上の二人。
3月10日
一日未来日記を書いている長男。
いつから日付がずれたんだか。
昨日は放課後担当先生のエリカが、
長男を迎えに来た私に、
「K君、ここのところ柔道に行きたくない、って言っていたのが、
今日はとうとう休みましたよ。」
と。
柔道は学校の体育館で行われているから、
週二度、放課後の3時半に、
柔道を受けてる子供達にエリカが号令を掛け、着替えさせて、
体育館へ行かせるのね。
まぁ、そんな事もあるわな、と、その場では特に追究せず、
今朝になってやんわりと聞いてみたのね。
どうして柔道行きたくないの?って。
そうしたら、
「やっちゃいけない事をやる子がいるんだよねー。」
なんて言うから変なの、と思いつつも
あくまでもやんわりと芋蔓式に話を聞き出したら、
「怒られて座らされるんだよね・・・。僕もさ・・・。」
と、小さく白状。
どうやらその やっちゃいけない事をやる子、
にちゃんと自分も含まれている様子。
ははー、と思って、
「そうか、じゃぁどんな感じなのか、どんな事がイヤなのか
今度柔道見学に行ってもいい?」
って言ったら、
俯き加減に、ちょっとニンマリして
「うん。」と。
この心理、分るような分らないような。
自分も本当は悪戯して怒られてるからバツが悪いんだけど、
見に来る、って聞いたらふと嬉しかったのよね。
で、ニンマリ、がついこぼれたんだな。
そんな今朝は気温もマイナス3℃。
晴天で放射冷却ってヤツでしょうか。
久方振りに車達が凍っておりました。
それがあれよあれよと気温が上がると、
日陰の霜がクッキリ白く残っている実に面白い瞬間あり。
地面の木陰は真っ白。
家の屋根も、屋根裏部屋の出窓の影は白く残ったり。
園へ娘を入れて、遅番の旦那とソフリッツァでカプチーノ。
この全然気取って無い雰囲気がいいよね。
ただの市場の端っこのカフェ。
ここを最終目的地として家を出る人、って
いないかもしれないけど、賑わってはいるのだ。
ここへ来る人は市場の他のカフェへは行かないのよ、きっと。
さて、
園から戻った頃には丁度いい日向ぼっこ気分で、
窓を開け放ち、バルコニーの掃除。
足元にはちびっ子の土遊び。
そして、大家が集金に来て、
ちびっ子は現在私の横にて雑巾で床掃除・・・。
ご苦労様。
報酬はバナナ、既に二本目。
あ、半分口からはみ出ているでは・・・。おーっと。
くださるのか。アリガタウ。
地元で
先週に引き続き、チボリ公園。
ウィークデーの間冴えない空模様だったのが、
週末は気持ちよく晴れたら、半袖な我がお子達。
クロッカスが街中あちらこちらで花を咲かせる。
あんなに凍った地中で冬を越していたその生命力。
確かに、可憐でいながらも力強さを感じさせる植物だ。
機関車も登場。
この瞬間、スロベニア一人口密度の高い公園に決定!
と、云うほどの人出。
散々遊んで、さて、アイスクリーム、とカフェへ行ってみりゃ、
なんと 売り切れ のサイン。
残念!
結局ズベズダへ回ってアイスにはちゃんとありついて、
一旦帰宅。
昼食後、市の博物館 へシャガール展を見に赴く。
彼の作品に出てくる動物達には夢を食べられてしまいそう。
そして、女性のオッパイはどれも満月の様ね。
力強いエッチングにアンニュイな色合い。
そして、緩やかな曲線ときっちりとした発色。
ちびっ子は作品の前で足を停める度に指をさしては
「うぉーっっ!」っと
なにやら大感激(?)。
シャガールの後は、
リュブリャナ市の歴史を巡る常設展へ。
お子達に人気はやっぱりこのフィチャ。
三人でハンドルの取り合い。
6時の閉館までいて、
外へ出たらシャガールとは別の空。
しかし、
雲に表情があるってのは、曇天じゃないって事だからね。
なんともいいじゃぁないですか。
たっぷり地元で遊んだ日曜。
心地よい気候に向けて、
どんどん朗らかな表情を見せ始めたリュブリャナ。
息を吹き返し緩やかに笑みを浮かべる街。
そんな幸せなヒトコマ。

