私には耳たぶがない
今まで気にしたこともなかった
けど言われてみればそのとおりで。
私には、耳たぶがない。
厳密に言うと、耳たぶにあたるような膨らみというか、ふっくらした部分が無いのだ。
耳たぶの有無には強い遺伝傾向があるらしい。
なんと福耳(優性遺伝F)のほうが耳たぶなし(劣性遺伝f)よりも確率的には高いのだ。
ふっくらしている耳たぶには福耳というおめでたい名称があって何故、耳たぶが無いことには名称がないのだろうか。
(耳たぶが無いおめでたい神様も探せば見つかるのでは・・・)
ところで
ヒトは数十兆個の細胞からできているらしい。
生まれてから死ぬまで体細胞分裂を繰り返し、
永遠に私という形の人間の遺伝子情報を複製し続ける。
爪の先から腹の中まで、体中のすべて細胞が
私という1つの人間を形作る設計図を持っているらしい。
床に落ちている抜けた髪の毛さえも、私には耳たぶが無いという情報をもっていると思うと
なんだか部屋に盗聴器を仕掛けられているような、薄気味悪い感覚に陥ってしまう。
約60億個の塩基配列の組み合わせでヒトの形は決められている。
特に肌の色や鼻の高さは遺伝による影響が強いらしい。
昔流行った都市伝説のドッペルゲンガーなんかも、
たまたま60億の組み合わせが非常に近い人のことなのかもしれないな、とふと考えた。
親子等の血縁関係にある者同士の塩基配列は非常に近くなるらしいが、
これは恋愛における「自分にないものを求める」という考えの裏返しなのでは無いだろうか。
ヒトは無限の塩基配列の可能性を求めるあまり、
遺伝子レベルで自分とは違うであろう配列の持ち主を思わず求めてしまうのでは。
そう考えると、街で見かける美男美女のカップルよりも
なぜ、、そのヒトと、、、と思わず問いたくなるような一見不釣り合いなカップルこそ
新たな塩基配列へ挑戦している輝かしい人類のスタートを切っているようで好感が持てる。
私は福耳男性と結婚するのだろうか。
はたまた自分と同じく耳たぶのない男性と結婚して、耳たぶのないこどもを生むのだろうか。
うまくいかない人間関係、もしかしたら塩基配列レベルで
細胞が拒絶しているのかもしれない。
新しい自分を探しに、海外へ行く人が後を絶たないのも、
もしかしたら同じ日本人よりも外国人のほうが塩基配列が大きく異なるからかもしれない。
細胞、塩基配列、遺伝子情報
言い訳に使ってしまおうか。
おわり。