大型熱帯魚を立派に大きく育てるなら、与える餌の種類は非常に重要な要素になります。与える餌の栄養バランスが悪いと骨が曲がったり、奇形が発生して体型が崩れてしまう事もあります。
今回は大型熱帯魚に与えるエサの種類とメリット・デメリットを詳しく解説します。
大型熱帯魚に与える餌の種類
大型熱帯魚を健康的に大きく育てるには餌が重要。成魚になってからも「色揚げ」や「肥満」に気をつける必要がありますね。
人工飼料
人工飼料は栄養バランスが非常に良く、これだけメインに与えても普通に飼育が可能な餌です。「ひかりクレスト」や「テトラ」など複数のメーカーから販売されています。
人工飼料には浮上性と沈下性の2種類があり、形状も異なります。色揚げを考えて作られた人工飼料もあるので、赤い魚を飼育するなら「色揚げフード」を選ぶと良いでしょう。
人工飼料は湿気にさえ注意すれば長期保存が可能なので、生き餌の用意が面倒な人や、生き餌を与えるのが可哀想な方にもおすすめ。
浮上性
浮上性の人工飼料は水に浮くのが特徴で、アロワナやシクリッドの餌に使用されます。形状はスティック状や丸い粒状が多いですね。
沈下性
沈下性は水に沈む人工飼料で、底に沈んだ餌を食べるポプテルスや淡水エイ、ナマズ、プレコなどに与えます。
プレコさんは植物質の餌を好むので、プレコ専用のタブレットフードを与えましょう。ちなみに、肉食魚も口に入るならプレコタブを普通に食べるので、植物質を与える目的で食べさせるのも良いですね。
クリル
クリルはエビによく似た「オキアミ」を乾燥させた、「乾燥餌」の一種です。非常に食いつきが良く、カルシウムが豊富で、アスタキサンチンを含むため赤い魚の色揚げ効果も期待できます。
淡水フグにはメインの餌として与えられますが、栄養バランスを考えて魚や貝類も与えましょう。
クリルの与えすぎに注意
クリルは骨の形成に役立つのは確かですが、クリルを沢山与え過ぎて偏食させると背骨が曲がる事があります。あくまでオヤツとして補助的に与えてください。
金魚
金魚は肉食魚の成魚に与える定番の「生き餌」で、熱帯魚ショップで1匹60〜80円程度で購入できます。可哀想な気もしますが、養殖業者も商品にならない難ありの個体を選別して、生き餌用に安く出荷していたりします。ダトニオなど生き餌しか食べない魚もいるので、そのような大型魚の飼育には必要ですね。
大型魚の成長に必要な栄養素を含んでいるので、金魚を与えるだけで成長速度が早まりますし、不在中でも勝手に食べれるメリットがあります。
栄養価が下がらないように金魚にも餌をしっかり与えてください。金魚に植物質の餌を与えれば、栄養素を間接的に摂取させることができます。
寄生虫に注意
金魚を与える際の注意点として、イカリムシやウオジラミなどの寄生虫を持ち込む可能性があります。5パーセントの塩を含んだ飼育水でトリートメントすれば大抵は除去できますし、生き餌じゃなくて良いなら「冷凍」すれば寄生虫は除去できます。
短期間の冷凍保管なら栄養価はほぼ変わりません。冷凍保存は金魚を生かした状態で保管するのが面倒な方にもおすすめの保存方法ですね。
サイズによって呼び名が変わる
金魚は小さいサイズを「小赤(こあか)」、中くらいのサイズを「別下(べつした)」、大きいサイズを「姉金(あねきん)」と呼びます。
単純にS・M・L・LLサイズと表記して販売しているお店もありますね。金魚は魚の口のサイズに合わせて購入してください。余裕を持って食べれるサイズを選びましょう。
メダカ
メダカは大型熱帯魚の幼魚に与える定番の生き餌です。メダカは何故か腐敗が速く、死んだメダカを放置するとわ短時間で水が白く濁り水質を悪化させやすと感じます。
水面付近を泳ぐのがデメリット
メダカは水面付近を泳ぐので、水深が深い水槽だとポリプテルスや淡水エイは捕食するのが、やや大変なようです。水槽の水位を引くするか、あまり効率よく食べれていないようなら、必要な数だけ弱らせて与えるなど、工夫して与えてみてください。
尾鰭の透明な部分だけ切り落としてあたえると、直ぐには死なないのでおすすめの方法です。
アカヒレ
アカヒレは小さく細長い体型なので、まだメダカを食べられないサイズの幼魚に与える生き餌におすすめです。主に10cm以下のポリプテルスやシクリッドに与えます。
アカヒレ自体も非常に綺麗な魚で、食べられなくて生き残っても鑑賞に適しています。
ドジョウ
低層魚であるポリプテルスや淡水エイ、ナマズが捕食しやすく、低層魚に適した生き餌ですが、やや高価なのが難点です。冷凍ドジョウもたまに見かけます。
ウグイ
ウグイは販売サイズが10cm前後と大きく、大きなナマズやポリプテルスの餌におすすめ。大きな金魚でも済みますが、マンネリ防止のレパートリーの一つとして活用できます。熱帯魚ショップの他に、釣具店で購入できる場合もあります。
雑魚
雑魚は様々な淡水魚の総称で、生き餌の他にも冷凍餌として販売されていることもあります。種類はその時々で色々な魚が混じっており、何が届くかわからない楽しみもあります。オイカワなど飼育に適したレア魚が入っている事もありますよ。
ヌマエビ
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビのような、小型の淡水エビは、シクリッドや淡水フグの大好物です。大抵の大型魚はエビを好んで食べますね。クリルと同じくカルシウムの補給と赤の色揚げ効果があります。
ザリガニ
ザリガニは大きくフグの
アメリカザリガニなら地域によって自家採取できますが、汚い川のザリガニは細菌感染症や寄生虫に注意が必要です。塩水や冷凍してトリートメントしたほうが良いかも。
今後、アメリカザリガニは特定外来生物に指定され、生きたままの輸送ができなくなる可能性があります。
幸い冷凍販売は可能なので、餌としての供給は無くならないでしょう。
貝類
アサリや巻貝(スネール)はファハカやムブのような淡水フグ、シクリッドも好む餌です。スネールなら殻付きでも噛み砕いて食べれますが、シジミやアサリは噛み砕ける体格の大型フグ以外には剥き身で与えます。
貝類は大型淡水フグに殻付きで与える事で、歯の伸び過ぎを防止する効果が期待できます。
レッドラムズホーンやモノアラガイなら大量に増やせるので、自家養殖してみるのも良いでしょう。
ギュウハツ
ギュウハツはタンパク質が多く脂肪が少ないため水を汚しにくい。ポリプテルスやナマズは喜んでたべますし、生き餌に近い栄養バランスなので、生き餌を与えずに肉食魚を大きく育てたいなら、ギュウハツを与えてみると良いでしょう。
ポリプテルスを大きく育てたい人が与える定番の餌ですね。
ササミ
鳥のササミ肉もタンパク質が豊富でギュウハツと似た効果があります。ギュウハツに飽きた場合や、食べない時に与えてみると良いでしょう。
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