先日お越しくださったお客様がマンションのご自宅改装を検討中とのこと。
クロス壁を塗り壁に変えようかなっておっしゃってたので、今日はこの話題を。
塗り壁には漆喰
ねこ福には14年前に新しく塗り壁にした部屋と廊下が6ヶ所あります。
珪藻土の部屋が3ヶ所。漆喰の部屋と廊下が3ヶ所。
珪藻土と漆喰の住み心地を比較できるんですが、圧倒的に漆喰が快適。
もしもどちらにするか悩んでいるなら珪藻土はやめた方がいいとまで言い切ってしまおう。
ディスりは避けようと心掛けてるけど、書いた。
珪藻土を選んだことを後悔してます。
塗り壁には浄化力があるってホントです
なんだろうなぁ…部屋の空気感が違う。
漆喰には脱臭、防カビ、抗菌効果がある。
珪藻土にもそういった効果が謳われているけれど、効果の程度が確然と違う。
漆喰の部屋はなにかしらクリーンな感じがする。
それと比べると珪藻土の部屋は閉塞感があってなんとなく息苦しい。
お客様にも珪藻土壁の和室に入って実感してもらいました。
納得されてましたよ。
みなさんに過ごしていただくリビングスペースは天井まで漆喰塗りなので、効果もよく発揮されてることでしょう。
当時は壁材に浄化効果なんて…っと信じてなかった。
左官屋さんが警告してくれてるにも関わらず、軽い気持ちで珪藻土も採用…。痛恨。
工期終盤は職人さんとも仲良くなってたので、左官さんも親身でアドバイスしてくれてたようです。
珪藻土にはアスベストと同様に肺疾患を引き起こす可能性もあるとかないとか。
実際、珪藻土の部屋はなんだか埃っぽく感じてます。
多孔質なので埃を吸い込んではある条件で吐き出してくるような…、そんな感じがしてる。
漆喰と珪藻土、要点だけ比較してみた
漆喰塗りは、下地塗りが必要で下地が乾くまで本塗りに着手できず日数も手間もかかります。
珪藻土は下地塗りが不要。その分工期が短縮できるので、現場サイドとしては推したくなる。
そんな背景があっての珪藻土ブームなのかなぁと推測しています。
左官さん(お手洗いのサインの人)、
「悪いことは言いません、珪藻土の計画は漆喰に変えられた方が良いと思います。」
っと、そこまで言ってくれてました。
珪藻土の欠点といえば、
・浄化力は漆喰には劣る
・擦るとボロボロ崩れる
・耐久性は弱い
原材料価格はほぼ同等、塗り工程1回分の人件費が漆喰には上乗せになるとはいえ、費用はそれほど変わらないそうです。下塗りはラフだから。
長い目で見たら漆喰の方がお安いことになります。
珪藻土の利点として謳われるのは
・自然素材である
・色の選択肢が多様
なんだけど、それは漆喰も同じで、優位性はない…。
漆喰も着色できる
漆喰は白だけのイメージですが、色素を混ぜて着色できます。
ねこ福の長い廊下の壁も漆喰ですが白じゃない。
天井と比べるとわかるかな。
うっすら紫色です。
えび茶色のベンガラを混ぜてもらってます。
柱に塗ったベンガラと同じ色でグラデーションにしました。
漆喰には(珪藻土も)調湿作用があり、夏場は水分を吸って少し濃い色になります。
塗り立てはヴィヴィアン ウエストウッドの店内みたいにザ紫でしたが、乾燥すると試作どおりの色に落ち着きました。
現場合わせでなく必ず事前の調色が要りますね。乾くと色味がかなり薄くなります。
珪藻土の場合、既に多様に商品化されてるので見本帳から選べますが、漆喰の着色には事前に「実験」が必要。
作業に付き合ってもらえるよう交渉してみてください。
ベンガラ以外でも着色できるので、色バリエーションは珪藻土並みに可能なはずです。
余計な話ですが、
色の感じ方って表面積でかなりブレます。
小さなサンプルチップでちょうど心地よいと感じた色をそのまま採用すると、思った以上に濃い色の壁になってしまい圧倒されることになります。
これカラーコーディネーターさんでもミスるところ。
仕上がりイメージの1/5ぐらい薄い色を選んでちょうどです。(サンプルのサイズにもよるけれど)
漆喰と比べなければ珪藻土も悪くない
職人さんにそこまで警告されながら珪藻土を選んだ理由は、リフォーム前の珪藻土の部屋に違和感を感じてなかったから。
漆喰の部屋を経験する以前は、昭和の塗り壁から珪藻土に塗り替えて好印象だったのです。
それで全く同じメーカーの同じ色を選んで塗ってもらった部屋なんだけど…
枕元に壁があるのが耐えきれなくなってタベストリーで覆ってしまった。
以上、選べるなら迷わす漆喰をというお話でした。
ご興味がある方は、お越しになった時に比べて体感してみてください。
・玄関の白壁は珪藻土
・廊下の紫の壁は漆喰です