午前10時、ぼくは、いつも麓から見上げているこの羊蹄山の頂に立っていた。
3度目にして初めての山頂踏破。
夏と秋の境界、半袖で山頂に立って、ぼくは汗で濡れた長袖の上着を乾かしていた。
なんとも心地よい風が雲が吹き抜けてゆく。
カロリーメイトとカップに注いだ水が今日のぼくの朝飯。
雲海を眺めながら、太陽のヒカリを身体で感じていると疲労と充足感。
岩に身を預け、暖かい風の中に混じる冷たい風を感じて、涙が頬をつたう。
ぼくはそのまま、少しだけ眠ってしまったようだった。
登らずにはいられなかった。
旅の後半になるにつれ、徐々にそのイメージが強くなっていった。
登り切る自信は・・・正直なかった。
最後に登ったのは高校生。
毎日部活で鍛えていたその頃と今では年齢も、体力も落ちていると思っていたから。
でも、登りながらだんだんと考えは変わっていった。
負けたくない、諦めたくない、意地でも登り切るんだ。やれば出来るんだって、ね。
乳酸が溜まり、上がらなくなってきた足を両手で持ち上げる。
心臓が痛いほど胸を叩いていた。
何人に抜かれただろう。
抜かれる度に笑顔で挨拶を交わす。
酸欠で青ざめた顔。
作り笑いも引きつっていただろうに(笑)
・・・山頂で思い出していた。
目を瞑ると吸い込まれるように眠りに落ちた。
夢を見たようだったが、どんな夢だったか思い出せないんだ。
















