小豆の「シブ切り」、する?しない? | サリーの「おいしい」を科学する料理塾

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明日の鏡開きに向けて、小豆を煮ました。


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一般的なゆで小豆、おしるこのレシピでは、
洗った小豆と、4〜5倍量の水を鍋に入れて火にかけ、
沸騰したらお湯を捨てて軽く洗う「シブ切り」という作業を1〜2回行います。
それから1時間前後ゆでたら、用途に応じて水分の量を調節し、砂糖を加えて甘味をつけます。


「シブ切り」というのは小豆のアクやくさみを除く工程。
ただ、小豆のアクは体に悪いものではありませんし、
小豆のくさみというのも、言い方を変えれば小豆の風味です。

果たしてシブ切りは必要なのでしょうか。
今日は、シブ切りを2回したものと、シブ切りをまったくしなかったもの、
2種類のゆで小豆を作って食べ比べてみました。
実はこれ、以前メルマガをやっていた頃に、こしあん作りで試してみたものなのですが、
お汁粉では試したことがなかったので、再度やってみることにしました。
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左が、シブ切りを2回行ったもの。

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右が、まったくシブ切りをしていないもの。

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ゆではじめた頃は、シブ切りをしたものの方がゆで汁の色が薄かったのですが、
1時間煮てみると、見た目には全然違いがわかりません。

味の方はというと、シブ切りをしたものに比べると、
シブ切りをしていないものは、やや小豆の豆くささが残ります。
といっても、お赤飯に入っている小豆を噛んだときに感じるような風味なので、
決して嫌なにおいではないと思います。

しっかりとシブ切りをしたものは、華やかな風味だけが残り、
上品ですっきりとした、味わいに仕上がります。
今回は奮発して、ちょっといい大納言小豆を買ってきたので、
甘味処や和菓子屋さんで食べるような仕上がりになったと自負しています。

シブ切りをしないものは、小豆の風味がしっかりとして、

「豆を食べている」という実感があります。
甘さを控えめにすると、より食事寄りの味わいになりそうですね。


どちらもそれぞれの味わいがあり、おいしいです。
お店で食べるような上品な餡の味を目指すのであれば、
しっかりと2回、シブ切りをするのが良いと思います。
豆の風味を残したい人や、シブ切りが面倒な人は、
シブ切りを省略するか、1回だけすると良いでしょう。


ゆで小豆とおしるこ
材料(お汁粉4〜6人分)
・小豆 250g
・砂糖 200g(お好みで増減する)
 
1.しぶきり
小豆を洗って鍋に入れ、水1リットル(小豆の4倍量)を加えて、強火にかける。

(小豆は加熱前に水にひたさず、すぐに煮ます。)
沸騰したら、ざるにあげてゆで汁を捨て、さっと水で洗う。
この作業をお好みで0〜2回行う
 
2.煮る
小豆と、水1リットルを鍋に入れて、火にかけ、沸騰したら火を弱める。
ことことととろ火〜弱火で60分前後、小豆がやわらかくなるまでゆでる。
水分が蒸発してなくなってきたら、適宜水を足す。

小豆が常に水面より下にある状態を維持する。
(豆の状態によって所要時間にばらつきがあるので、様子を見ながら煮る。

指でつぶせる程度に、芯まで軟らかくなったらOK)

3.仕上げ
水分が多ければ余分な汁を除き、ひたひたにする。
砂糖を2〜3回に分けて加え、10分ほど弱火で煮る。

おしるこにする場合は、塩ひとつまみを加えて、お椀に注ぎ、
お好みで焼いたお餅や栗の甘露煮などをのせていただきます。