深夜でもクラクションが鳴り止まない寝苦しい夜を過ごし、朝、ほこりっぽい街に出た。実際に街に出るのはこの旅で初めてだ。
人が、犬が、リキシャが、絶え間なく通っている。
ここはバングラデシュなんだと実感した。
ガイド付きのバスツアーが始まった。スターモスク、ピンクパレス、ショドルガット、シャカリバザール。ガイドブックに載っているような観光地にはすべて行ったが、観光客はオンボロバスに乗った白人一人しか見なかった。
観光地の間のバス移動にやたらと時間がかかる。電車もなく、信号もまともに動いていないこの国はあふれかえる車のせいで常に渋滞している。
リキシャやバスの乗客からは常に好奇の目で見られた。モスクでは修行者に話しかけられ、学校のそばを通れば子供が手を振った。ピンクパレスでもいろんな人に話しかけられた。物乞いの少年は居たが、話しかけられるのはだいたい好奇心からだった。
正直、インドなどに比べればこの国は観光地など無いに等しい。
ただこの国に旅する意味は人と接することだと思う。
これから、まだ先は長い。
素晴らしい出会いを期待したい。
【文責: 広報局1年 下島亮】