We love Suu | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。


一人の人間としてこの世に生を承けながら、



ただただ自分のことだけを考えて生き、



それで死んでいくなんて。



…せっかく人間として生まれた甲斐がないのではないでしょうか。






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 これは、アウン・サン・スーチーさんのことばである。このことば通り、彼女は、ミャンマーを民主化するという信念を曲げず、ミャンマーの人々のために働くことを考えている。軟禁生活を強いられ、夫の死に目に立ち会えなくても、家族と離ればなれになっても、めげずに困難に立ち向かえるのは、強い信念があるからであろう。






 スーチーさんは、先日、タイで生活するミャンマーの出稼ぎ労働者のもとを訪れた。そこでも彼女は、「あなたたちを決して忘れていません。生活水準を引き上げ、ミャンマーに戻ってこられるよう努力します。」と述べている。






 スーチーさんは、今月29日からタイを訪問している。バンコクで開かれる世界経済フォーラム東アジア会議に出席し、女性の社会進出に関するフォーラムに参加する予定である。彼女が、国外へ出たのは、実に1988年以来24年ぶりだ。今までは、一度出国すると、再入国を拒まれる恐れがあったため、国内にとどまってきた。だが、2011年発足のテインセイン政権による民主化改革もあり、国外訪問に積極的になっている。世界中に、直接スーチーさんの声が届くことで、ミャンマーへの注目が高まり、民主化も加速するであろう。









 強い信念に加えて、国民からの大きな愛と期待もスーチーさんの支えとなっているであろう。彼女が軟禁生活から解放されたときには、大勢の国民が、「We love Suu」という看板を手に集まり、彼女とともに喜んだ。彼女の解放に喜んで終わるのではなく、彼女の導きに従うことが重要である、というようなことを述べた、ミャンマーの俳優もいた。国民は、スーチーさんを慕い、彼女の活動によって、国が良い方向へと変化すると信じているのである。




                     





 スーチーさんの頭にあるのは、ミャンマーのことだけではない。自分のことだけで精一杯にならず、常に広くアンテナをめぐらせているのである。東日本大震災の際には日本にもメッセージを送っている。そこには、慰みだけではなく被災者に対する敬意も表れている。








「皆さんが不平を漏らさず、強い意志と自制心で困難と逆境に立ち向かわれていることを尊敬してやみません。こうしてメッセージを記しているときにも、震災によって身体的・精神的に傷を負った方々や、損失を受けながらも生き抜くために精一杯の努力をしている方々のことを思い続けています。」







 スーチーさん自身、軟禁状態という想像を絶する状況に置かれていたからこそ、人の痛みに敏感であり続けられるのだろう。そして、その困難を自分一人ではなく、多くの人の支えによって乗り越えたと感じているからこそ、自身も人の支えになりたい、と優しく寄り添えるのではないだろうか。困っている人のことを考えるとき、上からものを言わず、その人の目線にたって歩み寄れる人になりたい。











東日本大震災 アウンサンスーチーさんからのメッセージ



http://www.burmainfo.org/article/article.php?mode=2&articleid=523








【文責:広報局2年 小澤茉紗】