想像力 | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

「優しいって字はさ、人偏に『憂い』って書くだろう。あれは『人の憂いが分かる』って意味なんだよ。きっと。それが優しいってことなんだ。ようするに想像力なんだよ」

これは、伊坂幸太郎さんのラッシュライフという小説の中にでてくるセリフです。



私たちは4/13の金曜日、チャリティライブchildxpeaceを行いました。

このイベントは、salメンバーが世界の子どもたちが直面する3つの国際問題についてのプレゼンを行い、それらの問題に関係のある3つの支援先へのチャリティ額の配分をお客さんの投票により決める、というものでした。

私たちが取り上げたのは、パレスチナ、インド、福島の子どもたちが直面している問題。

遠くの場所にいる、会ったこともない子どもたちのことを、私たちが日常生活の中で考える機会は少ないのではないでしょうか。



子どもの権利条約の中では、生きる権利、守られる権利、育つ権利が約束されています。
安全な場所で暮らしている私は、今までこのような権利を意識せずに生活してきました。


しかし世界には、安全に暮らすことが、教育を受けることが、将来の夢を叶えることができない子どもたちがたくさんいます。

世界の子どもたちが直面する問題を、すぐに解決するのは不可能です。ましてや学生である私が、直接働きかけても何も変わらないかもしれません。

だからといって何もしないということは私にはできませんでした。

私は知ってしまいました。
イスラエルに住むパレスチナの子どもたちが一生壁に囲まれて生活しなくてはならないことを。

私は知ってしまいました。
インドの子どもたちが不当に児童労働させられている現状を。

私は知ってしまいました。
福島の子どもたちが目に見えない放射能汚染に怯え自由に外で遊ぶことができないことを。


困っている世界中の子どもたちのもとへすぐに駆けつけて問題を解決することのできない私にできることは、子どもたちの苦しみや痛みを想像することでした。

どこかで苦しんでいる誰かのことを知り、その悲しみを想像すること。これが私たちができる国際協力のひとつだと思います。


そんな一人一人の想像力が集まれば、世界は少しだけ、優しくなるかも。


【文責:広報局2年 矢口絵理】