時間 | 学生団体S.A.L. Official blog

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 時間を有効に使う。それは私だけでなく、多くの人が意識していることだと思う。「今日は何もしなかった。一日無駄にした。」や「暇な時間をつくりたくないから予定を入れよう」などよく耳にする。そして、私もそのような発言をしていた一人である。しかし、今回ドキュメンタリー制作を通じてインドへ渡り、「時間を大切に使う」ということはどういうことであるか改めて考えさせられた。

 インドへの旅が始まる前、手帳には予定がぎっしり書き込まれていて、朝から晩までフルタイムで行動をしていた。多忙な生活をしていると、自然と心に余裕はなくなるが、時間を有効に使えていると感じることは多かった。

 だが、インドで異なる背景を持つ人たちの話しを聞くにつれ、「忙しい日々を送ること」と「一分一秒を大切に使う」ということは決してイコールではないことに気付かされた。

 私の中で、ボランティアをする人たちは貢献したいという意識のもと活動をしている。そして、何の見返りも求めず、すべてを捧げる気持ちで行うべきである。と考えていた。しかし、今回ボランティアに携わる方々にインタビューをさせていただくと、必ずしもそうではなく、逆に興味本意でやっている人、旅先で偶然ボランティアをする機会に恵まれた人、自分の成長のため、新たな発見を求めて行う人が多いという印象を受けた。初めは、ボランティアに対する意識や考えの違いに戸惑いを感じることもあったが、2週間そのような考えを持つ人たちと向き合い、少しずつではあるが、受け入れることができたのではないかと思う。

 人の話を聞くことは、語学・資格の勉強などのように自分の成長が形となって見えるわけではない。部活のように辛さを乗り越え、達成感を味わえるわけではない。バイトのようにお金を稼ぎ、それを留学など自己投資に使うことが出来るわけではない。だが、相手の考えを自分自身の考えと照らし合わせ、自分のスタイルにして吸収していくこの時間も一つの有効な時間の使い方であると感じた。当たり前のことなのかもしれない。しかし、この当たり前をインドでは改めて気付かされた。



2年 永井久喜