インドの現状 | 学生団体S.A.L. Official blog

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こんにちは!
総合政策学部一年、山本峰華です!







 「子どもは引き裂かれ、女の人はレイプをされています。」
私のいたところの20kmほど離れた村で、こんな現状があることを、シッタルタさんは、涙を目に浮かべながら、私に語ってくれた。

私は、3/10から二週間、インドへ行った。

その中で、ニランジャナスクールという、小学校と孤児院のあるところに、9日間滞在した。

このニランジャナスクールがあるのは、インドで最も貧しい州と言われるビハール州のスジャータ村。
このビハール州は、乾燥していて農業がうまく出来ない土地なため、人々は農業ができず、貧しい。
カースト制度の“下のほう”の人々が住む。
このニランジャナスクールは、そんな貧しい教育を受けられない子どもたちに教育をする場所だ。

そしてこのニランジャナスクールを作ったのが、シッタルタさん。
彼は、20歳の時からこのスクールを青空教室から始め、10年ほど経った今では、立派な小学校と孤児院に500人ほどの生徒がいるニランジャナスクールを作りあげた。
シッタルタさん自身も、スジャータ村で生まれ、貧しいため教育を受けられず児童労働をしていたが、こんな子どもたちを増やしたくないと思い、このニランジャナスクールを創設した。



このニランジャナスクールで、私が過ごしているとき、村をマフィアが襲うという事件が多く起きた。

ニランジャナスクールのあるスジャータ村から20kmほど離れた村々で、マフィアが女性や子どもたちを容赦なく襲った。
夜には、男性たちのマフィアに対する警戒の「オー」という声が響いた。


インドでは、政治汚職が多くあり、汚職をしている政治家たちが、貧しい人々をマフィアとして雇っている。
そして彼らに「村を襲え」などと指示をするという。
貧しい人達が教育をするということも嫌い、そのような支援をしている人を殺したりもしているそうだ。
選挙のため、自分がずっと高い位置にいられるように、容赦なく村を襲う。



この現状に、私は愕然とした。
そしてこの現状は、変えられないとシッタルタさんは言う。
インドの政治の中では、当たり前のこととなってしまっているからだ。

マフィアの人たち自身も、襲いたいから襲っているのではない。
貧しいからお金を稼ぐためなのだ。


悪いサークルがインドにはある。
これから発展していくと言われるインド。
もちろんデリーなど発展しているところは凄まじい発展をしている。
でも貧しい州はまだまだ貧しい。



この格差はこれからどうなってくるんだろう。

旅の間、何度もこのことを考えた。
このままだとこの格差は縮まらないと私は思う。
カースト制度のなごりか、上の層の人々は、下の層の人々のことを気にしない。
上の層の人々がインドに住む人々全体の事を気にして、皆の状況が少しでも良くなればと思う。




私がスジャータ村を去った二日後、スジャータ村の近くで、マフィアが夜行列車の線路に爆弾を置き、テロを起こした。
幸い、列車が直前で急停車し、線路が壊れただけで終わった。

でも、もし列車が止まっていなかったら…
そう考えると恐ろしい。



村々に男性たちの「オー」という警戒の声が響かない日々が来る事を祈りながら、今回の文章を終わりたい